著:岡田 暁生 他
ピアノ専門知識のない私にとって著書の1/3以上はちんぷんかんぷんだった。それでも、この著書は面白かったと断言できる。随所に見られたピアノにまつわるエピーソードは発見の連続だった。その結果、音楽というものが様々な要素で構成されていることに初めて気づかされた。
[日本だけの基準]日本ではハイフィンガーという指を立てて引く奏法が主流なのだそうだが、これは西洋では時代遅れである。それでも、日本で根強く残っているのは、それを日本で実践した権威ある第一人者の影響力でせいだといえる。スタンダードになったものを新たに越えるスタンダードを樹立する難しさ、伝統ある文化の壁を乗り越える困難さがよくわかった。
満足度
★★★☆☆☆☆☆☆☆