著:東野圭吾
第134回直木賞受賞、『このミステリーがすごい!2006年版』で第一位、そして著者自身が「自分が今まで書いてきた作品の中でまちがいなくベスト5に入る」と断言するほどの自信作だそうです。
で、期待に胸を膨らませて読んでみました。
「・・・普通か?」。と約9割を読み終えてそう感じました。これはまさか評判倒れか。と思いきや、結末で怒涛の衝撃的な真実が明るみになり、その真実に言葉では表現できない興奮に打ち震えました。お見事の一言に尽きます。作品自体は非常に単調なのですが、その単調さがこの真実への伏線となりカモフラージュになっているようです。読み手の盲点を突いた素晴らしい構成力。ミステリーにおいて最も重要なのはその結末(オチ)であり、その価値を不動のものにするだと痛感しました。今までにないミステリーの醍醐味を味わえるのではないでしょうか。これまで91冊読んだ中で現時点でこれがNo.1です。
満足度
★★★★★★★★★★