【参院選2022】総力特集・カルト候補ぜんぶ載せ! | 渾沌から湧きあがるもの

 

 

【参院選2022】

総力特集・カルト候補ぜんぶ載せ!

 

 

 

 

本レポートは、やや日刊カルト新聞社のメンバーが蓄積してきた取材・調査の内容から、2010年以降の、各候補者と「カルト問題」に関連しそうな団体との関わりをまとめたものである。統一教会関連の情報は主に鈴木エイト主筆が担当。それ以外を、藤倉善郎総裁と他の記者が担当した。

 

従来、「カルト問題」とは主に、精神的な束縛を伴う集団が引き起こす違法行為や人権侵害等の諸問題や現象を指す。問題とされる集団は宗教団体とは限らず、スピリチュアル関連の企業や団体、自己啓発セミナー、マルチ商法、ニセ科学、ニセ医療、ニセ歴史関係なども含まれ、集団ではなく個人で活動する占い師等も含む。さらに、ここでは従来「カルト問題」の専門家たちの間で必ずしも議論されてこなかった陰謀論、反ワクチン、レイシズム等も含め、より幅広い分野をカバーすることを目指した。

 

問題の質や度合いは団体ごとに違い、政治家の関わり方も様々である。本レポートでは、問題のある団体・勢力ごとのポイントを設定し、またそれとの関わりの質(協力関係なのか一体なのかなど)によるボーナスポイントも設定した。これにより算出したポイント(P)と順位、さらに、具体的にどのような関わりであるのかも全て掲載する。

 

それぞれの情報をどの程度問題視するのか(たとえば該当する候補者への投票を避けるほどの問題と捉えるのか等)は、有権者それぞれに考えてもらいたい。また、この視点から投票判断を直接左右することがなくても、「カルト問題」と政治の関係や「人権」について考える一助になれば幸いである。

 

また今回、過去の「やや日刊カルト新聞」の報道やそれに用いてきたデータベースを大幅に改定、補充した。しかし「やや日刊カルト新聞」のような弱小メディアには調査に限界があり、全てを網羅できてはいない。

 

「自分はもっと他にもカルト団体との関わりがある」という候補者の方がいましたら、ぜひご一報下さい(daily.cult@gmail.com)。

 

 

ここで取り上げる団体・勢力について

 

オウム真理教については、過去、大概的なテロ行為、内部でのチンチ殺人、金銭等の収奪等々があった。現在も「アレフ」「ひかりの輪」「山田らの集団」として組織を存続させており、団体規制法に基づく観察処分の対象となっている。

 

また、統一教会は、霊感商法の他、団体名や正体を隠したり偽ったりする「偽装勧誘」等が長らく社会問題となっている。

 

ワールドメイトは、高額な献金や研修料金、批判的なメディアやジャーナリスト等に対するSLAPP(恫喝訴訟)等が問題視されてきた。

 

幸福の科学も同様。浄土真宗親鸞会は、団体名を偽り宗教であることを隠して勧誘活動を行うことから、特に大学において問題視されている。

 

創価学会は、かつてほど強引な勧誘が見られなくなったとも言われるが、バチなどに対する恐怖心に基づく信者への抑圧・統制といったカルト的側面は維持されていると判断し、対象とした。公明党候補及び連立政権を組む自民党の全候補に創価学会分のポイントを付け、中でも公明党の推薦を受けた自民党候補については後述のボーナスポイントを加算する。

 

反ワクチンは、ワクチン接種会場を襲撃し逮捕者を出した「神真都Q」の問題がある。そこまで過激でない団体・人物についても、自身がワクチン接種を拒むばかりではなく、他者に接種しない・させないことを呼びかけるため、子供や老人などへの医療ネグレクトにつながるおそれがある。陰謀論も反ワクチンと重なる部分が多いほかレイシズムと極めて親和性が高い。レイシズムについては、暴力的な行為や態度を伴わないものも含めて、その思想の表明自体が差別であり直接的人権侵害である。

 

日本会議神政連については、「カルト問題」の文脈で語られることはほとんどない。しかし日本会議は特に、別団体を名乗った集会等で賛同者や加入者を募る点で、偽装勧誘的要素を持つ。また神政連と合わせて、復古的な家族観、男女観などが女性や性的マイノリティへの差別を含む。特に神政連については、LGBTQに関する差別冊子を自民党議員らに配布したことが発覚したばかり。政治の場での差別的思想の現実化を目指すだけではなく、こうした直接的人権侵害が存在する点を重視して、対象に加えた。現職議員の場合、両団体の国会議員懇談会に所属しているケースが多いが、それらで役職を務める候補者については後述のボーナスポイントを加える。

 

不二阿祖山太神宮は、数百万年前に富士山麓に天皇を戴く「富士王朝」(古代富士王朝)があったと主張する宗教団体で、関連のNPO法人名義で毎年イベントを開き、教義に基づいたシンポジウムもその一環として行なったこともある。同イベントに文部科学省や教育委員会を後援につけ、親子連れ客を当て込もうとしていることから、信者に限定せず子供に不合理な教育を行うニセ歴史教育団体。子供の(まともな)教育を受ける権利に関わるものとして、対象とした。

 

スピリチュアルについては、その分野全てにわたってカルト問題的なものが存在するとは言い切れないが、被害相談が寄せられるケースが少なくない分野である。特に問題が大きい団体・人物と関わっている候補者や、関わり方に重大な問題がある候補者について、対象とする。

 

ホメオパシーは、ただの砂糖玉を病気等に聞くと称して高額で販売する民間療法。砂糖玉で人の健康は損なわれないが、通常の医療を否定する思想を併せ持つ普及団体があることで、通常の医療を拒み死者が出るケースもある。ニセ医療に含まれる分野だが、それ以外の、科学的根拠が否定もしくは強く疑問視される医療関係の分野と関わりを持つ候補者については、ニセ医療として対象とする。

 

動物愛護過激派も、「カルト問題」の分野ではほぼ取り上げられない。ヴィーガン、アニマルライツ等、通常の社会運動である限り全体としては「カルト問題」とは関係がない。しかし今回の参院選では、犬肉食を非難し、韓国系料理店に嫌がらせを繰り返す活動家と行動をともにする候補者がいることから、対象とした。またこうした運動の一環として、犬肉食の文化・習慣を持つ外国人への差別発言を伴うケースもある。これについては「レイシズム」としてカウントする。

 

NHK党については、複数のレイシストを党の公認候補としている点、これまで街宣等で、敵対者やヤジに対して嫌がらせや暴力的な行動をとってきた。そのため、党そのものをカルト的集団として対象と、公認候補全員にカルトポイントを付ける。

 

日本共産党については、「民主青年同盟」(民青)を名乗り共産党であることを明示せずに大学生を勧誘する。この手法は統一教会等による偽装勧誘と同構造であるため、党そのものを対象とした。ただし、共産党員になることで統一教会等の典型的なカルト集団と同じ性質・度合いの被害を受けるとは言えず、その点で同一視できない。そのため、下記のように団体の基本ポイントは他に比べ低めに設定した。共産党候補者全員にポイントを付け、野党共闘によって共産党の支援を受ける他党や無所属の候補にもポイントを付ける。

 

 

続きは