スリランカの山旅7 紅茶工場見学 | 森中あゆみの「山と薬膳で、ココロとカラダをまるごと養生♩」

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日々のつれづれを発信します。

昨年に引き続き、紅茶工場の見学に行きました。

同じ工場ですが、昨年末にやり手の別会社に買収され、社名が変更されていました。
数週間前に行ったグループの話では、社名もまだ決まっていない(恐らく発表されてい
ないということだと思う)とのことでしたが、既に、新会社名での商品も並んでいました。
紅茶畑の中にあった、ハリウッドにあるのと同じようなMACKWOODSと書かれた看板は

撤去され、杭だけが物寂し気に残されていました。


英国の会社がスリランカの会社に買収された、ということなのであれば、それはそれで

ちょっとうれしい気もするけれど、実際、プレスリリースなどは一切ないみたいで、ネット

にも一部の旅行者の報告のみでしか、知ることができない・・・。


去年までのマックウッズ社は、イギリス人ウィリアムマックウッズ氏が起こした英国の

老舗紅茶ブランド。自社農場で採集した茶葉で商品化するというのが、この会社の

特徴だそう。マックウッズはシングルエステート(1つの農園で採取した茶葉のみで、

複数の農園の茶葉をブレンドしないこと)なので、一つの農園を失うということは、

結構、打撃的なのではないだろうか。しかもヌワラエリアの農園は、マックウッズ社の

顔的な存在であったはず・・・。


はてさて、両社にどんないきさつがあったのだろうか・・・。


紅茶には、製品化されるまでいくつかの行程があります。

茶摘み → 軽量 → 萎凋(半分くらいのかさに乾かす) → 揉捻(揉んで傷つける

ことで酵素発酵させる) → 発酵 → 乾燥 → クリーニング → グレーディング →

袋詰め


工場内には、甘く華やかな紅茶の香りが漂っていて、気持ちが癒される。

スリランカは植民地時代にセイロンと呼ばれていたので、この島で作られる紅茶は

いずれもセイロンティーと呼ばれる。

紀元前のお話。最初の王様になった人は、ライオン(サンスクリット語でシンハ、パーリー語

でシーハ)と人間の間に生まれた子だと伝えられていて、シンハ・ディーパ(ライオンの島)

と呼ばれていたそう。


それが、ポルトガル、オランダ、イギリスと土地が移るごとに、セレンディープ、セイラーン、

セイロンと名を変えられてきた。独立後も英連邦自治領セイロンと呼ばれていたが、
72年の共和制移行に伴い、シンハラ語の「聖なる、輝くランカー島」という意味のスリランカ

として、国名を変えた。ちなみに、島の名称は今もセイロン島である。

恐らくクリーニングやグレーディング前の茶葉。


OP(オレンジペコ)、BOP(ブロークンオレンジペコ)という言葉をよく見聞きするが、これは

紅茶のグレードを表す言葉で、品名ではない。


葉の大きさにより、FOP、OP、P、S、BOP、BOPF、F、Dと分けられ、当然ながら

FOPは葉が大きくて高級、D(ダスト)は細かい茶葉でティーバッグなどに使われたり、

ミルクティーを飲むのに利用される。が、品質を表すものではない。葉が大きいものは

水色が薄く、ストレートティーに向く。短時間で色濃く出る細かい葉は、ティーバッグの

小さな空間でもしっかりと味を出せる。


ショップのお姉さんがしきりに売り込むシルバーチップは、産毛が生えている新芽部分

のみ摘んでできたもの。通常は1枝2葉。発酵させていないので、紅茶というよりは

緑茶に近いのだろうか・・・。ゴールデンチップは、シルバーチップを紅茶液に漬けて

金色に仕上げたものだそう。


昨年行った折にシルバーチップを大枚はたいて買ったけれど、味がないというか・・・、

庶民にはわかりづらい味だった・・・。発酵させてないというからビタミン豊富で、きっと

身体には良いのだと思う。

スリランカにはいくつか世界的に有名な紅茶の産地があるけれど、いずれもインドに

比べると、クセがなくマイルドで飲みやすいといわれている。紅茶の良し悪しを決める

3要素(水色・味・香り)のバランスが良いそうだ。


五大産地として、ヌワラエリア、ウバ、ディンブラ、キャンディー、ルフナがあげられ、

最初の三つは、標高1200m以上の高さで育つハイグロウンティー、キャンディーは

ミディアム、ルフナはローグロウンティーとして、それぞれの特徴がある。以前、山ヨガ

の皆さんで飲んで反応が良かったのはルフナ。渋みが少なく、スモーキーフレーバが

特徴。ヌワラエリヤは、セイロンティーのシャンパンともいわれ、高貴な香りが特徴。


今回もオレンジペコを購入!

工場には、こんなお洒落なティールームが併設されていて、BOPの試飲ができる。

お金を出せばケーキも食べられる。上品なストレートティーに、(恐らく)あま~~い

ケーキ、きっと合うだろうなぁと思うけれど、この旅は過食気味なのでお茶のみ味わう。


BG社の名前が入ったパッケージ。
マックウッズ同様、シングルエステート(いち農園の茶葉のみで作られたもの)。
ラボケリというのは農園がある地名のことで、社名ではない。缶入りでなく箱入りだったのが

ちょっと残念・・・。



昨年買った、マックウッズのオレンジペコ。同じ品質でも、同じ量でも、やっぱり買うなら

重厚感のあるものをお土産にしたいなぁ・・・と、バブルの申し子的発想?!

こちらは、ディルマ社のティーバッグ入りのハチミツ生姜紅茶。

ディルマは庶民感覚で買えるメーカーで、日本でもよく目にする。

もちろん、見学した工場では売ってない。これはヌワラエリアのスーパーでお買い上げ。


これはメスナ社のもの。モンクブレンドってどんなんだろうと、思わずお買い上げ。

一瞬、神秘というか、何かちょっとアングラな見てはならない知ってはならない、そんな

イケないお茶を想像してしまった。お坊さんたちが夜な夜な集まって、人知れずこっそり

飲んでいる、みたいな(笑)!


そっか!日本でも、お茶の歴史にお寺や僧は欠かせない。紅茶の国だってそれは

一緒か~~。モンクブレンド、きっと体によい健康的なスパイスが入っているのだろな!


これは、食事に立ち寄った「TEA CATSLE」というレストランに併設されていた紅茶

ショップでお買い上げ!