自己資金については「出来るだけ多い方」が、審査担当者は納得しやすくなります。

 

なぜなら・・・

 

自己資金が多ければ?
☑ 借入金を少なく抑えることが出来る
☑ 「創業にあたっての真剣度」を示せる

 

このほか、親御さんや親類から受けた借入のうち、返済義務のないもの(出資金的性格のもの、あるいは「ある時払い」で良いもの)は、自己資金としてみなしてくれる可能性が高いです。

 

創業融資の相談室はこちら


今回は、自己資金200万円だけで2200万円を調達して中古車センターを開業した事例 (創業融資) をご紹介します。


【自己資金】 200万円   【希望額】 2500万円   【融資額】 2200万円


私のところに訪れたのは藤元さんという、つい先月まである中古車売買会社に勤務していたが自分の店を持ちたいということで退職したばかりの方でした。自分が思っている最低限の店にするためには、2500万円の創業融資を受けなければ開業できない、とのことでした。

しかし自己資金が200万円しかないということで、担保はなく、保証人もない状態(親御さんは70歳を超えていて年金生活なので保証人になるのは到底無理)です。

■担保も保証人も用意できないというのは珍しい話ではありませんが、200万円の自己資金額では1000万円を借りるのも無理です。

希望額の2500万円が本当に必要なのかどうか一度検討してみましょう。

う~ん、もちろん今より予算が抑えられたらいいんですけど、でも中古車センター、とうたう限りは中古車は10台は並んでないとカッコつないし、事務所のスペースとかも考えた上で何回も試算した結果がそれですからねぇー、やはりそれくらいは最低ないと・・・」

藤元さんの事業計画はかなり細かく書いておられるのだが、実際ひとつづつ
「なぜこんなところにこれだけの予算が必要なんですか?」と尋ねていくと、必然性のないものが多々出てきました。

どうやら藤元さん「中古車センターはこうあれねばならない」という考え方が強すぎるようです。
極端に言えば、別に店舗を構えなくても自宅兼事務所で中古車売買はできるはず。

(・・・本人の理想やポリシーがあるのでそこまでは言いませんでしたが・・・)

こうして長い時間をかけて、予算を当初の2700万円から1800万円にまで落とすことができました。
で、自己資金がすでに200万円あるので1600万円を調達したらいい、ということになります。

それでもやはり、これくらいの額となると、保証人は年収で数百万円以上の人を用意してもらわないと苦しい。
それに借入先は日本政策金融公庫(こっきん)だけではどう考えてもこの額は無理のようです。

「保証人は年収で数百万円以上の人はいますか?親御さんはもう70歳を超えておられるので保証人になるのは無理ですのでね。」

「そうですかぁ う~ん、ちょっと考えさせてください」

後日藤元さんから連絡があり、当初は嫌がっていた親戚に頼み込んで、あたること3人目でやっと年収800万円の人に保証人になってもらうことの了承をとりつけたられたとのことでした。

それでも日本政策金融公庫(こっきん)だけでは1600万円は無理であるのは明白なので、県の制度融資にもチャレンジしてもらうことにしました。

結局・・・・・

日本政策金融公庫(こっきん)から1000万円 県の制度融資からは1200万円を創業融資として
借りることができました。もちろん事業計画書をかなりしっかり書き込んだことは言うまでもありません。


今回のポイント
創業融資では創業資金の希望額を低く抑える工夫をやるべき。
 意外と「これだけの額がないと絶対開業できない」と間違った思い込みを持っているケースは少なくない。
借りれる可能性があるところはたいてい複数ある。
 ひとつずつ丁寧にあたってみるべき


