今日は 味 のことを考えてみました。

うまい とは 何か?

うま味が味の素の原点。
今からおよそ100年前、東京帝国大学(現東京大学)教授の池田菊苗はある疑問を持った
「湯豆腐はなぜうまいのか?」。

当時人間の味は 「甘い」「塩辛い」「苦い」「酸っぱい」の四つと考えられていた。
池田は研究を重ね、ついにうまさの素を突き止める。

それは昆布に含まれるアミノ酸の一つ、グルタミン酸の味だった。
池田はその味をうま味と名づけた。第五の基本の味の発明だった。

そのうま味成分を商品化したのが味の素の創業者、鈴木三郎助だった。
こうして 1909年、世界初のうま味調味料、「味の素」が誕生した。

神奈川県川崎市。10万坪≪33万平米)の敷地に工場や研究施設などが集約されている。
ここから 1500種類にも及ぶ商品が日本中に送られる。

また、味の素の調味料は多くの食品メーカーに卸されている。「アミノ酸」と書いてあれば大半は味の素製品。

川崎は世界一のアミノ酸製造拠点なのだ。
2009年に創業100年を迎えた味の素。

従業員28、000人、売り上げ一兆円を超える巨大企業は、次の100年に向けて動き出した。

1970年、味の素は再び食卓を一変させる商品を世に出した。それが「ほんだし」。
「はんだし」にはだしをとる手間から主婦を解放し、あっという間に日本を席巻した。
1973年にはカップスープ、味の素は日本の食卓をリードしてきた。

一方で早くから海外にも進出。戦前、アジアやアメリカにまで販路を広げていた。現在海外拠点は二六力国112法人、味の素の商品は二二〇力国以上で売られている。現地の食生活に合わせた商品を開発し、売り上げを伸ばしているのだ。たとえばコショウが入ったフィリピンの「アジシオ」。ブラジルの万能調味料「SAZON」。インドネシアでは、豚を使っていないことがわかるように鳥や牛の絵が描いてある。こうして味の素は世界市場を切り開いてきた。

研究者は約約1200人。多額の研究開発費を投じ、食品はもちろん、医療や化学の分野まで、様々な研究をしている。これにより理系大学生の就職人気ランキングでは一位となっている。