若いころテレビをほとんど観なかったawakinです。
それ故時代劇もほとんど観たことがなかったのですが例外はあって、中学生のころに『木枯し紋次郎』、就職してから『水戸黄門』だけは途中からでも筋がわかる単純な内容だったので仕事を終えてから茶の間でよく観ておりました。
こどもの頃に観ていた『木枯し紋次郎』、当時はそのリアルな殺陣に魅せられていたのですが、あれから幾星月、今改めて観るとロケが行われた土地土地の古風なこと、時代考証の確かさ、そして何より出演されている俳優さんたちが若くて勢い自分も歳をとってしまったことに気づかされます。
『木枯し紋次郎』は約50年前の作品なので、すでに鬼籍に入られた俳優さんが多く寂しい限りですが、中には石橋蓮司さん、火野正平さん、高橋長英さんのように今でも現役パリパリで元気に活躍されている俳優さんもいらっしゃいます。
皆さん50年前は揃って駆け出しのチンピラ役で出演されておられますが、今日はその中の高橋長英さんを取り上げてみたいと思います。
木枯し紋次郎 #02『地蔵峠の雨に消える』(1972.1.8放映)
駆け出しの渡世人「粕尾の十太」を演じる高橋長英さん。
木枯し紋次郎 #31 『怨念坂を蛍が越えた』(1973.2.1放映)
無宿のチンピラ「蛍の源吉」を演じる高橋長英さん。
映画『高津川』(2019.11公開)
元地元神楽団のリーダー「大庭 正」役の高橋長英さん。
東京在住の弁護士誠(息子役)を田口浩正さんが演じておられます。
父親が山仕事中に木から落ちて怪我をしたこと、そのせいで認知症を発症したことも知らず、久しぶりに帰郷した際に息子の自分のことが分からなくなっている父親に驚き、詫びるシーンが印象的です。
詫びたいことがいっぱいあるのに謝る相手がみな泉下にいるawakinにとっては、『二十四の瞳』で田村高廣さんが目が見えているふりをするシーンと同じ、胸に何かが突き刺さる価値のある作品です。