事業資金の融資はこちら


実際の生々しい事例をあげながら、私が今までやってきた中で、お役に立つであろう案件をこれからご紹介していきたいとと思います。

まずは、最近非常にご相談が多い、
「飲食店で開業したいが、お金が足りないので何とかしてほしい」
という方の相談事例です。

■スペイン料理店開業希望の田中さん。
150万円の自己資金で2600万円借りることが出来た事例です。

スペイン料理店を開業したいということで私のところに料理人の田中さんという方が来社されました。35歳、奥様も子どもさんもおられるとのこと。

田中  「今度大阪市の○○にスペイン料理店を開業しようとしてるんですよ」

桑山  「ほっほっ~ どんな店ですか?」

田中 「高校を出てからずっと料理人をやっていたのですが、スペイン料理に魅せられましてね。実は半年前までスペインに料理留学してたんです」

 よくよく経緯を聞いてみると、32歳で結婚してすぐ子どもが生まれ、元々300万円あった貯金が現在150万円になってしまったらしい。

桑山 「・・・・すると資金調達が先ってことですか?」

田中 「まさにそうなんです。わたしが貯めたお金が150万円、親から借りる約束になっているのが500万円、嫁が働いていた時代に貯めたのが250万円、合わせて900万円は何とかなるんです。しかし・・・わたしがやろうとしている店は3000万円必要なんです」

桑山 「えっ?3000万円?」

 結局、政府系金融機関や銀行から合わせて残りの2100万円を借りる手だてを考えてくれ、というのが具体的な相談のようでした。

『う~ん、それにしても自分で調達した資金(=自己資金)が150万円だけで、ほとんど他人から借りて3000万円を調達しようなどとは大胆不敵』 と心の中で思い、普通ならここで「何考えてまんねん!」と切り返したいところでしたが、グッとこらえました。

 というのも、もしこれだけの資金を調達(といえば聞こえはいいが実際はただの"借金")してでも、店舗経営に200%の自信があるなら話は別だからです。

桑山 「どんな店を作るのですか?」

田中 「実は平面図もつくっているのですが・・・・」

 田中さんは待ってました! とばかりに図面を出してこられた。

田中 「ここに厨房があって、テーブルは8つあって、カウンターが・・・・・」
一生懸命説明する田中さん。
さらに完成のイメージとしての雑誌写真まで切りぬいて持ってこられている。その思い入れは凄いものがあることはわかりました。

桑山 「どこでやるのですか?」

田中 「大阪市内の○○○美術館の近くです。美術館で美しい絵画を見て、いい気分になられたお客さん方がそのまま来てもらいたいのです。意外にもあの美術館の近くには良い気分の余韻を楽しみながら食事をする場所がないのです」

桑山 「なるほど。(ひとまず納得)」

確かに、あの場所は私も行ったことがありますが人通りが多い割に周りに店らしいものがありません。

田中 「本当の意味でのスペイン料理を出そうとしたら最低これだけの高級感ただよう空間が必要なんです」

(う~ん、やっぱり職人のこだわりだなぁ~ でも・・・ホンモノのスペイン料理と言ったって一般の人がどれほどそれをわかってるんだろうか?)と私は思いましたが、本人のこだわりを真っ向から否定するわけにはいきません。
なんせ 「スペイン料理」という分野においては、私はまったくの無知でもありましたから。

それからしばらく「なぜ高級感がなかったらダメなのか」ということを私自身が納得するためにいろんな質問をしてみましたが、意外にイマイチ(私にとって)説得力のあるものではありませんでした。
 ここが、「職人のこだわり」を持つ田中さんと「商売として成り立つかどうか」を重視する私との差でありました。

2時間あまり延々と田中さんのこだわりを聞かせてもらった上で、思い切って私は思っていることをそのままぶつけてみました。

桑山 「田中さんの話を2時間くらい聞かせていただいてもやはり、私にはこれだけ高級感があるような建物にする必然性があるとは思えないのですが。半分の1500万円で何とかできるように考え直してみませんか?」

一応親族から借りて出世払いでよいお金が750万円あるのですから2倍くらいの1500万円というのであれば、書類をかなり作りこめば何とか政府系金融機関から借りれるケースもあります。

田中 「えっ! そんな額では何もできませんよ~」

桑山 「う~ん」

私は厨房には素人ながらも、平面図を見て、この素材は本当にこれでないといけないのか、このテーブルはこんなに良いものを使わないといけないのか、など次々に質問していきますと、やはり、言葉が詰まってしまうところが時折みられました。

