ここ最近、埼玉への引っ越しを決めてから、母家を壊すと言ってみたり、壊さないと言ってみたりを二転三転と繰り返す親父との話し合いの昨日。

正直、親父のこの二転三転の考えでかなり振り回されている私たち夫婦。
ほぼ半世紀に渡る父と子の不仲は相当なもので、いまだかつてまともには会話をしたことがない。

先日は母家を壊すこと前提で私たち夫婦の話し合いがあったばかりで、ここはちゃんと話さなくてはいけないなと・・・で、まずは一緒に酒を飲む。

俺もさすがに少しは大人になったもので、まずは腹を割った自分の考えを話捲る。

そして親父から出た言葉

「嘘でもいいから、いつかまた福島に帰ると言え。嘘でもいい。そうしたら家は壊さないで残しておく。俺が毎日風を通して手入れをしておく。」

親父の本心すべてが込められた言葉だった。

親父との不仲で家を出ることばかり考えていた32年前。
そして32年ぶりにようやく家族を連れて帰郷し、6か月でまた出ていく。

親父は親だった。

親父の二転三転は優柔不断や身勝手からの事ではなかった。
理想と現実の狭間で苦しんでいた。

全ては原発のせいだった。

俺は部屋に帰って泣いた。