芸備線(一部区間)の未来が危うくなっているようです。
中国5県の国鉄、JR関連で過去廃止になった路線(貨物支線除く)を調べてみると、鳥取県1(倉吉線)、島根県2(大社線、三江線)、広島県3(宇品線、三江線、可部線の一部)、岡山県&山口県0と、広島県が一番多いのにさらに芸備線の備後庄原以北をどうするかを協議する会が立ちあがったというのです。
全国的に見てみると三セクに移行して引き続いて運行されている路線は数多あるのに、広島でそのような形で残らなかった理由を、以前は広島人の熱し易く冷め易い性格のせいだと思っておりましたが、最近は道路網の拡充が他県と比べて格段に進んでいるからだと思うようになりました。
2017年とちょっと古いデータですが、中国地方の高速道路網の地図を載せてみます。
図を見れば一目瞭然、広島県内には陰陽を結ぶ高速道路が2本、幹線の高速道路も2本あり、隣県と行き来するのに利用できる高速道路がどの県とも二つづつあるのです。
山陽側に比べ山陰側の整備状況はずいぶん遅れているでしょうか。全県を貫通する高速道路は一つもなく、山陰本線の最閑散区間として有名な益田萩間に至っては、この時点では未事業区間となっています。
道路が出来て割を食うのが地方の鉄道ローカル線です。
廃線後BRTやバスなど代替の手段は講じられておりますが、鉄路が破綻したのにその代わりが儲かるはずもなく、便数減や路線縮小、廃止が取り沙汰されるようになるのは必然と言ってよいでしょうか。
2003年12月1日に廃線になった可部線の可部三段峡間を運行しているのは、広島電鉄の三段峡線(一日上下それぞれ12本)ですが、少し前に三段峡線のほか吉田線、豊平線などが合わせて廃止されることが検討されておりました。
その後立ち消えになったようですが、きょうはその可部線の廃線後の風景をいくつか載せてみることにします。
旧可部線・今井田駅跡(撮影日:2010.1.30)
13年前には待合所に当駅でPVを撮影した歌手の写真が貼ってありました。
あれから幾霜月、今も写真は掲示してあるでしょうか。
可部線廃線時には一日上下とも8本の運行があったようです。
このたび再構築のための協議会設置の要請を、JRが国に対して初めて行った芸備線の備後庄原~備中神代間の運行は、早朝1本、日中1本、夜1本の計3本です。
どのような形で話が進んでいくのか、注視していきたいところです。