本日、15時過ぎ。
「もうお帰りになったらいかがですか、あとは私がやっておきますから」
助手さんにそう言われてその言葉に甘え、
予定より早めに上がらせてもらった。
16時帰宅、観戦準備。
酒とか酒とか酒とか。
そして、現地アデレード時間19:30、日本時間18:00。
ACL決勝、アデレードユナイテッドVSガンバ大阪。
運命のキックオフ。
いざ、アジアチャンピオンへ。
★
数年前のこと。
ある土曜の午後。
私は休みだったが。
小次郎は仕事だった。
家事仕事を終え、特に出かける予定もないので
のんびりしていた。
当時、まだ猫は
小梅と花梨の2匹だけ。
猫たちをソファの左右に侍らせて
中央競馬中継を見て一喜一憂しながら
時間は流れた。
4時を過ぎた。
最終レースが終了し、テレビを消そうと思ったのだが
何か面白い番組はないかとチャンネルを回していった。
お笑いとか、ドラマの再放送とか、見たいとは思えない番組ばかりの中、
1局だけサッカー中継をやっていた。
もともとサッカーには興味がなかった。
地元には浦和レッズという有名チームがあって
小次郎がサッカーに関わっていて浦和を応援している雰囲気があったので
多少は気にかけることもあった。
だから、レッズが勝てば、「良かったじゃん」ぐらいは言ったけれども
それでも、たとえばレッズの試合がらみで通勤路が混んだりしようものなら
ハンドル握りながら「まったくもう」とイライラしたものだ。
で、その土曜の午後に放映していたのは
浦和レッズの試合ではなかった。
地元の浦和レッズ以外はひと山いくら、いよいよ試合を見る理由がないので
チャンネルを替えようとしたのだが、理由は覚えていないが、
なぜかそのまま見ていた。
多分、小梅が膝に乗っていてリモコンに手が届かなかったとか、
そんなことだったと思う。
で
そのとき試合をしていた片方のチームがすごい上手いと思った。
パスが足に吸いつくような感じ。
パスを受けてクルっと反転しながら
もう次のパスを出してるし。
サッカーに興味はなく、知識もなかったが
このチームがやたら技術が高そうなことだけは
わかった。
でもただそれだけだった。
で、チャンネルを替えた。
そして
1時間後に再びサッカーにチャンネルを合わせた。
技術は高そうだけど、試合は負けてたあのチームはその後どうしたかな、
ぐらいの軽い気持ちだった。
ところが試合はまだ終わっていなかった。
チームは同点に追いついていて、どうやら引き分けで終わりそうだった。
そして試合終了直前、その上手いチームは逆転した。
サポーターが大騒ぎしている。
見ててなぜか
すごく心に残るものがあった。
それは、とにかくこのチームの
素人目に見てもわかる上手さのせいだったと思う。
選手のことはほとんど知らない。顔がわかるのが数人。
それも小次郎に付き合って代表戦を見ていたから認識できる程度。
そんな、技術の高い
青いユニフォームのチーム。
それがガンバ大阪だった。
★
あれから数年。
日本のクラブチームの中で
一番質のいいサッカーをしているという自負がある、
ガンバ大阪。
本日、そんなガンバ大阪はアデレードユナイテッドを破って
見事アジアチャンピオンになった。
うれしいなどと言う言葉では言い表せない。
このチームを見つけられて本当に良かった。
このチームを好きになって本当に良かった。
アジアチャンピオンには
次なるステージが待っている。
この攻撃的なサッカーが行きつく先はどこか。
Jリーグ一、温厚な選手たちが紡ぐ連携がどのレベルにあるのか。
見届けることができる幸せを噛みしめたい。
もう一度言う。
何度でも言う。
おめでとう、そしてありがとう、ガンバ大阪!