さんより転載
映画『新聞記者』(2019年)を観た。
このところ、授業と会議の合間にタクシーを使って駆け込んだりして、けっこう映画館に通っている。
6月28日に全国上映が始まったが、上映館が近くにない。公式サイトも、一時アクセスできなかった。
特定のIPアドレスから、システムを使用した集中的なアクセスを受けていることから、サーバーが一時的にダウンしたということである。
上映開始の翌日に席をネットで予約したら、私で「完売」になった。上映時間ギリギリに着くと、すでに満席近い。パンフレットも売り切れ。これには驚いた。
これから多くの人に観てもらいたいので、映画の感想はここでは控えておく。
ただ、少しだけ述べておけば、まず、主演のシム・ウンギョンと松坂桃李が熱演だった。
特にシム・ウンギョンは「女性記者」を意識させない演技で、新聞記者を描くにはぴったりだった。
内閣情報調査室のトップ、北村滋内閣情報官らしき人物を演ずる田中哲司は凄味がある。
暗めの照明と「影」を組み合わせたカメラワークも効果的だった。
パンフが完売なので、「原案」とされる望月衣塑子『新聞記者』(角川新書、2019年)をその場で購入し、隣接のカフェで読了。この記者の歩みや志やこだわりはよくわかった。
5月に米映画『記者たち』(2018年)も観ていたが、新聞社や新聞記者の描き方でこうも違うものかと思った。権力に対して新聞社も記者たちもパワフルに向き合う米国映画と比べて、日本では、内部に「首相と飯食う人々」を抱えた「迎合と忖度」の構造が存在する。
映画『新聞記者』には、『記者たち』や、昨年4月に観た『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』のような爽快感もなければ、溜飲を下げるポイントもない。
あるのは閉塞感である。それがいまの日本そのものを活写しているといえなくもない。
一つ希望があるとすれば、『新聞記者』がこの時期、このタイミングで上映されたことだろう。
この国には、「勘繰る政治」の荒野が広がっている。
政治から官僚機構、メディアに至るまで、「忖度」が「構造化」している。
映画『相棒 劇場版Ⅳ』の脚本を書いた太田愛さんは、「上は命令という証拠すら残さず部下に意向を汲ませて動かす」手法について、「「察して動く」という行為は昔からあるものだと思うのですが、それが権力構造の中で行動規範として求められるようになると、全く異質な強制力を持つのではないか。その強制力のもとでシステムが動き出したらと考えました」と指摘している(太田愛・水島朝穂対談「介入と忖度―憲法施行70年に寄せて」『世界』2017年6月号)。
映画『新聞記者』はテレビメディアにスルーされ、人々の目にできるだけとまらないように、話題にならないように、静かに無視されている。
だからこそ、参議院選挙の公示日の6日前に全国公開するということは、かなりの決断だったと思う。
その点、プロデューサー河村光庸氏は、インタビュー「あえて参院選前に公開 映画「新聞記者」なぜリスク取った」(『日刊ゲンダイ』6月28日付(27日発売)のなかで、「「テレビ業界で干されるかもしれない」と断ってきた制作プロダクションが何社もありましたし、「エンドロールに名前を載せないでほしい」という声もいくつか上がりました。」と語っているので、これは相当大変だったと思う。
通常、映画の公開が迫ると、ワイドショーなどで、人気俳優に焦点を合わせた企画が出てくるものだが、松坂桃李クラスなのにほとんどなかった。
選挙期間中は、この映画のことがテレビで出ることはまずないだろう。
河村氏はそのリスクを承知で、あえて6月28日公開に踏み切ったわけである。
こういう映画を黙殺する一方で、この政権はいろいろと巧妙な仕掛けや趣向を打ち出してくる。
河村氏はいう。「毎年恒例の首相主催の「桜を見る会」があるでしょう。官邸は芸能人や文化人をたくさん招待している。彼らの間では、呼ばれることが一種のステータスのような雰囲気が出来上がっていますよ。官邸はSNSを通じたイメージ戦略にも非常に長けていますよね。安倍首相は若者に影響力のある芸能人には積極的に会い、彼らはその様子をツイートする。思想的に近い文化人もうまく利用して、安倍政治に都合の良い色に社会を染め上げている印象です」と。
