集合無意識の根拠は東洋から


ユングが気になり始めたのは、ユングが東洋思想にも造詣が深かったと知ったからだ。

私か最初に購入した本は

「黄金の華の秘密」
リヒァルト・ヴィルヘルム
C・G・ユング

ユングが 集合無意識 について研究している時に友人のリヒァルト・ヴィルヘルムがユングに送った原稿が「黄金の花の秘密」だった。

それは道教の瞑想法と錬金術(錬丹術)のテキストだった。

ユングの集合無意識はそれまでの心理学を超える概念だった。

個人的無意識とは個人的に生きてきて、自分では意識していない記憶・感情・欲求、社会的・道徳的に抑圧した体験である。

こころ全体を家に例えると
自分がいる部屋の近くにある場所だ。

集合無意識は自分いる部屋の下、地下や建物の基礎のように、より深い部分にある。

この部分には人類が意識を有して以来のイメージやパターンがある。


集合無意識は長い歴史の中で人が得てきたイメージとパターンが蓄えられている心の場所だ。

この概念は当時の心理学の枠を超えており、
ユングは根拠をグノーシス主義に求めたのだが、
不足があった。

グノーシス主義は、2、3世紀に地中海で流行した宗教で善悪二元論などの特徴がある。

文献が限られ、思弁に基づいて体系化されたものであり、
心理的経験を記述したものは少なかったのだ。


無意識とは宇宙に結びつける要素

「黄金の華の秘密」には、
慧命経 も納められている

この書の骨子は、

生命が生まれる時、心は意識と無意識という2つの領域に分かれる。

意識とは人間において個人化され、分離された要素であり、
無意識とは彼を宇宙に結びつける要素である。 

人の基本原理は、瞑想を通じて2つの要素を結びつけるところにある。 


この書は、18世紀に道士によって表されたもので、仏教的瞑想法と道教的瞑想法をまじえたものだ。

東洋において、意識と無意識は古くから理解されてきた。

僧や道士といった人にとってという事だが。



東洋を西洋の目で、西洋を東洋の目で見る


ユングは精神科医としての臨床的経験と
個人としての内的経験を通して、
無意識領域を体感していた。

その彼が東洋の文献を見た時、道士がかたる無意識領域について即座に理解し、自らが体験してきたものだと直観したと思う。

ユングはこの文献以前に中国の文化な宗教に予備知識は一切なかった何も関わらす。

ユングは世界の人間の脳の構造が同じであるように、
心の構造(無意識と意識)が同じであることを東洋の知識から確信したのである。


私はと言えば、「黄金の花の秘密」を最初に読んだ時、
ユングの言わんとすることがよくわからなかった。


ユングの他の文献をいくつか読んで、彼の分析心理学の大枠を知り、

再度、この本を読み、やっと理解しはじめた。


気功・武術・瞑想を通じておおまかな理解をしていた東洋の思想体系と

西洋の特徴を持ったユングの分析心理学が

私の中でも大まかな輪郭を持って全体象が浮かび上がってきたのである。