お話があります…


こんばんは)^o^(

今日もあつあつ 晴れ ーの一日でしたね~


こんな時には、何か涼しくなることを、どうしても探したり
工夫したりしますよね♪

ガリガリ君は、その涼しさを提供してくれる、強力なアイテムです(笑)



…でも、あれですね?
やっぱり夏は、怖(こわ)い話ですかね…

でも、ただ怖いだけっていうのは、いなか道はダメですね~(笑)
怖さの中にも、なにか、心が温まる…
そんな話が好きなんです。。


今日は、そんな話の中から皆さんに読んでいただこうと思いました☆
でわ、どうぞ…




サイト・「怖(こわ)い話がいっぱいいっぱい」 から

【怖いような切ない話】~ありがとう~
(2012年10月07日 投稿)

7年前に勤めた会社が倒産し、就職難の中、
運転手に転身したTさんという方の身に起きたことです。

最初は小さい2t車での仕事だったTも運転手に転身して
1年も経(た)つと4t車に乗る様になり、
県内だけでなく県外にも足を延(の)ばすようになった。

今から5年程前の雨の夜に隣県から帰る為に県境(けんざかい)の峠道を
走っていたTは尿意を覚(おぼ)えて山頂の少し手前の広い所に
トラックを停めて用を足(た)した。

雨は小雨(こさめ)程度だが霧(きり)が出ているし交通量も疎(まば)らな
峠道にいつになく嫌(いや)な雰囲気を感じていたが、
用を足してスッキリしたTがトラックに戻ろうと振り向くと…

助手席側に、人が立っているのに気が付き一瞬身を固くする。


こんな真夜中に峠で人が?
恐る恐る観察するTに人影が振り向いた。
若い…20代前半位の女性だ。

肩までくらいの髪(かみ)も、どこかの会社の制服と思(おぼ)しき衣服も
全部が雨で濡(ぬ)れている。
思わず声をかけようとしたTより先に女が言葉を発した。

「峠(とうげ)を降りた○○まで乗せてください…」

小さく、か細く…しかしはっきりと聞き取れる声だった。

女の申し出に、一瞬よく耳にする様々な怪談話を思い出すTだったが、
その女の何とも哀(かな)しく寂(さみ)しそうな顔への同情が
恐怖を上回った。

「いいですよ、どうぞ。」

そう言うとTは助手席のドアを開けてやり、女に乗る様に促(うなが)した。
ステップを踏み手摺(てす)りに手をかけ女が乗り込む時、
ふとTは彼女の足元を見てやっぱりなと感づく。

助手席側や運転席側のドアを開けると室内灯が点くようにしてあった。
光があたれば物体は必ず影を残すはずなのに、

彼女には影が無かった。

だが不思議と恐怖を感じないままにTは彼女が助手席に座ると
そっとドアを閉め運転席へと乗り込み車を走らせた。

走らせながら彼女の横顔をチラチラと横目で伺(うかが)う。
最初と変わらない寂しげな横顔のまま言葉もなく、ただ俯(うつむ)き加減に
座っている。
意を決してTは彼女に勝手に、独(ひと)り言のように話しかけた。


「悲しいこととか色々あったりしましたか?

辛(つら)いこと、悲しいこと、何があったのか僕にはわかりませんけど
こんなところに居(い)ては駄目(だめ)です。

行くべき所があなたにはあるんじゃないですか?
僕にはしてあげられないことかもしれませんが。」

Tの言葉に彼女は反応を見せない。

この峠を下(くだ)り彼女の望むところまでにはまだ20分はかかる。
その間もTは構わず一方的な会話を続けた。

「○○にはあなたの何かがあるのかな?
そこに行ってその後どうするんですか?
またあの峠に戻ってしまうのですか?

繰り返しては駄目だと思います。
次へ進まないと。」


彼女はただ俯(うつむ)いたまま黙っている。
聞いているのかさえ分からないままTは話しかけ続け、ようやく峠をくだった。

突然彼女は前方を指差すと、

「あそこで…」

とだけ言った。
なんの変哲もない住宅街への交差点だった。
Tはハザードランプを点(つ)けトラックを停(と)めると彼女のほうを見た。

「ありがとうございました。」

微(かす)かに聞こえる声だけ残して彼女は消えてしまった。
そしてもう一言、どこからともなく聞こえた、

「行きます」

の声に、Tは安堵(あんど)のため息を吐き出し、再び車を走らせ
無事に会社に帰った。


後日、Tはあの峠で起きた事件を同僚から聞いた。

10年前、情事のもつれから当時22歳の女性が絞殺され、死体が
遺棄(いき)されていたのだと言う。
当時の彼女が住んでいた町こそTが彼女を降(お)ろした住宅街だったそうだ。

その後、あの峠で彼女を見ることもないまま…
Tは3年前に子どもをもうけ幸せに暮らしていた。
生まれた女の子も大きな病気や怪我(けが)もなく明るい元気な子で
Tは溺愛(できあい)し、娘も父親を慕(した)っていた。

そして今年……
峠の彼女のことも記憶から忘れていたTは再び彼女と再会する。

9月の半ば、夜中に目を覚ましたTが喉(のど)の渇きを覚え台所で
茶を飲み寝室に戻った時だった。
妻の横で寝ている愛娘(まなむすめ)が布団から飛び出して寝ていた。
なんて寝相だと苦笑しながら娘を布団に戻したその時……

娘が眠ったままTの手を握り

「ありがとう、
あなたがあの時助けてくれたから、わたしは今、生きてます。
本当にありがとう」

と言った。

彼女の声で…
娘の口で…

彼女の生まれ変わりなのか、娘の口を借りただけなのか分からなかったが、
恐怖は感じず不思議な温(ぬく)もりを覚えた出来事でした。

現在、わたし(T)も家族も何ら不幸なく平穏(へいおん)に過ごしてます。

                           ~~ END ~~




いかがでしたか?
わたしは、この話をずっと読んでいて、
この運転手の方の、温かい心に、本当に感動しました。

女性が、助手席に乗る段階で、「やっぱり…」と思ったにもかかわらず
女性の「しあわせ」を願って、切々と語りかけ続けたことが
涙なしには読めませんでした…

「思い」というものは、通じるものなのですね…
わたしたちも、亡くなった方たちの「しあわせ」を願って
いつも、心の中で「語りかける」ことが大切なんだなって
改めて、思わせてもらいました☆

皆さんは、どう思われましたか?
このTさんのお嬢さん、生まれ変わった「あの女性」だと思いましたか?
それとも、ただ口を借りただけだと思いましたか?

本当に、心温まる「怖い」お話でしたね(笑)



ほな(笑)…


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