「北風と太陽」はイソップ寓話の一つです。
このお話は、
北風と太陽が力比べをしようと
そこに通りかかった旅人の上着を脱がせることができるか、
という勝負をすることになるところから
始まります。
まずは、北風が旅人の上着を吹き飛ばそうと
思いっきり風を吹き付けますが、
旅人にとって、その寒さから身を守るために
余計に強く上着を抑えることになり
脱がせることができません。
一方、太陽は、陽の光を燦々と旅人照らしたところ
旅人はその暑さに耐えきれず
自分から上着を脱いでしまいました。
結果、太陽の勝ちになった。
と言うオチです。
一つ、コーチングとは違う前提で
この話は進んでいます。
それは、旅人がそのときに本当は
どうしたかったのかと言う視点は
なさそうですから、北風と太陽とは
このとき、旅人のコーチではないですね。
しかし一方で、問題を明らかにしていくときに
北風の手段を選ぶのか
太陽の手段を選ぶのか
この選択肢をできるだけ沢山提示することが
コーチの役割の一つです。
もしかすると、北風よりも太陽よりも
そこに温泉場があった方が
もっと素直に上着を脱げたかもしれませんし
あるいは、太陽よりも、月が出てきて
夜だから、上着を脱いで寝た方が良い
と旅人に気付いてもらうこともできます。
ですから、
「北風と太陽“と”・・・と・・・・と・・・」
むしろ、
そのどの方法をも選ぶことができるように
クライアントと一緒に(クライアントの中から)
沢山の選択肢を探っていきます。
一方、今回の旅人は、あっさりと
暑さに耐えきれず、上着を脱いでくれましたが、
たとえば、旅人にとって脱ぐに脱げない理由が
合ったとしたら・・・
そうです、この選択肢がいくらたくさんあっても
服を脱ぐという行動にならないわけです。
・・・・私たちによくある、
悩んでしまう、葛藤が起きているとき
それをやればいいことも
そのやり方も分かっている・・・でもね
この「でもね」を無視して
やり方を探ってしまうことがよくあります。
コーチは、さらにこの「でもね」に着目しながら
クライアントと、その「でもね」の中身、
もしかすると、行動を止めている、本当の“問題”について
一緒に探求し、解決していく存在になります。
そして、その問題を解決することは
実を言うと、あなたが
「なぜ、その行動やその成果を手に入れたいのか」
を思考だけでなく、気持ちだけでなく、全身で
理解する(腑に落ちる、納得する)サポートになります。
つまり、あなたの目標へのモチベーションを
あなたがその目標についてどんな思いで
取り組んでいるのかを、明確にするのです。
こう考えてみると
沢山の可能性を提示すること
手段や行動、可能性を超えて成し遂げたい理由
の視点を、クライアントとともに探求する
のですから、
このとき、「北風と太陽」の登場人物ではなく
もしかすると、イソップの視点と言えるかもしれませんし
あるいは、この話を教訓とする、読者の視点かもしれません。
コーチングはあるとき、
クライアントが目標を実現するために
具体的な行動を作り出すための方法を
検討することがあります。
このときには、モチベーションの問題は
解決している課題に対しては
とても効果があります。
一方、先ほどの例のように
それをやればいいことも
そのやり方も分かっている・・・でもね
このときには、なかなか効果が出ません。
私たちコーチは
このコーチングセッションの中で
相手が今、躓いているのは
状況、環境なのか
手段なのか
やり方なのか
モチベーションなのか
そのことに気付いて、クライアントに
探求を提案するところにあります。
言い換えれば、この問題の場所を
見極めるところに、コーチの存在価値がある
と言っても過言ではありません。
あなたがもし、何か悩みや葛藤にであったとき
この話を思い出してみて下さい。
いったい自分は、どこに躓いているのか
本当の問題のありかはどこなのか探求してみよう
もしくは、それを見つけるために
コーチングを使ってみようか?
そんな風に検討していただけると
嬉しいです。
もっとも、漠然とした状態から
その問題や実現のためのキーとなる物事を
見つけるために、どうぞ使って下さい。
「北風と太陽」のお話。
あなたの問題解決、目標達成のための
お守りになれば嬉しいです。
では。
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自分相談室“目黒” 毎週
中目黒住区センターで実施中
無料コーチングでサポートさせていただきます。
いつもありがとうございます。
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稗島 正樹 まさき@活き生きトレーナー
NLPトレーナー
国際ニューロセマンティック協会認定メタ・コーチ
コミュニケーションプロセスイノベーター