「しょうがないですよ。

人なんで簡単に死んじゃうんですから」


ピエール瀧扮する、暴力団組長、

須藤純次のセリフ。

”先生”と呼ばれる温厚そうな男が、

カッとなって殺した老人の遺体処理をするために

現れた時、その先生にかけた言葉だ…


その言葉通り、須藤は次々にいとも簡単に

人を殺していく…

その先生の思惑通りに…


新潮45編集部編

「凶悪―ある死刑囚の告発」原作を

白石和和彌監督が映画化。



凶悪の場面カット画像



いやぁ。、悪いよ~、リリーさんと、ピエールさん。

名前だけ聞いてると、ちっとも悪そうに感じませんが。。。

金儲けのために人を殺していく様は、

人の仮面を被った悪魔の姿。

りりーさんの柔和そうな顔がさらにおそろしい…

それでいてどこか滑稽にも見える二人。

久しぶりに少々気分が悪くなるような映画だったが、

むしろ、この二人だったから観れたのかもしれない。


死刑囚となった須藤から余罪を告白され、

記事するべく首謀者をあばいていくジャーナリストの藤井。

藤井はその凶悪さに憑りつかれたように、

事件の真相におぼれていき、家庭も顧みなくなっていく…

山田君の髭ボーボーで、もはやまばたきもしないような
追い詰められた姿に、当事者と同じように苦しくなっていく。


そのバットインフルエンスは、藤井の家庭にも侵入し、

痴呆症の義母の面倒を見る妻までも壊れていく…

義母をホームに預けたくても、承諾してくれない夫に、

それは罪悪感があるからだと夫をなじる妻。

殺された人間のために記事に没頭する夫に、

「私は生きてるのよ!」

と声を荒げる姿は、妙に安心感が湧き上がった。

どんなに義母に辛くあたろうが、

口汚く罵ろうが、

この妻が、唯一、まともな人間だからなのです。

池脇千鶴ちゃんの存在に救われる…


人間の罪は…何が本当なんだろう…


死刑囚の須藤が、

法廷のラストで吐くセリフ…

私は一番鳥肌が立ちました…


おすすめはできないけど…

覗いてみたくなる映画です。