共同親権って何?DV等で離婚した場合はどうなる?過去の離婚に対しても適応される? | 渾沌から湧きあがるもの

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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法制審で審議中 「共同親権」について

 

 

 

現在、「離婚及びこれに関連する制度」が法制審議会家族法部会で審議されています。12月19日の第35回会議では「家族法制の見直しに関する要綱案」(案)が示され、審議が大詰めを迎えていますが、この中で共同親権の導入が検討されています。
 

「双方を親権者と定める」ことができる

現行法では父母が離婚するときは、協議離婚の場合も、裁判上の離婚の場合も「その一方を親権者と定める」(民法第819条)となっているところ、これを「双方又は一方を親権者と定める」と改定するものです。父母の両方が親権者となることを認めるものですが、この共同親権については賛否両論があり、様々な議論が行われてきました。
 

要綱案(案)では、親権の性質について「その子の利益のために行使しなければならない」といった形で明確化することが示されています。
 

ところが、現在の家裁の現場では、親権が問題となる場面で、必ずしも子の利益のために行使されない可能性が予想される実態がうかがえます。
 

共同親権について言えば、文字どおり「子の利益のために」父母が協力し合って親権を行使する状況が作られるのであれば問題ありませんが、離婚に際して葛藤が高まった父母の場合には、そもそも協力態勢を築くことが難しく、相手方や子どもを支配したり、あえて行動を妨害し、攻撃するための手段として用いられる懸念が強くあります。共同親権を導入するのであれば、そうならないための仕組みづくりが何よりも重要だと考えます。

 

「紛争長期化」「新たな火種」の懸念も

また、離婚の際には多かれ少なかれ紛争や葛藤があるものと考えられますが、共同親権を定めることが、事案の解決につながらず、むしろ、紛争を長期化させたり、新たな火種になることが懸念されます。共同親権が認められれば、父母の双方が親権者となることから、子どもにまつわる様々なことを話し合って決めることになりますが、例えば、ワクチンの接種、小中学校の受験、転校(転居)、アルバイトなど、これまでは監護親が判断していた様々な事項について、協議ができないことを理由に調停などの裁判所の手続きで決めるよう求められる可能性があります。双方の価値観の違いが裁判所に持ち込まれ、その間、実態としては紛争がずっと続いていくことになりかねません。
 

とりわけ、DVなどが背景にある場合が大きな問題となります。共同親権を認めることが新たな被害につながることを懸念する被害者側の主張もありますが、加えて「共同して親権を行うことが困難であると認められる」かどうかの判断を裁判所が行うことは、現実の事件を処理する場面では相当に微妙なケースがあり、かなり難しい判断を迫られます。実際には、家庭内のことで証拠が乏しく、判断しかねることも少なくないと思われます。

 

 

人的・物的体制整備、慎重な運用の検討が不可欠

法改正にあたっては、以上のような点も考慮して、慎重に審議される必要があり、仮に要綱案(案)のとおり法改正が行われたとしても、実際の運用にあたっては相当に慎重な検討が行われる必要があるものと考えます。同時に、裁判の場面だけでなく、親権をめぐる国民的な議論が積み上げられ、成熟していくための社会的な環境整備も求められます。
 

また、こうした制度が導入されるのであれば、施行当初からの事件増が考えられるとともに、いわば「事件が事件を生む」ような事態も懸念されることから、家庭裁判所の抜本的な人的・物的体制の整備が必要不可欠です。また、離婚をめぐる事件が今よりさらに複雑・困難になることが想定され、とりわけ、当事者対応は困難を極めることが予想されることから、現場の職員が困ることがないような運用の在り方を検討する必要があると考えます。

 

 

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【共同親権】大炎上が起きないよう、一刻も早く成立を 

―柴山議員(自民党・埼玉県連会長)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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記者会見「1・30共同親権を含む民法改正要綱案に反対です」を開催しました

 

 

1月30日の記者会見における、木村草太氏のコメントです。ぜひ、多くの人に読んでいただきたいです!

 

2024年1月30日
 

離婚後の非合意・強制型の共同親権を導入する要綱へのコメント
東京都立大学法学部教授 木村草太

 

 

今回の要綱は、裁判所が明確な「子の利益を害する事情」を見つけられない場合には、父母の合意がなくとも共同親権を命じ得る内容です。こうした非合意・強制型共同親権には、重大な問題があります。
 

第一に、共同親権の合意すらできない父母に親権の共同行使を強制すれば、子の医療や教育、引っ越しなどに関する意思決定を混乱させ、子の利益を害します。「事前相談がなかった」などとクレームを付けられる、場合によっては訴訟を起こされる、といった事例も頻発するでしょう。
現状、シングルの子育ては、精神的・経済的・時間的に余裕のない人がたくさんいます。ギリギリな中で、なんとか頑張っている同居親に、親権行使のための交渉や調整の負担を課し、子のために使える時間やお金を浪費させることにもなりかねません。

 

第二に、「共同決定の強制」は「人間関係の強制」であり、それ自体が国家権力による暴力であり、家庭内暴力の助長です。
憲法24条1項が、婚姻の成立に両当事者の合意を要求したことの意味をよく考えるべきです。親権の共同は「婚姻の効果」の一つであり、両当事者の合意がない限り生じさせてはならない効果のはずです。

 

また、この要綱が決定されたプロセスにも、重大な問題があります。
 

第一に、法制審議会は、全会一致を慣行としてきました。それは、法制審議会の有識者がそれぞれ専門を異にし、一部の意見を無視すれば、重大な問題が発生するからです。今回は、DV・虐待の専門家の反対を多数決で押し切ろうという動きがあります。この法案が通れば、DVや虐待の被害者が窮地に立たされることになるのは、明らかです。
 

第二に、中間試案の作成において、参考資料の作成に政治的圧力があったという報道がありますが、審議会はこの点について検証していません。
 

第三に、パブリックコメントには、多くの当事者から、非合意・強制型の共同親権への切実な懸念が寄せられましたが、審議会は、それらの声を十分に検討していません。
 

第四に、審議の内容にも多くの疑問が残ります。審議会では、父母が合意してなくても共同親権にすべき場合とはどのような場合かなど、大変重要な問題提起がなされましたが、受け流されたままです。

 

このように、要綱決定のプロセスは異様で、議論の内容も、子どもの利益と家庭内暴力の被害者への配慮を欠いたものになっています。
 

この要綱案に賛成するということは、DV・虐待の被害について無知であるか、加害に加担しているかのいずれかです。さらには、「人間関係を強制されない」という、人間の尊厳に不可欠な自由の侵害についても、無知であるか加害に加担しているかのいずれかです。
 

無知にせよ、加害への加担にせよ、DVや虐待の被害者の保護、あるいは、個人の尊厳をないがしろにする本案が、「理の場」たるべき法制審会において、多数決という数の暴力で押し切られるという前例を、看過するわけにはいきません。

 

なお、現行法でも、父母の協力関係があれば、共同の子育ては可能です。実際に、離婚後でも、父母の家を行き来するなど、協力して子育てをしている事例は多くあります。
 

しかし、共同親権でなければ共同で子育てできない、現行法のせいで面会交流が一切できない、という趣旨の誤った報道が相次いできました。ぜひ、正しい情報を発信してください。

 

以上

 

 

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