安倍首相のタレント利用は、インスタグラムに載せる必要もあってか、前のめりである(『毎日新聞』7月3日付夕刊)。
4月20日、吉本興業の「吉本新喜劇」に突然出演して、「四角い仁鶴がまーるく収めます」などとギャグをかましてご機嫌だった。
6月6日には、今度は吉本所属の西川きよしらが首相官邸を訪問して、官邸の応接室で、吉田裕とすっちーの持ちネタ「乳首ドリル」を披露した。
100日間も予算委員会の審議を拒否して、きちんとした答弁をしていないなか、吉本のタレントたちと官邸内で会う時間はたっぷりとる。
元文科事務次官の前川喜平氏は連載コラムのなかで、「安倍首相は吉本興業がお好きのようだ」と書き、6月24日に、吉本の芸人たちが特殊詐欺グループの宴会で闇営業をしていた事実が発覚して、芸人たちが謹慎処分にされたことを指摘して、「吉本興業を利用した安倍首相のイメージ戦略は、どうやら失敗したようである」と皮肉っている(『東京新聞』6月30日付「本音のコラム」)。
ここで驚くべき情報がある。
数日前、定期購読している雑誌『選択』2019年7月号が届いた。
まっさきに「国内人事情報」欄に目を通す(11頁)。電車内だったので、エーッと声をあげたいところを何とかこらえた。
あの詩織さんレイプ事件を起こした山口敬之氏(元TBS)の逮捕状を握りつぶした中村格警視庁刑事部長(当時)が、警察庁長官になる可能性が高いというのである(冒頭右の写真:『週刊新潮』2017年7月13日号(7月6日発売))。
「国内人事情報」の見出しは「警察ツートップ同時交替で五輪シフト」。
警察庁長官に松本光弘次長が就任し、同じタイミングで警視総監に、斉藤実副総監が昇格する。
松本氏は外事情報部長、警備局長を歴任して国際テロ情勢に通じ、斉藤氏は警備課長や官房審議官(東京五輪担当)を務め、昨年7月に副総監になった。
副総監から総監に昇格した例は過去にほとんどなく異例。
松本氏のあとの警察庁次長には中村格官房長が就く見込みという。
「中村氏は、女性ジャーナリストとのレイプ騒動でTBSの元ワシントン支局長の逮捕状執行を取りやめさせたとして話題になった人物。中村氏は次の長官就任も確実視されている。」
中村氏は、菅義偉官房長官の秘書官から警視庁刑事部長となり、安倍昭恵夫人の学校時代からの親友の弟である山口氏が所轄の高輪署に逮捕されそうだというので、その逮捕状を執行直前にストップさせるという離れ業をやってのけた人物である。
岩田明子NHK解説委員と並ぶ安倍側近記者だった山口氏は、『ニューヨークタイムズ』2017年12月29日付が1面と8面を使って詳細に報道したレイプ疑惑の人物である。
裁判官が出した逮捕令状を、所轄署の刑事が執行する直前に握りつぶすということは聞いたことがない。首相のお気に入りの側近記者であり、首相夫人の親友の弟でなければ考えられないことである。
そんなことをやった人物が警視庁刑事部長から警察庁長官官房総括審議官、官房長となり、次の人事で警察庁次長、やがては警察庁長官という警察トップになるとすれば、世も末である。
前川喜平元文科事務次官はいう。
「今は官僚が萎縮して、政治家の言うがままになっています。これは行政をゆがめる。官僚主導がいいとは思いませんが、官僚のいいところは中立性、公平性、そして全体の奉仕者という意識を強く持っているところです。政治家はどうしても一部の奉仕者になりがちで、官僚が全体を見て本当に世の中のためになることを考えないといけません」と述べ、「私が一番おかしいと思っているのは(安倍首相と近いとされる元TBS記者からの性暴力被害を訴えた)伊藤詩織さんの件です。総理の友達だったという理由で逮捕も立件もされなかったのなら、もはや法治国家ではありません。」と指摘している(前川喜平元文科事務次官インタビュー『毎日新聞』6月20日付夕刊)。
続きはこちら
http://www.asaho.com/jpn/bkno/2019/0708.html
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ひえーーーーーーーーーーーーっ
マジかーーーーーーーーーーーっ
まさに悪魔のような安倍政権やん
これが本当だったらこの国終わりやん・・・
自民党の独裁化が進むだけやん・・・
これ、マジだったら抗議行動モンですな
