先週の日曜日は、日比谷公会堂まで「終焉に向かう原子力」を聞きに行ってきた。
日比谷公会堂の横にある日比谷公園の美しさと、原子力事故の凄まじさのギャップは余りにもかけ離れていて、講演会の後は、暫くぼーっとしていた。
今回の話の中で一番中身が濃かったのは、原子炉の設計者をされてた田中三彦さんでした。かなり専門的な見方をしてて、説明の内容もかなり難しかった。
講習会での話しの内容をまとめてみました。
一般には、津波によりディーゼル電源がダメになり、冷却水を循環させることが出来ず、水の水位が下がり、炉心溶融を起こしてしまったというストーリーが定説になっています。
しかし、実は、東日本大地震が起きたときにすでに原子炉圧力容器、周辺の重要な配管が破損して、そこから冷却水がどんどん漏れ出したことが、事の発端だったと田中さんは説明していました。さ
すると、今回の福島原発の大事故は、津波ではなく、
想定内の地震の揺れにより引き起こされたことになり、この問題は、日本中の原発の耐震性の問題にまで波及してしまう。
その事故を政府が津波による電源喪失のせいにしようとしている理由は、津波はめったに起きないので、まだ言い訳がきくからである。しかし、それが本当は地震のせいであったとすれば、地震大国の日本では日本中のすべての原発をすぐに止めなくてはいけなくなるからです。
この間、都内の原発再開反対のデモ行進に行ったときには、原発訴訟の弁護士のリーダーをしている方にもお会いしました。その人は、これから原発訴訟を日本全国、原子力発電所が保守点検に入るタイミングで起こして、そこことを住民にも説明し、原発が保守点検が終了して、再稼働する時に、周囲の住民の同意を得なくてはいけませんが、その時に一斉に皆で再稼働反対を訴えて原発が全て稼働停止、そして、廃炉になるようにして行く計画を話されてました。
そうなる事を期待しています!
話を福島原発に戻しますが……
そして、この配管の耐震性については、YouTubeでも原子炉の技術者から原子力発電所に直接、発電所を止めて欲しいと頼みに行き、話をしているビデオがあります。
国も東電も目を向けようとしない原発中枢構造の耐震性福島第一原発が地震により配管系の破損により事故が起きたことを考えると、全国の原発を即時停止して、原発の耐震安全性という問題を徹底的に見直す必要がある。
3.27報告書には、
福島第一原発の全六機(1~6号機)の原子炉水位、原子炉圧力、ドライウェル圧力の時間的変化の一覧表が添付されている。この資料には、地震直後の3/11のデータが開示されてないので、この間になにが起きていたのかわからないが、その期間他の要因がなかったとすれば、11日午後に水素爆発を起こすまでのデータの変化を見ていくと、この事故の原因が地震により破損した配管から冷却水が駄々漏れして、水素爆発が起きてしまったと言うことが容易に推察できる。
- 一号機の原子炉圧力容器の水位の減少
- 一号機の原子炉圧力容器の圧力の減少
- 一号機の原子炉格納容器の圧力の急激な上昇
を表すデータは、典型的な「
冷却材喪失事故」のように見える。
一号機についてこのウラン燃料を格納していて、核分裂反応により水を温め蒸気を発生させる円筒状の鋼鉄製容器のことを
「原子炉格納容器」という。この格納容器の中に、原子炉圧力容器というものがあり、そのなかに核燃料棒が配置してある。長さ四メートル強、原子炉圧力容器のした半分くらいの所に配置して有る。
福島原発の原子炉は、沸騰水型の原発になり、その中でも旧式のタイプになる。原子炉圧力容器の下半分を水、又は、水蒸気がぐるぐると循環を繰り返す、数十トンもの重さのポンプにより駆動される再循環ループの大地震に対する耐震性が、実は原発裁判などで何度も議論に出てきた。
3月11日の東日本大地震の直後、当時運転中だった福島第一原発の一号機から三号機は即座に自動停止した。四号機から六号機は定期点検中で停止していた。
これは、つまり地震計が地震の揺れを察知して、炉心に制御棒が自動的に挿入され、核分裂反応が自動的に止まったということを意味する。自動停止はしたものの、この後圧力容器の圧力と水位が低下していく。
原子炉が自動停止した直後、3/11に一体、原子炉圧力容器の水位と圧力がどのように変化したのかが一番重要なのだが、なぜか、「3.27報告書」にはその時の事が一切書かれていない。
■3.27報告書○一号機の原子炉圧力容器の圧力3/11,地震直後、運転圧力の
70気圧前後だった。
▽
3/12,02:
45,8気圧まで低下
このような気圧の急激な低下は、他の原子炉格納容器では全くみられない現象!
これを、二号機、三号機のデータと比較すると……
○二号機の圧力・・・3/12,02:55、約
56気圧○三号機の圧力・・・3/12,04:15、約
74気圧→運転時の圧力よりも高い
圧力が高いという事は少なくとも、その時点では、主蒸気管、給水管、再循環配管などが破損して冷却材がそこから漏れていなかったということを示す。
○一号機の水位3/12,05:20,燃料棒の先端よりも
130cm上にあった。
▽
3/12,08:49,燃料棒の先端よりも
40cm下にあった。
○二号機の水位・・・3/12は、一日中、約
360cm○三号機の水位・・・3/12,04:15,
0mm3/12,08:30,
40cm途中、水位がさがり、
3/12,18:30,
120cm☆ドライウェルの圧力原子炉圧力容器は、「格納容器」という構造物の中に設置されている。
その格納容器は二つの部分からなる。一つは、原子炉圧力容器をすっぽりと覆っているフラスコ型の「ドライウェルと呼ばれる建物、そして、もう一つは、「圧力抑制室」(サプレッションプール、または、ウェットウェルとも言う)。後者は、ドーナッツ型をしてて、前者のドライウェルと圧力抑制室は、八本のベント管で連結されている。ベント管=ドライウェーイルと圧力抑制室を繋ぐ配管。この管は、圧力抑制室の中で更にたくさんの細い管に分かれている。この部分がかなり長時間地震の揺れに耐えられたかどうか?
