きょうは3月11日、言わずと知れた東日本大震災の発生した日です。
関連の番組が繰り返し放映されておりますが、その中でも昨晩NHKで放映された『コネクト』は、南海トラフ巨大地震が中国地方に与える影響を掘り下げた番組で、わかり易い良い内容でありました。
将来30年間に起こる確率が7~80%の南海トラフ巨大地震、『コネクト』ではわかり易い資料でどのようなことが起こるか説明してくれたので、番組の資料をお借りして復習してみたいと思います。
まずは最大震度、広島県内の想定震度は6弱から6強とされていて、平成13年に発生した安芸灘地震の時の震度が広島で5強でしたから、あのとき以上の揺れが3分以上続くと考えておいて良さそうです。
液状化のリスクを示す図です。太田川が形作った三角州上に存在する広島市街地は、江戸時代以前から続く干拓や埋立により造られました。震度5強の揺れが襲った安芸灘地震のときにも広島市内で液状化現象の発生が見られましたが、影響は限定的で建物等への被害はなかったようです。
次に津波、発生から2時間後に襲ってくるという津波は広島県では最大4㍍が想定されています。4㍍の津波というのは、東日本大震災時の茨城県大洗を襲った津波と同規模ということになり、大洗ではそのとき1,900棟が津波被害を受けたそうですからゆめゆめ侮ってはいけないと思うのです。
これを見ると危険度はどの中洲も同じような感じで想定されていて、その土地の標高のみを考慮して作成されているようにみえます。
これは果たして本当なのでしょうか?疑うわけではありませんが、堤防の高さがすべての中洲が同じ高さであるはずがなく、傷んでいるところもあれば、堤防の形状も違うはずです。たとえば観音地区のこの場所はどうでしょう?
観音地区の最南端、もうすぐなくなるマリーナホップの先にある公園の一部分には堤防がないのです。
現地に行って写真を撮ってきました。
観音地区の開口部、海に向けて緩い階段状の構造になっています。
何もなければもちろんこれで何の問題もないのですが、3分以上震度6の揺れに晒された2時間後、4㍍の津波がこの場所に到達したときに、われわれ広島市民がどんな光景を見ることになるのかそれは火を見るより明らかです。
この場所には公園などでなく津波の浸入を防ぐ防波堤の建設が必要だと思うのです。
『コネクト』で紹介された東日本大震災の状況です。
これと同じ光景が広島でも起きないことを願いたいものですが、もしかすると明日観音地区がこんなになっているのを見ることになるかもしれない。
そんなふうに考えると備えをしておかないとと思うのです。
そのためには標高の高い田舎にほったらかしにしている家を、朽ち果てさせるのではなく、しっかりメンテしておいて衣類や寝具などを運び込み、暮らせるようにしておこう。道路が損壊して移動できない、物資輸送が途絶えてモノが手に入らなくなる。そうなったときのために今できることは何なのか。
そんなリスク管理を自分事に考えさせられる良い番組でありました。