今月のはじめ頃、世羅にある自然観察園を訪ねるとトキソウがほんの少し咲いておりました。
まだ旬には早いのかと思ってその後2回訪ねましたが、数が増えるどころか減る一方で以前の群落とは程遠く、どうやらこちらのトキソウは廃れてしまったようです。
何度も訪れたのには理由があり、トキソウが咲く湿地にはイトトンボの仲間やハッチョウトンボといった小さな虫たちが繁殖のために集まって来るので、白いトキソウと一緒にカラフルなトンボたちを一緒に写真に収められればと思っていたのです。
トキソウには思ったように出逢えなかった今年ですが、小さなトンボたちとはいくらか出逢えので、きょうはその中のハッチョウトンボを少し載せてみたいと思います。
ふつうの望遠ズームで撮影するとこのように写り、これまではこのくらいで満足して帰っていましたが、測ってみると約3㎝に写っており、実際の大きさの2㎝より大きく写っています。やはり小さなトンボは小さく撮らなくてはと少々反省し、今回は粘ってみることにしました。
今季の目標のひとつがハッチョウトンボの交尾の撮影なのですが、まだ時期的に早いのか、♂と♀が接近したのを見たのはこのときだけでありました。
昆虫写真家・栗林慧さんが仰る『ありきたりではつまらない。』を実践してみようとアイホンで撮ってみたり、「飛び」にチャレンジしたりしてみました。
さすがに栗林さんのようにはいきません。栗林さんが開発された超深度接写レンズを使用すれば、トンボの顔面が画面の下半分を覆い、上半分が風景という作品になりますが、awakin手持ちの機材でいかに工夫していくかということです。
飛んでいるトンボを撮ろうとレンズを向けるのは、単独で飛ぶことが多いチョウトンボやグンカン(ギンヤンマ)では経験がありますが、今回初めてハッチョウトンボにチャレンジしてみました。
ところがこれがとんでもない難物でした。
縄張り意識の強いトンボのことですから、しょっちゅう小競り合いして周辺を飛び回るのですが、身体が小さいのとまわりの草にピントをとられて十中八九ピンボケになるのです。
歩留まりはこれまでにほとんど経験したことがない悪さ、一度レンジャクの虫捕りの瞬間を撮るのに照準器を使用してやたらにシャッターを押しまくったことがありますが、その時以来だったでしょうか。