【鳴門の強風を味方につけた福岡が逆転勝利!!】

J1昇格チーム同士の戦いは、鳴門の強風が吹く中、福岡が逆転勝利をおさめました。前半は風上に立つ徳島が1点、エンドが変わった後半は福岡が2点、風に大きく左右されたような試合でした。

前半開始早々2分、裏へ抜け出した宮代選手のシュートのこぼれ球を垣田選手が流し込み徳島が先制点を奪います。福岡は一瞬のすきを突かれ、4試合連続で失点です。その後は得意のポゼッションを武器に徳島がペースをつかみます。福岡もリトリートしつつ何とかボールを奪おうとしますが、中盤で数的不利を作られているため、思うように自分たちのサッカーが展開できません。また、風の影響もあってかボールコントロール面でミスが目立ち、福岡はほとんどチャンスを作れないまま前半を終了します。

後半に入ると福岡はFWの城後選手に変えてMFの重廣選手を投入し、4-2-3-1のような形にシステム変更をします。そして、52分福岡は敵陣左サイドでボールを奪い、そこからショートカウンターを仕掛け、右サイドバックのサロモンソン選手がオーバーラップからボールを受けゴールを決めます。その後福岡は全体のラインを上げ、前からのプレスを強め徳島に自由にさせません。そして、後半66分、波状攻撃を仕掛けPKを獲得、そのPKを金森選手が決め逆転に成功します。その後、徳島もサイドやセットプレーからチャンスを作りますが、なかなかゴールを決めることはできず、そのままタイムアップ。

福岡は辛くも勝利をし、J1復帰後初勝利を上げました。対する徳島は相性の悪さゆえか、福岡にまたしても1点差で敗北し、初勝利はお預けとなりました。

 

【勝てない徳島・・・なぜ福岡に対して相性が悪いのか】

今季の初勝利はお預けとなりました。また、福岡に対して直近公式戦3連敗と相性の悪さがにじみ出ています。徳島は中盤を軸にしたポゼッションサッカー、福岡は守備の堅いチーム、昨年からの構図は大きく変わっていません。なぜこんなに勝てないのか。結論としては福岡にとって徳島のポゼッションサッカーが非常にはめやすいからです。基本的に徳島のポゼッションは中盤の2枚を起点にしたもの、つまり、その2枚をつぶせばそのこぼれ球を拾うだけでいい。実際昨年の最終節では、その形で得点を奪い勝利を収めています。逆に徳島はこのプレスをうまくかわせばチャンスが構築できます。ただ、このように前から来るプレスだけが福岡の持ち味ではなく、どっしりとリトリートした形での守備も持ち味です。その守備を崩すのもなかなか難しい。そして福岡には高さがある。このように徳島にとってはかなりやりにくい相手なのです。このままだと、次に戦うときにも同じように福岡が勝つでしょう。

 

【試合の流れを読み、逆転勝利!】

福岡は今季初勝利で貴重な勝ち点3を得ました。前半開始早々に失点をし、先行き不安な立ち上がりでしたが、後半になって福岡本来のサッカーを見せ逆転勝利を収めました。前半、福岡は4-4-2の構図で、4-2-3-1の徳島に対して、中盤で数的不利を作られ徳島に自由にパス回しをされてしまいます。また、強風も相まって非常に苦しい展開が続きますが、何とか前半を1失点で食い止めます。後半に福岡はFWの城後選手に代わってMFの重廣選手を投入し、徳島と同じ形の4-2-3-1を構築。中盤の数的不利を解消します。そして、2得点を奪い勝利。前半不利な状況において、1失点で食い止めたことは勝利の大きな要因となりました。本来であれば、前半のうちに取り返しておきたいところでしたが、前半福岡は比較的割り切った形で守備に専念していました。この辺りの試合を読む流れという点で徳島よりも一枚上手でした。

ただ、失点は気になるところです。堅い守備が持ち味ですが4試合連続失点は福岡らしくありません。一瞬の判断ミスや一つのキックミスで大きなピンチを招くJ1では守備の精度を高めるというところは大事になってくるでしょう。