アヴェクでは、毎朝の出勤時、全員がまず「ワーク」に取り組みます。色々な時事的なニュースや季節行事、雑学について調べたり、テーマに沿った感想文を書く「ワーク」を通じて、様々なことを知り、視野を広げるきっかけを作ることが目的です。先日のワークのテーマは「エシカル消費」でした。皆様は、この言葉を聞いたことがあるでしょうか。今回の記事では、「エシカル消費・エシカル商品」とは何か、ということについて調べたことをまとめてみました。
・エシカル消費・エシカル商品とは
エシカル(ethical)は、「倫理的・道徳的」を意味する語で、エシカル消費とは、直訳すると「倫理的消費」となります。消費者庁の定義によると、地域の活性化や雇用なども含む、人や社会・環境に配慮した消費行動であるとされています(1)。2015年9月に国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の17の目標のうち、目標12「つくる責任 つかう責任」は、持続可能な手段で生産をすること、消費者がそのような商品を選択する責任があることを示しています。エシカル消費は、1954年に発表された James Buchananの論文“Individual Choice in Voting and the Market”で提唱された、「商品を購入することは投票と類似の行動である」とするDollar votingの概念に端を発した消費者運動の一環であると位置づけられます。
具体的な例としては、政府広報オンラインで、リサイクル素材を使った商品を選ぶことや、地産地消を意識して地元の商品を選ぶこと、被災した地域の農林水産品を選ぶこと、などが例として挙げられています(2)。また、平成29年4月「倫理的消費」調査研究会取りまとめ資料では、障がい者支援につながる支援、フェアトレード商品、寄付付きの商品、エコ商品、リサイクル商品、資源保護等に関する認証がある商品、地産地消、被災地産品、エシカルファッションなどが挙げられています(3)。
また、エシカル商品とは、エシカル消費にふさわしい商品を指す語です。それがエシカル商品であることを示す一つの指標として、様々な「認証マーク」があります。環境への負担が少なく、環境保全に役立つと認められた商品につけられる「エコマーク」や、発展途上国で生産された原料や製品を適正価格で購入したことを示す「国際フェアトレード認証ラベル」などが代表的なものです。
「エシカル消費」という概念が一般に知られるようになったのは、当時広まりつつあった社会的責任投資(SRI)運動から思想的な影響を受けて1989年イギリスで創刊された雑誌『エシカルコンシューマー(Ethical Consumer)』の影響が大きいとされています。この雑誌はとりわけ人権や環境汚染、動物倫理などの様々な観点から企業を評価する一覧表を作成する活動で購読者の消費の意識を変え、社会に大きな影響力を持ちました。そして1998年にはエシカル・トレード・イニチアチブ(Ethical Trade Initiative)という、世界中の労働者の権利を守るためのエシカルビジネスの協会が発足しています。日本においても、2014年5月30日には「日本エシカル消費推進協議会」が発足し、2015年4月には政府の消費者庁で倫理的消費調査委員会というエシカル消費の研究会が設置されました。2015年9月には国連で持続可能な開発目標(SDGs)が採択されるなど、現在は世界中がエシカル消費の推進に取り組んでいます。
・エシカル消費とアヴェクとの関係
前述した消費者庁の定義によれば、エシカル消費とは、「人や社会・環境に配慮した消費行動」でしたが、主に「人・社会」の部分において、アヴェクの活動とも関係してきます。アヴェクで制作されたハンドメイドアクセサリーや雑貨等を購入することは、病気や障がいなどが原因で一般的な就労が困難な人々の就労や社会的な自立を支援することに繋がります。また、制作された商品の多くは、地域の商店街等でされるバザーなどで販売されるため、地域活性化や、ハンディキャップを抱えた人々と地域とを結びつける関係作りの役割を果たしているとも考えられます。このように、障がい者やシングルマザー、ホームレス(ビッグイシューの路上販売)や高齢者など、いわゆるマイノリティを積極的に採用する企業の商品を購入することは、「人」に配慮したエシカル消費であるとみなされます。
・アヴェクで制作された商品の委託販売先について
現在、アヴェクで制作されたハンドメイドアクセサリー等は、一部の美容室や整骨院さんにて委託販売をしていますが、この度新しい委託先として、リノベいばらきDIY工房さんが加わりました。
「リノベのいばらき」は、茨木市が主導する事業で、「DIY(自分でやる)」と「リノベーション(手をくわえ価値を高める)」を切り口に「自分たちで、まちの価値を高めるまちづくり」を進めることを目的としたプロジェクトです。このプロジェクトは、人口減少傾向にある茨木市を活性化するため、リノベーションを軸に、新たな街づくり運動のための「場づくり」と「コトはじめ」に取り組み、交流人口や定住人口の増加だけでなく、経済活動、社会活動、地域活動に参加する「活動人口」を増やすことを目指します。連携団体は、ダン計画研究所、不動産会社ソラシア、株式会社ARC研築、Studio M&M、tonton、Relabです(4)。
茨木市商店街内にあった子供服店を改修し、2019年の12月10日に、リノベいばらきDIY工房がオープンしました。壁の塗装や床張りなど大掛かりなものから、簡単な棚や小物を手作りする様々なワークショップやDIY講座が開催されています(イベント・ワークショップは原則完全予約制)。また、1時間330円で備え付けの工具や大きな作業台が自由に使えるレンタルスペースとして利用できるほか、月々1000円~で委託販売や展示のためのブース貸出も行われています。
エシカル消費にも繋がる、アヴェクの商品にご興味がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
参考リンク
(1) https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_education/public_awareness/ethical/about/
(2) https://www.gov-online.go.jp/tokusyu/COVID-19/policy/ethical-consumption.html
(4) https://rinobe-ibaraki.com/