3.シャロットの女詩人の魂-1

シャロットは来る日も、来る日も織り続け、10年で1枚、30年で3枚の絵物語を織り、30年経ったにも係わらず、その姿は若い頃と同じ輝きを放っていた。3枚目を織り終えようとし、膝の上には3個の円があった。それは彼女の30年間の総決算で、左から1個目には「詩人の魂」、2個目には「密議の神殿」、3個目には日常生活で体験した「試練」が織ってあった。

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シャロットが詩を書き始めたのは30年前、生まれ故郷のウルを後に「見返り橋」を渡り、昼夜も解らぬ暗い森で迷った時、かすかな一条の光に導かれ、手探りでようやく辿り着いたこの家。倒れ込むようにドアを叩き、押したが開かず、引いたとたん満天の星が降り注ぎ、その星の一つが額に突き刺さった。

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それ以来、目に見えない「心」が見えるようになり、耳に聞えない「神の言葉」が聞えるようになった。「詩人の魂」が降りてくると、詩を書かずにはいられなくなり、「詩人の魂」を言葉に変えた。それらはすべて神からの贈り物であったから、それを名声や金儲け、それから職業にはしないと神に誓った。

ああ、主よ
私に、あなたの光を降り注いでください
全身全霊をあなたに捧げます

結婚もせず、自由の身を守り
あなたが命ずるなら、この世の果てまで
たとえ死の谷を渡ろうとも進みます

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こうして10年で1枚、「詩人の魂」を織った。
10年間機を織りながら、詩を書き聖書を読んだ。「詩人の魂」は聖書を開いた時にも降りて来て聖書解釈を手伝った。それは故郷の教会で教わった解釈とはまったくかけ離れ、むしろ優れた文学や芸術に共感できる世界だった。

「だって、変でしょう、神様は真理で唯一のお方、全世界、全宇宙で一人なのよ。それなのにどうしてこんなに沢山の宗教があり、自分の宗教だけが正しいと言っているの。私が信じるのは自然界のどこにでもいる神様、植物にも動物にも、そして人間の心の中にもいて、いつも天から見守ってくれているんだわ。私の心の中にもいて、直接お話できるのに、教会へ頼ったら自由で唯一の神様が逃げてしまうのよ。」こうしてシャロットは村に住んでいた時、教会へは行かず森の花や小鳥、小川のせせらぎ、風の音、夜は星と遊んでいた。

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”詩人の魂”は言う「お前は自分の信じる道を歩いたから、ここまで辿り着いた。もっと深く自分を知りたいなら、聖書と文芸を学ばなければだめだよ。」
「ええ、この家に辿り着き、扉を開け満天の星に打たれたとき、聖書と文芸を学ぶと誓ったの、でもどうやって学べばいいのか解らない。」

「ここには大きな書庫があり、お前が学びたいことは全てそろっている、解らないことがあったら自分の”心の扉”を叩きなさい、私が教えてあげる。自分を知ることが神を知ること、入り口はここしかないんだよ。」こうしてシャロットは機織りをしながら、聖書と文芸を10年間学んだ。    

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 4.シャロットの女②詩人の魂-2へ続く