Artist:
Dark Angels

Album:
Venomous Embrace

Track List:
1. The Revenant
2. License to God
3. In Venomine
4. Extremely Divine
5. Poisonous Innocence
6. Rise
7. Of Pride and Punishment
Band Members:
Radek Popel (Male Vocals)
Václav Votruba (Electric Guitars)
Jakub Vondrka (Electric Guitars)
Tomáš Trávníček (Basses)
Petra Došková (Keyboards)
Radek Fiala (Drums)
Website:
Bandcamp
チェコ、ドマジュリツェ出身、シンフォニック・ゴシック・メタル・バンドである、Dark Angelsが2017年にリリースした、4thフル・アルバムにあたる『Venomous Embrace』。
その音楽性は、中音域から高音域にかけてのナルシスティックに歌い上げるクリーン・ヴォイス、低音域の凶暴的なデス・ヴォイス、そして中音域の邪悪なイーヴィル・ヴォイスという三種類の声色を操る男性ヴォーカルをフロントに、ツイン・エレクトリック・ギター、ベース、キーボード、ドラムなどといった生楽器を配した、ダークさとパワフルさが同居した、シンフォニック調のゴシック・メタルが、CDアルバムの全編に渡り展開されています。
シンフォニック・ゴシック・メタルというと、ここ日本においては所謂フィメール・フロンテッド・メタル・バンドが有名のようですが、このDark Angelsというバンドの場合は男性歌手による美しいクリーン・ヴォイスを主体とした、中々に珍しい存在です。
とはいえ、昔は女性ヴォーカリストをフロントにおいたバンドだったようですが、聴いた事が無い、というよりも入手困難であるが故に聴く事が出来ないので、私には分かりません。
正直に申し上げると、シンフォニック・ゴシック・メタル界に属するバンドの多くは、一部を除いては、シンフォニックの要素を重視するあまりに、曲調そのものはポップ・ロックのような、良くも悪くもコマーシャル性の強い、大衆に媚びるかのようなサウンド・スケープを奏でていると思います。
その点、このDark Angelsというバンドの場合は、本作にあたる『Venomous Embrace』を聴く限りでは、バンド・サウンドに重きを置き、シンフォニックの要素は味付けをする程度に抑えられていて、ヘヴィ・メタルとしてのカタルシスを存分に味わう事が出来ます。
楽曲の展開も程よく練られていて、最後まで飽きずに聴き通す事が出来ます。
もっとも、ゴシック・メタルの特有の陰鬱なダークでは無く、どちらかというとパワフルなサウンド・スケープを奏でているので、その点は賛否に分かれてしまうのかも知れません。
あくまでも私個人としては、楽曲そのものさえ良質であれば、このようなスタイルのゴシック・メタルも悪くは無いと思わせてくれたバンドです。
男性ヴォーカリストとして在籍するRadek Popelは、美しいクリーン・ヴォイスからデス・ヴォイス、イーヴィル・ヴォイスまでの幅広い声色を披露していますが、イーヴィル・ヴォイスになった途端、『それいけアンパンマン』に登場するバイキンマンを彷彿とさせるアニメ声になってしまい、興醒めしてしまうのが、唯一の難点でしょうか。
チェコ人がバイキンマンをご存知なのか否かは、私には分かりませんが、イーヴィル・ヴォイスに関しては、専任者を雇った方が、このDark Anglsというバンドのためにも思います。
全七曲、三十八分と、楽曲の一つ一つが比較的コンパクトに纏められています。
あくまでも私個人としては、あと一歩、長尺に制作された楽曲を求めてしまいます。そうする事により、より一層の深遠さを表現する事が出来たのではないでしょうか。