実際の生々しい事例をあげながら、私が今までやってきた中で、お役に立つであろう案件をこれからご紹介していきたいとと思います。
まずは、最近非常にご相談が多い、
「飲食店で開業したいが、お金が足りないので何とかしてほしい」
という方の相談事例です。
■スペイン料理店開業希望の田中さん。
150万円の自己資金で2600万円借りることが出来た事例です。
スペイン料理店を開業したいということで私のところに料理人の田中さんという方が来社されました。35歳、奥様も子どもさんもおられるとのこと。

「今度大阪市の○○にスペイン料理店を開業しようとしてるんですよ」

「ほっほっ~ どんな店ですか?」

「高校を出てからずっと料理人をやっていたのですが、スペイン料理に魅せられましてね。実は半年前までスペインに料理留学してたんです」
よくよく経緯を聞いてみると、32歳で結婚してすぐ子どもが生まれ、元々300万円あった貯金が現在150万円になってしまったらしい。

「・・・・すると資金調達が先ってことですか?」

「まさにそうなんです。わたしが貯めたお金が150万円、親から借りる約束になっているのが500万円、嫁が働いていた時代に貯めたのが250万円、合わせて900万円は何とかなるんです。しかし・・・わたしがやろうとしている店は3000万円必要なんです」

「えっ?3000万円?」
結局、政府系金融機関や銀行から合わせて残りの2100万円を借りる手だてを考えてくれ、というのが具体的な相談のようでした。
『う~ん、それにしても自分で調達した資金(=自己資金)が150万円だけで、ほとんど他人から借りて3000万円を調達しようなどとは大胆不敵』 と心の中で思い、普通ならここで「何考えてまんねん!」と切り返したいところでしたが、グッとこらえました。
というのも、もしこれだけの資金を調達(といえば聞こえはいいが実際はただの"借金")してでも、店舗経営に200%の自信があるなら話は別だからです。

「どんな店を作るのですか?」

「実は平面図もつくっているのですが・・・・」
田中さんは待ってました! とばかりに図面を出してこられた。

「ここに厨房があって、テーブルは8つあって、カウンターが・・・・・」
一生懸命説明する田中さん。
さらに完成のイメージとしての雑誌写真まで切りぬいて持ってこられている。その思い入れは凄いものがあることはわかりました。

「どこでやるのですか?」

「大阪市内の○○○美術館の近くです。美術館で美しい絵画を見て、いい気分になられたお客さん方がそのまま来てもらいたいのです。意外にもあの美術館の近くには良い気分の余韻を楽しみながら食事をする場所がないのです」

「なるほど。(ひとまず納得)」
確かに、あの場所は私も行ったことがありますが人通りが多い割に周りに店らしいものがありません。

「本当の意味でのスペイン料理を出そうとしたら最低これだけの高級感ただよう空間が必要なんです」
(う~ん、やっぱり職人のこだわりだなぁ~ でも・・・ホンモノのスペイン料理と言ったって一般の人がどれほどそれをわかってるんだろうか?)と私は思いましたが、本人のこだわりを真っ向から否定するわけにはいきません。
なんせ 「スペイン料理」という分野においては、私はまったくの無知でもありましたから。
それからしばらく「なぜ高級感がなかったらダメなのか」ということを私自身が納得するためにいろんな質問をしてみましたが、意外にイマイチ(私にとって)説得力のあるものではありませんでした。
ここが、「職人のこだわり」を持つ田中さんと「商売として成り立つかどうか」を重視する私との差でありました。
2時間あまり延々と田中さんのこだわりを聞かせてもらった上で、思い切って私は思っていることをそのままぶつけてみました。

「田中さんの話を2時間くらい聞かせていただいてもやはり、私にはこれだけ高級感があるような建物にする必然性があるとは思えないのですが。半分の1500万円で何とかできるように考え直してみませんか?」
一応親族から借りて出世払いでよいお金が750万円あるのですから2倍くらいの1500万円というのであれば、書類をかなり作りこめば何とか政府系金融機関から借りれるケースもあります。

「えっ! そんな額では何もできませんよ~」

「う~ん」
私は厨房には素人ながらも、平面図を見て、この素材は本当にこれでないといけないのか、このテーブルはこんなに良いものを使わないといけないのか、など次々に質問していきますと、やはり、言葉が詰まってしまうところが時折みられました。
(なんとか予算を減らしてもらうやりとりを何回も積み重ねたプロセスに結構エネルギーが必要だったのですがここでは割愛します)
結局、それでも日本政策金融公庫(こっきん)だけで1500万円を調達することを前提にしているとリスクがあるので、併せて大阪府の制度融資にもチャレンジしてもらうことにしました。
結果・・・・・
当社がほとんど書類を代行して書いた結果、日本政策金融公庫(こっきん)から1400万円、大阪府の制度融資で1200万円、合わせて2600万円を借りることができました。
もちろん、事業計画書作成にあたって
・なぜこれだけの開業融資がなんとしても必要なのか
・店をオープンすれば利益が十分出て十分返済出来る
・親や夫人の貯金分も自己資金である
ということを説得力もってしっかり書き込んだことは言うまでもありません。
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開業資金を今より低く抑えることが出来ないか熟考すべき。
「これだけの額がないと絶対開業できない」という思い込みも再検討すると修正できるケースは少なくない。 |
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親兄弟や夫人が貯金していた分でも融資申請書類の表現のしかたで自己資金となる可能性がある。 |
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開業融資を受けられる可能性があるのはこっきん(日本政策金融公庫)だけではない。 |