私の家は小さなレストランを経営している。
両親が25年近く続けてきたお店でレストランの前は祖母がこれもまた25年程喫茶店を経営していたんだそう。
そんな歴史のあるこの店が昔の私は大嫌いだった。
両親ともに朝から日が変わるまで働き、私はいつも祖母と祖父と一緒だった。
誰もいない時にはひとりでご飯を食べテレビを見て、勉強をした。
当時5歳だった私はリンゴを剥く際に深く指を切り大量の血が噴き出たが忙しい両親の元に行くわけにもいかず赤い布で必死に抑えて病院に運ばれたことや、食器棚の上のものを取りたくて棚に登り倒れてきた棚の下敷きになったことを覚えている。
またある時こんなこともあった。
中学生になった私はソフトテニスに没頭し毎日毎日練習し3年生の春、市の大会で優勝、府の大会で優勝を果たしそれをいち早く両親に伝えるべく走って帰宅した。
仕事中の父に向って「優勝した‼」とトロフィーとメダルを掲げた。
すると父は私に向って「仕事の邪魔だ、出ていけ」と怒鳴った。
私は人生初の家出をした。
私は望まれて生まれてきたのではないと9年間思い続けていた。
私は両親を恨み、周りを羨み、愛情を欲しがった。