(なんとか予算を減らしてもらうやりとりを何回も積み重ねたプロセスに結構エネルギーが必要だったのですがここでは割愛します)

結局、それでも日本政策金融公庫(こっきん)だけで1500万円を調達することを前提にしているとリスクがあるので、併せて大阪府の制度融資にもチャレンジしてもらうことにしました。

結果・・・・・

当社がほとんど書類を代行して書いた結果、日本政策金融公庫(こっきん)から1400万円、大阪府の制度融資で1200万円、合わせて2600万円を借りることができました。

もちろん、事業計画書作成にあたって

・なぜこれだけの開業融資がなんとしても必要なのか
・店をオープンすれば利益が十分出て十分返済出来る
・親や夫人の貯金分も自己資金である

ということを説得力もってしっかり書き込んだことは言うまでもありません。

開業資金を今より低く抑えることが出来ないか熟考すべき。
 「これだけの額がないと絶対開業できない」という思い込みも再検討すると修正できるケースは少なくない。
親兄弟や夫人が貯金していた分でも融資申請書類の表現のしかたで自己資金となる可能性がある。
開業融資を受けられる可能性があるのはこっきん(日本政策金融公庫)だけではない。


ある日、「ラーメン屋さんを始めたい」というAさんがご相談に来られました。
そしてなぜか同じ時期にもう一人、Aさんとはまったく関係のない
Bさんという方も、ラーメン屋開店のための融資相談に来られました。

お二人とも、ほぼ同じような条件。

【自己資金】 100万円
【必要資金】 600万円
【融資希望額】500万円

ところがAさんは見事、融資を受けて開店にこぎ着けた。
Bさんは残念ながら、融資を受けられませんでした。
お二人の違いは、「気合い」。

Aさんは、熱かった。
麺、スープ、メニュー構成、店舗イメージ、ターゲット層etc…。
事業計画書のためのインタビュー時、
私はもう何度、あちこちへ無限に広がるAさんのお話を軌道修正したか、
というくらいアイデア頻発。夢、語りまくり。

片やBさん、開店にかける気持ちが、
Aさんと比べるとかなり消極的だったかな、という印象です。

でも、前述しましたように、条件はお二人ともほぼ同じ。
私の書いた事業計画書にも、あまり大きな差はありませんでした。
ということは、融資が受けられるかそうでないかの分かれ目が、
今回は「気合い」だった、ということになりそうです。

ではその「気合い」が、どこで功を奏するか。
それは、融資担当者との面接時です。

Aさん・Bさんとも、こっきん(日本政策金融公庫)に融資申請しています。
その手順を簡単にお話ししますと、

1.必要書類を持って申請する
2.後日、面接を受ける

という2段階に分かれます。
申請する日は、まあ、申請だけです。
提出書類に不備がないか、といったチェックだけで10分、長くても20もあれば済んでしまいます。
ところがAさん、1時間半くらいかかった。
後で話をきけば、また熱く語ってしまったとのこと(笑)。

ところでAさんには、ラーメン屋さんをどうしても、
「できるだけ早く」立ち上げなければならない理由がありました。
というのも、店舗物件について、ふつう申請時点では手付金を払っている程度で十分なのに、
Aさんはもう賃貸契約書にサインしていた。
こうなると早く開店しなくては、無駄に賃料を払い続けることになってしまいます。

「でも契約なんかしちゃって、融資が受けられなかったら…」と心配したら、
「何が何でも開店します、遠い親戚に借りてでも」とのこと。
いやはや、ご立派です。
先に物件を契約してしまうと、自分で自分を追い詰めていることに
なるのですが、わたしは決してお勧めはしないのですが、
でもそれだけAさんの意志が固い、ということの表れではあります。

という事情もあって、Aさんは申請時から語って語って語りまくり、
融資担当者を口説いて、通常、申請から1ヶ月以上は待つ面接日を、
2週間先に設定してもらうことに成功しました。

