大暑である(2021 07 22)
東京オリンピックが始まる。開会式は7月23日だが、それに先立ち福島でソフトボールの試合があった。
商業主義に毒されたとはいえ、オリンピックは夏の風物詩だが、今年はコロナの蔓延で、ハラハラのオリンピックである。無観客は当然だろう。
近畿地方は7月17日に梅雨明けした。私の住む地域では梅雨の雨量は少なかった。
しかし、梅雨の終わり7月上旬には例年、災害に襲われる。東海地方の静岡県熱海市の7月3日の土石流災害は、死者19名行方不明9名(20日現在)の犠牲者がでた。山に捨てられた大量の土砂が引き起こした人災であった。行政も業者の違反行為を止めることができなかった。人命に鈍感で、被害に思い至らなかったのか。怒りがわく。テレビ番組で前法大総長の田中優子氏に、これまでの常識で考えていると災害に対応できないという趣旨の言葉があったが、全く同感した。ここ二〇年ほど、人間も自然も、前例主義では対応できないことが多い。
◇◇◇
大暑(たいしょ)である。一年で一番暑い時季で、大暑の前に土用がある。年4回ある土用は、立春・立夏・立秋(8月7日)・立冬の前、各18日間である。夏の土用は7月19日からだった。4回の土用の内、夏の土用が一番知られている。土用の丑の日が28日で、この日に鰻を食べる。万葉集にも「痩せたる人を嗤(わら)ふ歌」として次の歌がある。嗤うといっても勿論冗談である。
石麿(いわまろ)に われ物申す 夏痩せに 良しという物ぞ むなぎ取り召せ
(万葉集巻一六・大伴家持)
鰻は川魚だから、奈良時代の家持の膳にもでたであろう。高価なので我家の膳にはでないが・・・。
今年の梅雨明け後の暑さは格別である。
昨日、昼過ぎ庭の鉢植えの紫陽花が枯れかかっているのに気づき、慌てて家の中に入れ水を与えた。葉が内側に縮み、所々茶色くなっている。水を運ぶ葉脈も機能しているかどうか。あふれるほどに水を与えた。
小暑(7月7日)の時、庭は一面緑であった。しかし、半月後の大暑の今日は、ゴーヤ・胡瓜・プチトマトなどの根元近くの葉が枯れ始めている。茄子もそうだ。何より茗荷も部分的に枯れ始めたが、この頃になると根元に花を咲かせ始める。それを食べる。和え物にも汁物にも妙味である。
一方元気な花もある。ヤロウ(西洋ノコギリソウ)は、散房花序といって花軸からでる花の柄が下ほど長いため、花の高さが上部でそろう。ピンクでかわいい花だ。ノコギリの名は、葉の形から来る。女郎花(おみなえし)は、和服姿の女性のように茎と葉が美しい曲線美をなし、先端に黄色い花を咲かせている。これも散房花序である。
また、冬赤い実をつける万両が、今は白い小さい花を咲かせている。余暇の時間が増えた今年、初めて気がついた。
百日草、マリーゴールドは相変わらず元気である。ホオズキの実が色づいてきた。悲喜こもごもの夏の庭だ。
見上げると木槿(むくげ)が、ピンクの花びらの真ん中を紅に染めて咲き誇っている。
(左がムクゲ 右が西洋ノコギリソウです。ノコギリソウは散房花序という咲き方です。)
◇◇◇
野菜が暑さにやられるように、私も暑さにやられた。朝5時に家を出て散歩をした。6時頃には、陽が差し始め暑くなる。目標の10000歩は無理だ。9000歩で妥協した。朝より楽かと思い、夜歩いてもみたが、夜の10000歩も疲れる。なんとか歩いたが、この季節の10000歩はいつ歩いてもしんどい。
暑さを乗り切るのは、明確な日々の目標と科学的な健康管理の方法だろう。それに無理はいけないと自戒しつつ、今年は鰻を食べようと思った。(2021 07 22)