この原子炉格納容器の役割は、原子炉圧力容器から出ている配管が破損して放射性物質を含む冷却材がそこから漏れ出した場合に、外にそれが漏れ出さないようにする為にある。
また、内部に水素ガスが入り込んだ場合に爆発しないように、原子炉運転中には絶えず窒素ガスが充満されている。
この原子炉格納容器は、
設計圧力と
設計温度というものがある。これらは、再循環系配管が壊れ冷却材が格納容器内に一気に噴出した場合に、格納容器内部にかかる推定圧力と温度になる。
格納容器は、
約4気圧、ドライウェル温度170°c前後に耐えられるように設計されている。
しかし、
3.27報告書によると、
3/12,02:45,一号機のドライウェル温度は、大気圧を、差し引いたゲージ圧で、
約8.4気圧もあった。
これは、
設計圧力の約四倍もあり、これは巨大な格納容器がいつ破損しても不思議ではないほどの高い圧力になる。
なぜ、一号機の格納容器にはこれほどの高い圧力がかかっていたのか?
それは、大地震のせいで、原子炉格納容器から出ている、特に地震時の安全性が疑問視されてきた再循環系の配管が破損して、そこから、大量の冷却材が継続的に噴出したために、格納容器の圧力が急上昇したと考えられる。
つまり、
1)原子炉圧力容器の配管が破損
2)冷却材の漏れ
3)原子炉圧力容器内の圧力の急激な下降
4)原子炉圧力容器内の水位の低下
5)原子炉格納容器内の圧力の上昇
6)水素爆発
7)メルトダウン
これらは、事実、東電が公開したデータにはっきりと出ている。
3/12,13:38,炉心棒の先端から170cm下まで、水位がさがる。
約4mの長さの炉心棒の四割以上が水面から顔を出した。そして、
炉心溶融……
そして、二時間後、
15:36、一号機の最上階で大規模な水素爆発が起きた!
これまでの話では、津波の影響は一つもない。ただある要因は地震の激しい揺れに、原子炉圧力容器の配管が耐えられなかったという事。
例え、津波が起きずに全交流電源喪失が起きなかったとしても、この冷却材喪失事故は逃れられなかった。
■一号機の水素爆発はどうやって起きたか?福島第一原発は3月12日15:36に水素爆発を起こしている。地震発生後に原子炉圧力容器内の水位が下がり燃料棒が水面から出て来れば、その
被覆管の温度が上がり、高温のジルカロイが周囲の水蒸気と反応して水素を発生する。その水素は圧力容器から出ている配管の破損した部分から格納容器のなかに漏れ出す。格納容器内の圧力は格納容器が耐えらる圧力4気圧の2倍の8気圧に達していたので、格納容器上部の上蓋と最上部との間に隙間ができたか、
又は、両者の接触面に取り付けて有るシリコンゴムが溶けて、そこから漏れた可能性もある。
このような状況のときに何故原発から十キロ圏内の人達だけを非難させたのか?日本政府と東電の人間の命を何とも思わない対処の仕方は彼等の知性の低さを表していると思う。
2号機では水素爆発は圧力抑制室の近くで発生している。
原子圧力容器から逃し安全弁と配管を経由して圧力抑制室に水素ガスが入る。圧力抑制室には、窒素ガスが封入されていて、水素爆発が起きることはない。しかし、地震のために圧力抑制室の弱い部分に亀裂が入り、そこから、外部に水素ガスが漏れ出して水素爆発が起きたとのでは無いだろうか?
原子力発電所の建設に携わった人たちがよく口にするのは、非常に重い部品を支えている溶接部の仕方がいい加減、素人の溶接工がしたので地震の時には耐えられないなど。
このような事が、日本全国の原子力発電所で起こり得ると考えると、恐ろしくなる。
そして、原子炉圧力容器の下部は制御棒が貫通する穴が沢山あり、幅が六メートル、数百トンの重さ、その部分は溶接処理がされている。
素人でも、この部分がもろいのでは?と思いたくなるが、そこが大きく破損して溶けた燃料が冷却水と共に大量に落ちてくることは無いのだろうか?溶けた燃料の温度は2800度も有るのだ。
上からはものが落ちてきて、ジェットポンプも溶けてしまうと。原子炉圧力容器の底にいろんなものが溶けたものがごちゃ混ぜの状態で落ちてきている。すると、底は溶けて伸びてしまったりして形が壊れてしまっている。そこに水をぶっかけると、溶け出した鉄が固まって岩石みたいになっていて、その中にどろどろになった燃料がたまっている。
激しいダイナミックなメルトダウンが起きている。
そうなると、もう冷却することは完全に不可能になるだろう。こんなの修復するのは不可能だ。
| ☆原子炉圧力容器 | | 設計圧力、約88気圧 | | 運転時圧力、約70気圧 | | 設計温度、302度 | | 運転時温度、285度 | | 水と蒸気が充満している。 |
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| ☆原子炉格納容器 | | 設計圧力、約4気圧 | | 運転時圧力、約0気圧 | | 設計温度、約140度 | | 運転時温度、20~60度 | | 窒素ガスが充満している。 |
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