対するBさんは、「そろそろ独立でもしようかな、それなら以前働いたことのあるラーメン屋でも」といった程度の動機。
お店のアピールポイントやこだわりなどをお聞きしても、まったく具体的な話が出てこない。
そんな状況で事業計画書を書くのは、ちょっとキビシかったです(泣)。
とはいいながら、もちろん立派なものを仕上げたつもりです。
Aさんの場合と同じくらいに。

ただ、申請時のちょっとした質問、さらに面接時のシャープな質問に
対して、嫌気がさしてきたのでしょう。最終的には「そんなんじゃもう開店しなくてもいい」と言い出して、この話はご破算になりました。

●結論 【気合いがあればどうにかなる、こともある】

融資のキモとなるのは、事業計画書と申請後にある面接。
この2つのうち私がお手伝いできるのは事業計画書だけで、
面接は当然ながら、ご本人に受けていただかねばなりません。

そこでどれだけ、事業に対する熱意を担当者に伝えられるか。
簡単なロールプレイングを事前に行っています。
「こう訊かれたら、こう答えましょう」といったようなことです。
が、最終的にはご本人の熱意。
Aさんはよく口癖のように、「石にかじりついてでも」「何がなんでも」
開店する、とおっしゃっていました。

物件を契約した上で申請に臨み、面接日を早めに設定してもらい、
その面接日にも当然ながら、自分の熱意をとうとうと語る…。
それがAさんの「気合い開店」につながったのでした。

絶対、とはもちろん言えませんが、「気合い」はしばしば有効。
たとえ条件が多少厳しくても、なんとかなる場合もあるのです。

46歳で新規開業される柏原さんが来られました。

やはり、開業融資 を、こっきん(日本政策金融公庫)でなんとしても受けたい、
という希望でした(といってもうちに来られるほとんどの方はそうなんですが)。
2ヵ月前に一度こっきんの審査で落ちてしまったとのこと。

まずは通帳で自己資金を見せていただきました。
この第一段階で「自己資金はゼロ」と見られて落ちてしまう人が非常に多いのでわたしは最初にこれをみます。
う~ん、自己資金が80万円と言ったって、最近でそうなってるだけで
かなり増減が激しい。う~ん、これはなぜこうなったのか、ということをきっちり説明する書類が必要だ、
というのがまず思ったことでした。

また、前回に出した創業計画書を見せていただいた。

う~ん、売上・利益ともに計画が甘すぎる、という印象をまず持ちました。
で、さらにまずいことに、その売上をどうやって上げていくのか、という根拠が あまりにも希薄でした。

「根拠と言われても、これから開業するんだから、やってみないことにはわかりません」

うん、たしかに、それはそうでしょう。
でも、そんなこと正直に言ったら絶対に貸してくれません。
なんせ自信なさそうな人に貸さないのは当たり前ですから。

さらにいろいろお話を聞いてみると、サラリーマン時代に 販売促進策をいろいろ試しておられたことがわかりました。
いろいろトライ&エラーをされててノウハウとしてかなりためて おられたことがわかりました。
「チラシはこんな感じでやってこれだけ集客出来ました。 クーポンはこんな感じで売上が上がりました。」 ということを語り出したら、もう止まりませんでした。
「すごいなぁ~」と思うやいなや
「それですよ!そこをアピールしないと」 と叫んでしまいました。
結局、サラリーマン時代に作った実績のあるパンフ、DMなども面接の際にアピールしてもらうことになりました。

販売促進=売上アップ
をさせることに自信があるということほど、強力な武器はありません。
なんせ、こっきんも信用保証協会も「この人に貸したらきっちり返済してくれそうか」
ということをまず第一に気にしているのですから。

結局・・・・

自己資金が明らかに80万円ある説明をきっちり書面で作った上で 創業計画書もきっちり作り込み、
希望額よりは若干減ってしまいましたが、創業融資として、
こっきんで150万円、大阪府信用保証協会で320万円 をなんとか借りることが出来ました。

ポイント
●事業計画書をとことん説得力あるように書くのが肝要特に「なぜこの売上・利益が上がるのか」を説得力あるように記すのは絶対条件

●自分でコツコツ貯めた自己資金がこれだけある、ということを説得力あるように説明する、あるいは書面で提出することが肝要