一方で今日はこんなことが・・・
週刊新潮@shukan_shincho
本日、伊藤詩織さんが山口敬之氏への損害賠償を求めた民事裁判の口頭弁論が、東京地裁で開かれました。準強姦に問われた山口氏も出廷。図らずもこの裁判では、山口氏への資金提供をある企業に“お願い”していた菅義官房長官の存在が明らかに。7月… https://t.co/9c47oxhQFy
2019年07月08日 20:48
およよよーーーーーーーーーーーー
なんと菅が絡んでたとはっ
どこの企業に資金提供のお願いしたんでしょうねー、気になるーーーーー
森 と@tsundora
https://t.co/6ONhIWmo6i 「総理」という安倍晋三の礼賛本を書いた「山口敬之」は伊藤詩織さんを薬物で眠らせてホテルで強姦。ホテルに連れ込んだ動画まで存在したのにも関わらず安倍晋三は刑事部長「中村格」に不起訴を命… https://t.co/Wyk4m5yn9d
2019年07月08日 12:25
polarbear@polarbear_2017
水島先生「内調がネトウヨ培養」とか、すっごい攻めてる.... 🤣👍👍 引用:... 中村格氏が警察庁次長、長官になれば、前川氏のいう「そこにいるはずのない人」の一例だろう。映画『新聞記者』の中にも詩織さん事件そっくりのケースが出… https://t.co/nhFdHO9VLZ
2019年07月07日 19:05
平田くん@mos0117
伊藤詩織さん強姦事件犯人の元TBS山口敬之。この男の逮捕状執行を止めた中村格・警察庁長官官房長が次長に昇任した! 次は警察庁長官か? 安倍晋三のお友だちなら何でもありなのか。(雑誌「選択」7月号<国内人事情報>)
2019年07月08日 09:46
私、先月末に腰を痛めてしまい、電車に乗るとか座りっぱなしとか少々キツイもので、まだこの映画観に行けてないんですが、評判いいですね・・・
行ける方かはぜひ観に行ってSNS等で拡散して欲しいです
映画「新聞記者」@shimbunkisha
「皆さま、この機会に是非この映画にお心を向けて下さい。「映画こそ自由な表現を」の旗を掲げ、ご覧頂いた皆さまのご意見ご感想を糧に、映画「新聞記者」は前人未踏の道を進んでまいります。」(記事より抜粋) 映画『新聞記者』に込めた思い… https://t.co/S8NIlZoErL
2019年06月23日 17:25
鳩山由紀夫@hatoyamayukio
ニューヨークタイムズが安倍政権を「ときに独裁政権のように振る舞う」と批判した。東京新聞の記者の質問に答える必要がないと菅官房長官が述べたことなどを批判してのことだ。現政権がいかに酷いか、今上映中の「新聞記者」を是非ご覧になっていただきたい。国民は真実を知る権利がある。
2019年07月07日 12:45
KAZUKO@PeriKazuko
興収1億円突破 映画「新聞記者」への嫌がらせが止まらない この作品は権力とメディアの裏側、組織と個人のせめぎ合いに迫る。ギョッとするのが、内閣情報調査室の仕事ぶり。十数人の職員がPCに向かい政権に都合のいい情報をネットにひたすら… https://t.co/UmucgBE83f
2019年07月06日 22:39
氏治じゃ@tenan_oda
何やら上映期間短縮でクローズした劇場も出てきたようだ。 「新聞記者 不買運動」で検索してもヒットしないのでイオンへの圧力ではなさそうだけど、きな臭い力学が働いてる可能性はある。 まだご覧になっていない人はお急ぎください。 https://t.co/HjBt7UOxui
2019年07月07日 17:14
光頭半兵衛云々@hage3826
映画「新聞記者」の中で、内閣調査室長が、反政府デモに参加した一般人を示し「徹底マークしろ」と部下達に指示、松坂桃李演じる杉原が「一般人ですよ」と返したが、上長は「犯罪予備軍だ」と吐き捨てた。この時、秘密保護法や共謀罪を強行採決した安倍政権の極悪さを改めて感じた。 #新聞記者みた
2019年07月04日 07:41
チーちゃん@chilcochiko0121
@tanutinn @Beriozka1917 最後に内閣情報調査室のスタッフが放つ言葉「民主主義は形だけでいいんだよ!」が心に突き刺さった!
2019年07月08日 10:07