2018年4月1日をもって廃止が予定されている三江線沿線は、以前から一度歩いてみたいと思っている地域です。



というのは、awakinが敬愛する宮本常一さんが民俗採集の旅の途中に歩いた地域であるためで、それは昭和十年代のことでありましたが、学者は三江線に乗って移動し、沿線の集落に住む話者に会いに行った様子が著書には活き活きと書かれてあるのです。



彼が歩いた道を後追いで歩くだけなら三江線の廃止後でもできますが、彼が車窓から見たであろう景色は、実際に列車に乗ってみないと実感できません。



地元の旅行会社が企画している三江線乗車を行程に組み込んだ、バスツアーに参加することにしました。



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山陰線&三江線・江津駅の改札。(撮影日:2017.3.19)

バスツアー客が利用する予定の15:15江津発三次行が電光掲示されています。



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山陰線下りホームに出てみると、ちょうど三江線の列車が入線してきました。

昭和14年の晩秋、おそらくは蒸気機関車であったでしょうが、宮本常一さんもこの情景を見たでしょうか。



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三江線廃止までに後何回この風景が繰り返されるでしょう。



もうカウントダウンは始まっているのです。



 
でもさすがに三連休の中日です。到着した列車は見たところ超満員、二両編成でやって来たので余裕で座れるだろうと高を括っていたのですが、のんびり写真を撮っていて良かったでしょうか。



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ラッキー! 座席は家族が確保してくれておりました。



遠くのホームでのんびりカメラを構えているawakinを見て、『こりゃ~頼りにならん。』と妻は思ったそうであります。





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15時15分に動き始めた列車の車窓からまず一枚。:



ちょうど山陰線の下りが連絡して、awakinの乗る列車は満員になってしまいました。



駅の改札も、むこうのホームも人がいっぱいです。



 

写っている時刻表を見ると、三江線は日に五本の運行で、この後は1時間18分後に一本、さらに2時間35分後に一本(最終)あるだけです。



 
これでは写真を撮るのもたいへんですが、数年後の沿線の姿が、現在の可部線の廃線区間の風景とダブって見えると言ったら不謹慎でしょうか。





(次回に続きます)