お山でヨガ@岩湧山 | 森中あゆみの「山と薬膳で、ココロとカラダをまるごと養生♩」

森中あゆみの「山と薬膳で、ココロとカラダをまるごと養生♩」

「世界の国の人と自然」を愛するヨメが
「岩と雪と氷」を愛したダンナと
日々のつれづれを発信します。

朝晩、めっきり冷え込むようになりました。

木漏れ日に秋の気配を感じる今日この頃です。


今回の「お山でヨガ」は岩湧山。ススキの原で有名なお山です。


小学校の時、真冬の耐寒訓練でブルブル震えながら”登らされた”悪印象のお山です。

5年生の岩湧山、6年生の金剛山、この2つの耐寒訓練で、大阪の小学生は山歩きが

大っ嫌いになります。私たちの年代の子はみんなそうだと思います。


そんな岩湧山の思い出も、今は昔・・・。

中秋の名月も近くなり、ススキや秋のお花と爽やかな風を感じに、滝畑ダムからスタート

です。


アバンティ・クライミングスクール大阪
雑木林をぬける柔らかな日差しに抱かれるよう。

汗もあんまりかかず快適で、自然と足も進みます。


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樹林帯を抜け山頂が近づくと、徐々にススキが目に留まるようになります。

よくよくみたら、カマキリのお母さんが、一生懸命に卵を産んでいました。

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まだ穂が開いていないのですが、それはそれで理路整然と美しい!

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今が最盛期の、ハバヤマボクチ

岩湧山の秋の風情はススキだけではありません。


はばやまぼくち???どこで切ったらよいの?という呪文のような名前ですが、漢字で

書くと、”葉場山(=草刈り場のある山)火口”、と何となく想像がつきます。

火口(ボクチ)とは、火打石を打って散った火花を移しとるもの(火種にするということ?)で、

ハバヤマボクチの葉を乾燥させて綿毛を集めたものを利用したそうです。


この辺りの良質なカヤ(ススキ)は、かやぶき屋根の為に利用されていたそうで、まさしく

葉場山のボクチです。

山頂にある、刈り取ったカヤを運びおろすためのケーブルが、昔の名残をとどめています。

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ススキ一色に見える草原も、よく見てみると、足元には萩やリンドウ、ツルニンジンなど

秋のお花がたくさん見つかります。

中でもこの桔梗は、あでやかに私たちを出迎えてくれました。

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山頂でお弁当タイム!

青空の下で食べるお弁当は、一層美味しいです。

そうでなくても食欲の秋なのに、山に登ってお弁当を食べるって・・・、なんだかとっても

危険な香り~~~。

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お天気もいいし、お腹もいっぱいになったし・・・、

気持ちがいいと自然にポーズも大きくなりますね!


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秋の日の晴天は空気が澄んでいて、景色が本当に素晴らしいです。

この日は、大阪湾を手前に、六甲の山並みや神戸の街もくっきりと見えていました。


眼下に広がる大パノラマにむかって、大きく伸びをすると、カラダの中の滞っているものが

吐く息とともに出て行ってしまうような感じがして、アタマもココロもスッキリです。


軽い足取りで、岩湧寺への道を下ります。


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今日は、登山終了点である岩湧寺の境内でヨガをさせて頂きました。

山と町の境にある山里のお寺は、超日常の生活に戻るのに、ちょうどよいクッション。

ヨガをゆったりと行いながら、町にもどる心の準備を徐々にします。


山歩きをしている私たちにとっての下山地点は、単に登山という行為の終了点です。

ここまでは山、この先は町、という区切りの場所で、終わったという安堵や達成感を

感じつつも、気持ちが町モードに一気に切り替わります。


ところが、山麓でヨガをすると、ちょっと心の持ちようが変わります。

今日一日、楽しかった山歩きを振り返りつつ、その思い出をお腹の深いところに落とし

込みます。そして、再び始まる日常へと心の準備を自然にしている私がいます。

下山した場所でヨガをする時は、その場所が、山から町へ移行するための繋ぎ目の

ような役割をしてくれて、スムーズに日常へ復帰できる感じがするんです。


ヨガの終盤、聡美さんが、「吸って、止めて、吐いて、味わう」という4拍子の呼吸を

誘導してくださいます。

その呼吸をしながら、思い出を落とし込んだり、山歩きで穏やかになった心を感じたり、

再び始まる生活への静かな意欲を呼び覚ましてみたり、と、短い時間ながらもいろんな

作業を自分の中で行っています・・・、と思います。


文章に接続詞があるように、町という日常と山という非日常の間に、里というつなぎ目は

必要で、そのつなぎ目の時間を大切にすることで、ギャップは埋まり、その日一日に

スムーズな流れができます。


「お山でヨガ」を始めて2年半、この組み合わせを思いついた自分に、大きなご褒美を

あげたいほど、山とヨガは素晴らしいコンビネーションのように思います。

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ヨガのあと、散り初めの秋海棠を愛でました。

朝からずっと半袖でしたが、秋の夕暮は肌寒く、長袖のジャケットを着て、タクシーを

待ちました。