バリ島 | ランチ番長

バリ島

 バリに通いはじめて、4年になりますが、年々というより、月々近代化、物価もバンバン上がっています。

 初めてバリのングラライ空港に着いた時、湿った重い空気と甘い花の香りと腐敗臭が混ざりあったアジア独特の香りがガムランの音とともに漂って、正にそこは異国でした。
 行く度にその香りが薄くなっています。

 前回バリに行った時、クタからスミニャック(バリ島南部の繁華街)にかけて、大々的に下水工事をしていました。

 (タクシーの運転手に聞いた話によると)バリの銀行の頭取とメガワティ前大統領が個人出資をしたそうです。それまでのバリの道と言えば、ちょっとスコールが長引くと、あっという間に下水が溢れ出て、道路は冠水してしまい、外に出るに出られないという劣悪な道路環境でした。
下水と言っても、日本の下水のようにきちんと下水管が埋め込まれているわけではなく、道路の両脇に川のようになっていて、10m置きにコンクリートの蓋のようなものがあるのですが、すぐに詰まるため地元住民がその蓋をあけ、スコップで中をかきだしているというのが日常的な光景です。そんなんで開け閉めを頻繁にするため、その蓋は原形をとどめているものは少なく、うっかりその蓋の上を歩くと、下水の川におちそうなります。
 その下水を工事して、今回道はすっかり綺麗になっていました。

 そして、蚊とトカゲ。南国なので、当たり前ですが、蚊がたくさんいます。白い10cmくらいのトカゲもレストランの壁から、ホテルの自室までいたるところにいます。
 が、今回ほとんどみかけませんでした。インドネシア、タイ、シンガポールなどで問題になっているデング熱は、蚊が媒介しているということで、国がホテルに一定期間置きに、殺虫剤散布を義務付けたそうです。宿泊したホテルで偶然その現場に立ち会いましたが、それはちょっと想像を絶する量でした。

 殺虫剤散布といっても、何人かが手分けして、シュシュっとするぐらいだろうと勝手に思っていたのですが、アメリカの畑の農薬散布のように、真っ白い煙りでホテル全体が覆われる量の散布でした。殺虫剤の白い煙りがおさまるまでに10分以上かかり、外に出てみると、足元にはびっしり虫の屍骸が。

 『そりゃー刺されないし、トカゲもいないよなぁ…』

と納得せざるおえない現場に立ち会ってしまいました。

 以前から、殺虫剤散布はやっていましたが、こんな大々的ではありません。道路といい、殺虫剤といい、クタセンターの前に建った新しいアーケードといい、たとえ繁華街とはいえ、のんびりとしたバリ島独自の雰囲気は失われ、ハワイ化しているように感じました。

 道路が綺麗になり、虫にも食われなず、格段快適に過ごせるようにはなりましたが、私が求めているのとは、少し違う。言葉では言い表せない『バリ島らしさ』がどんどん失われていました。まだまだ成長している街なのでしょう。

 毎朝バリの人達がかかさず神様に捧げる、チャナンという、バナナの葉っぱに花や食べ物を載せたものも、圧倒的に減っていたのも気になりました。

 それでもまたバリに行くと思います。

『ヤシの木より高い建物は建ててはいけない』

という規制がなくなったり、物価が東京と変わらない、という状況になるまでは、しがみつくようにバリ島に行くのだろうなぁ、と漠然と思っています。