それから、私と彼はたくさん話した。

たまに中間地点であったり、

仲良しメンバーで福岡旅行に行ったり、

急に韓国に行ってみたり。

毎日が充実していた。


アメリカに行って、

色んな価値観に触れて帰ってきた私は、

このまま今の仕事を死ぬまでやることに

違和感を覚えるようになった。


一つだけの仕事で人生を終えるなんて嫌だ!

まだまだ若いうちに、

世界中の色んなものを見てみたい!


そう決めて、引越し、職も変えた。

やりたいことにたくさん挑戦した。

自由な服装と髪型をしてみたい!と思ったら

ショップ店員になって金髪にしたし、

おじいちゃんおばあちゃんが好き!と思えば、

デイサービスで介護の仕事をした。

日本のセミナーにも参加し、

教える側も一生懸命やった。

挑戦して達成することの楽しさを

感じ始めていた。

新しい世界の色んな経験が

楽しくて仕方なかった。


もちろん、挑戦するには失敗もつきもので、

失敗した時には彼に電話し、

泣きついたりもした。


そのうち私は、彼はなぜ挑戦しないのか、

今の生活に満足はしていないのに、

なぜ変えようとしないのだろう?

そんな疑問が浮かんでいた。


何度か話してみたが、

分かってはいるけど、という返事だった。

そのうち、彼には彼のペースがあるのかなと

見守るようになっていた。


私は、何度目かのアメリカのコースから帰ってきて、

落ち着いたら私から連絡するように話していた。

休んでいた分の仕事に追われ、

毎日バタバタしていた。

落ち着いたのが数週間後。




3月の頭。

「やっときたかー!待ってたでー!」

「遅くなってごめんよー。

話したいことたくさんあるよ」

そこからまたたくさん話した。

多分、夜の10時あたりから夜中の2時くらいまで

長電話したと思う。

その間に、彼は今までなら絶対言わないセリフを

自分から口にし始めた。


「俺、このままじゃあかんと思うねん。

おかん連れて大阪に引っ越すわ。

だから、サポートしてほしい」


私はびっくりした!

だって出会ってから今までの4年間、

自分からサポートを頼んで来たことなんて

一度もなかったから。

私がどれだけ伝えても腰が重かったのに!!

ようやく何かを変える決心をしたのか!


それでも私は嬉しかった。

今までサポートしてきてくれたから、

次は私がサポートする番だな!

そんな風に張り切っていた。


それから、彼にセミナーのあるテキストを

完了させたら、私に報告すること。

私は、彼が今のお前にオススメや!と言って

無料の電子漫画を読んだら報告することを約束に

その日は電話をきった。




それが最後の会話になるなんて、

私の頭の中で考えたことなんて

1ミリだってなかったんだ。。。