東京のアートフェア「TCAF」に参加し、絵を買う | 人生をアートで埋める

東京のアートフェア「TCAF」に参加し、絵を買う

ぼくが働いているギャラリーが、11月22日から24日まで東京・新橋にある東京美術倶楽部で開催されたアートフェア「東京コンテンポラリーアートフェア(TCAF)2008」に参加したので、販売員として妻と二人で東京に出張し、会期中ずっと会場で接客、販売を行ってきた。
「TCAF」は去年からスタートしたアートフェアで、会場や開催時期、規模もほとんど去年と同じである。参加ギャラリーは40、そのうち韓国のギャラリーが3軒ほどある以外はすべて国内のギャラリーで占められている。インターナショナルなアートフェアとはとても言い難い。国内のアートフェアとしては「アートフェア東京」というものもあり、これは毎年4月に東京国際フォーラムで開催され、規模はTCAFよりもずっと大きく、認知度も高いが、同様に参加しているのは国内のギャラリーがほとんどである。アジアでは上海、北京、香港をはじめ、ソウル、シンガポールなどでも大規模なアートフェアが乱立しているが、それらに比べて東京は、海外のギャラリーからの注目度が圧倒的に低いといえるだろう。
それはともかく、今回のTCAFは、それなりに来場客は多かったが、やはり不景気の影響だろう、なかなか売上は厳しかった。いくつかのギャラリーでは10万円以下の安価で手頃なサイズの小品はそれなりに売れていたが、大きな売上という意味ではどこも乏しかったのではないだろうか。ぼくも知り合いのギャラリーの人や、近くのブースの人と話したがやはり一様に彼らの表情は険しかった。もちろんぼくの働くギャラリーも非常にきつい結果だったので、気分としては暗い日々だった。
ただ、アーティストの女性と一緒に居酒屋でいろいろ話す機会があったり、様々なギャラリーで面白い作品に出会えて、有意義なことも多かった。日本のアートシーンは面白い、とぼくは思う。クオリティも高いし、何よりセンスがいい。どのギャラリーもしっかりとカラーを持っているのがいい。勉強になった。
実は、今回とうとう絵を買ってしまった。クムサンギャラリーという韓国の有力ギャラリー(東京にも支店がある)で扱っている、キム・ソヒという韓国出身の若い女性アーティストの作品である。実は彼女の版画作品を10月にソウルで行われた版画のアートフェア「SIPA」で初めて見て、とても気に入っていた。その時はなんとなく買わずに終わったのだが、今回再び出会い、我慢しきれずについに買ってしまった。彼女はもともと版画家志望らしいのだが、今回はキャンバスにアクリル絵具で描いた、いわゆる本画も出していて、それも買ってしまった。つまり2点だ。東京にある、現代アート専門の某有名画廊も彼女の絵を買ったということらしいので、これは将来が期待できるかもしれないとぼくは確信したのだ…。幸い、妻も作品を気に入ってくれて、購入を後押ししてくれた。妻はぼく以上に、早く独立して自分たちでギャラリーを展開していくことを夢見ている。今回はその新たな一歩ということだろう。
韓国人の妻を持つぼくが、初めて買った現代アートが、韓国のギャラリーの韓国人のアーティストのものだった、というのも何かの縁だろう。高い買い物だが、気分は悪くない。