『アナザー』映画鑑賞。フランス、パリ。主人公は秘書である。どこか垢抜けなく、自分の外見にやや不全感を抱いている。ある日、社長から「スイスに出張するが、別の秘書が書いた資料の文章がひどく、数日以内に書き直して欲しい」と言われる。時間的にあまり余裕がないため主人公は社長の家に泊まり込んで書き直しをすることになる。主人公は独身。社長は妻と娘が一人いる。出張当日、社長は「自分と妻と娘を空港まで送って欲しい」という。そして、送った後は車を自宅に戻してほしい、とも。車は空港に置いて行けるし、自宅に車を返す必要はないのに、と思いながらも社長の言うとおりにする。空港まで送った後、主人公は社長宅に戻るまでにドライブをしようと、まっすぐに社長の家には帰らなかった。束の間の自由を満喫する主人公だが、次第に奇妙なことが周りで次々と起こり始める。中盤はかなりミステリアスな展開となり、主人公とともに観客も翻弄されることになる。終盤は全ての真相がきちんと論理的に解決されることになる。いくつかのシークエンスで謎の出来事がおこるが、後半ではすっきり解決。破綻なくとてもよくできた脚本には実に感心した。ミステリー映画の秀作。お薦め。
