ルー・リードのブートレグを聴く | 人生をアートで埋める

ルー・リードのブートレグを聴く

ルー・リードのブートレグを久しぶりに買った。タイトルは「I NEED A NEW ILLUSION」というもので2枚組だ。2005年ドイツでのライブ音源で、音質はまあまあだった。
ブートレグというのはいわゆる海賊版であり、そのミュージシャンが契約しているレコード会社から正規に発売された音源ではなく、レコーディングのアウトテイクやライブ音源が流出したものを第三者的なレコード会社がアンダーグラウンドなルートで販売しているもので、もちろん本来は違法なのだが、海外の有名ミュージシャンに関しては当然のように大量に出回っている。特にビートルズ、ボブ・ディラン、レッド・ツェッペリンはブートレグの種類が多いことで知られ、マニアは日夜収集を続けている。熱烈なファンにとっては正規盤だけではまったく飽き足らない。レコーディングのアウトテイクや未発表曲、デモ音源、ライブ音源といったすべての音源を手に入れたい、と考えるのが人情というものである。ただし、一旦足を踏み入れるとなかなか抜け出せない地獄でもある。つまり、すべて買いそろえなければ気が済まなくなり、ついつい膨大な費用が投じられることになる。底なし沼のような悲劇が待っているのだ。
ぼく自身はそれほどのマニアではないが、ルー・リードに関しては見つけるとつい買ってしまう。しかしそれほど数も流通していないし、ぼくも中古CD屋を探し回るようなこともないので、コレクションというほど持っていない。少しずつ増やしている、という感じだ。
今回のブートレグは、最新アルバム『The Raven』(2004) のツアーのもので、このアルバムからの曲が多く入っているのだが、「My House」や「Charley’s Girl」など普段あまり聴けない多少マニアックな楽曲も演奏されていて興味深い。ぼくの一番好きなアルバム『Set The Twilight Reeling』(1996)からも珍しい2曲が演奏されている。CDのインナーにはルー・リードのパートナーとなったアーティスト、ローリー・アンダーソンとの仲睦まじい写真が掲載されていた。『Set The Twilight Reeling』は、そのローリーに捧げられたアルバムでもあり、愛に溢れていてぼくは好きなのだ。1960年代のヴェルヴェット・アンダーグラウンド時代のことが多く取りざたされるルー・リードだが、ぼくはここ10年ぐらいのルー・リードが本当に好きである。このブートレグも実に素晴らしいライブ音源だった。
ルー・リード