『そして友よ、静かに死ね』映画鑑賞。1970年代、フランス。実在のギャング、モモンとセルジュの友情と裏切りを実話に基づいて描いたフィルムノワール。かつてギャングの首領として一時代を築いたモモン。今は静かな日々を送っている。そんなある日、かつて共に強盗をしていた親友であり幼馴染みのセルジュが、13年間の逃亡の末に逮捕されたことを知る。妻と子との平穏な日々を守ることを考え、セルジュには関わらないと一時は判断したモモンだったが、幼い頃に自分を助けてくれたセルジュとの思い出が頭をよぎる。逡巡の末、セルジュを救いだすことを決意したモモンは、再び危険な世界へと足を踏み入れることになるのだが。過去と現在のシークエンスが交互に映し出され、主人公モモンとセルジュの関係が少しずつ明らかにされていき、モモンとセルジュだけではなく、複数の登場人物の思いや関係が赤裸々につづられていく。そして思いも寄らぬ意外なラスト。緊迫感とどこか哀しみに溢れたフィルムノワールの秀作。お薦め。