4.シャロットの女・詩人の魂-2 

やがて1枚目のタピストリーを織り終えようとしていた頃、天から舞い降りて来る「詩人の魂」がプツリと途絶え、暗黒がシャロットを襲った。輝きの消えたシャロットの頭、胸、腰は痛み、背骨は上から下まで激痛が走り、咳痰で呼吸は苦しく夜は熟睡できず、食事も喉を通らず、目は窪み頬はこけ、あまりの苦しみに聖書を投げ捨て神を呪った。

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「エリ、エリ、レマ、サバクタニ。」
主よ 主よ どうして私をお見捨てになるのですか
地上の栄光を捨て、あなたへ続く道を選び
天の花婿と結婚するために、地上の結婚をすて
どのような迫害、ののしりにも耐え
歩き続けたこの足を、なぜ折るのですか
胸には槍、頭には棘の冠
骨は粉々に砕け
私はもう立ち上がれません

この世は不正に満ち
正しい者が虐げられ悪が栄える
物欲の奴隷が富
神の奴隷が嘲笑われる

死ぬより辛い戦いで
私はもう立ち上がれません
どうして私を殺さないのですか
私が間違っているなら殺して下さい
私はあなたと議論したい

こうして1年が過ぎようとしていたある日、ガツンとハンマーで殴られたような衝撃と同時に天から声が聞えた。「シャロットあなたは神の人ヨブ(旧約聖書ヨブ記)を知っているか、ヨブは全財産を失っても、家族を失っても信仰を捨てなかった。しかし自分の身体に災いが生じ、病に苦しむと神を呪い神と対決した。」

その瞬間聖書のヨブ記が走馬灯のように頭を駆け巡り、心臓が凍り付いた。
「私はヨブと同じようように苦しみ、同じように神を呪い対決していたんだわ。
天へ昇る階段には関所があり、必ずそこを通らなければ上の次元の扉は開かれない。この苦しみもこの悲しみもそこへ至るための試練だったのね。」

「シャロットあなたは正しい、正しい者は聖書を読むのでも学ぶのでもない、聖書を生き、聖書を体験するのだ。宗教には大衆的宗教と神に選ばれた者にしか理解できない奥義があり、あなたは奥義の道を選択した。」

「私がいつ奥義の道を選択したのですか。」 

「故郷の村ウルで私はあなたの心の扉を叩き、あなたはそれに応え故郷を捨て”見返り橋を渡った。私はすべての人の扉を叩いている、しかしそれを聴く者は稀なのだ。」

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「狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道も広々として、そこから入る者が多い。しかし、命に通じる門はなんと狭く、その道も細いことか。それを見いだす者は少ない。」 「偽預言者を警戒しなさい。彼らは羊の皮を身にまとってあなたがたのところに来るが、その内側は貪欲な狼である。」(マタイによる福音書 / 7章 13~15節) と書いてあるわ。
入り口はここ自分の心の中にしかないの、みんな平等にその扉から入る権利が与えられているのに、狭い門から入る人は稀なのよ。」

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「シャロットあなたは正しかったのだ、ところであなたが知りたかった人生の秘密、宇宙の謎、人類の平和は理解できたかね。」

「いいえまだ解りません、どうしたら理解できるのですか。」

「ここで10年間学んだことは”密議の神殿”の基礎知識なのだ、この基礎がなければ次のステップへは進めないんだよ。さあ新しい旅が始まる、立ち上がるんだシャロット」。

これを最後に天からの言葉は途絶え再び暗黒の世界へ戻った。しかしシャロットの心と身体には一条の光が差し健康は回復していった。


5・シャロットの女・密議の神殿(工事中)へ続く