愛媛FC対アビスパ福岡の一戦は、福岡が勝利し、また、同時刻に行われていた試合で3位の長崎が引き分けたため、この試合をもって福岡のJ1昇格が決まりました。アビスパ福岡は5年ぶりの昇格というところで、本当に歓喜と感動でした!そんな一戦を振り返ってみましょう!!

 

【試合の総括】

今日の試合は、福岡が攻守ともに愛媛を圧倒したといえるでしょう。愛媛はほとんどなすすべなく敗戦を喫しました。福岡はいつもの4-4-2、愛媛は3-6-1のフォーメーションでした。福岡は、2試合連続ゴールで二桁得点に到達したルーキーの遠野選手、愛媛は、ベテランのゲームメーカー山瀬選手が注目の選手でした。

前半立ち上がりは愛媛のペースで試合が進みます。愛媛はしっかりとボールをつなぎ、サイドも有効に使い、ゲームを組み立てます。また、ボールを奪われた後の攻守の切り替えも非常に早く、福岡はなかなかマイボールにできません。しかし前半18分、悪い流れを断ち切るように福岡がコーナーキックから先制します。きれいなゴールではなかったですが、対人の強さが際立った得点といえます。その後は福岡のペースになります。特に守備においては、非常に活気づいて、前からはめるプレスをがんがんとかけ続けます。チームとして統一されたプレスには流石といわざるを得ません。ただ、愛媛も奪われた後の切り替えが早く、前半終了まで双方のボールの奪い合いは続きました。

後半開始早々、福岡の遠野選手のビューティフルゴールが生まれます。これはもうワールドクラスの素晴らしいゴールでした。福岡にとってはこの1点はJ1昇格に向けての大きな1点となりました。得点以降はやはり福岡のペースで、相変わらずの守備の良さで、時間を凌ぎます。愛媛はボールを持てるも、福岡のプレスに苦しみ、サイドに追い込まれたり、キーパーまでボールが下がったり、チャンスらしいチャンスが作れません。そのまま、福岡は盤石の5バックに変更し、試合を締めました。そして、同時刻に行われていた長崎対甲府戦が引き分けに終わった瞬間歓喜の輪が広がりました。

 

【戦評】

★アビスパ福岡

前節に続き、相変わらずの守備の良さでした。金沢戦で何か吹っ切れたのか、選手たちの自信を持った守備が光っていました。攻撃でも、3試合連続複数得点ということで、調子の良さが見えます。今日のゲームは、先制点をあの苦しい時間帯に奪えたことが大きかったでしょう。福岡はペースがつかめないとズルズルいく癖もあり、非常に心配でした。ただ、逆に得点をするととんでもない力を発揮するという癖もあり、今日に関しては良い癖が見えたので良かったです。今日のゲームは間違いなく満点のゲームでした。

 

★愛媛FC

今日は持ち味のパスサッカーが出せませんでした。なぜなら、パスサッカーのキーマンとなる、真ん中の4枚、川村選手、吉田選手、山瀬選手、森谷選手、がほとんどいい位置でボールを受けられなかったからでしょう。まぁ、その要因はお察しの通り福岡の限定した守備によるものです。福岡は、ボランチの山瀬選手や森谷選手を徹底してカバーし、自由にさせないようにしていました。さすが、上位のチームです。ただ、愛媛も前半41分頃に良い位置で吉田選手?がボールを受け、前を向くシーンがありました。このようなシーンがもっとあると、愛媛にも得点するチャンスがあったのではないかと思います。とにかく、今日のゲームは相手が良すぎた、それに尽きます

 

【ヨッケ的解説】

★46分の遠野選手の得点シーン

ワールドクラスのゴールを解説します。僕が注目したのは、シュートの精度です。その前のフェイントもすごかったですが、それ以上にシュートの精度はすごかった。よく考えてみてください。ペナルティエリア外からシュートを打って入りますか?それに、角度がそこそこあって、逆足でのシュートで、しかも、キーパーの絶対に届かないところへ。絶対無理ですよね。僕は多分入るのに5年かかります。あのシュート精度を利き足でも逆足でも遜色なく発揮できるのはまさにエースストライカーです。それあっての今シーズンの二桁得点だと思います。ルーキーとは思えない活躍ですので、来年からはJ1で暴れてほしいです!

 

【次節】

ついに最終節です。今年は本当にいろいろなことに変化があり、サッカーの形態も大きく変わっていきました。そんな2020のJ2リーグも残り90分です。感慨深い気持ちとほっとした気持ちと寂しい気持ち、色んな感情があります。そして最後の90分が首位の徳島です。神様のいたずらでしょうか。優勝決定戦というには、少し難しい状況ですが、互いに全力を尽くして、来年のJ1に向けて最高の締め方をしたいですね!