『異人たちの棲む館』映画鑑賞 | うさぎくんのお薦め映画ブログ

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『異人たちの棲む館』映画鑑賞。役者志望の男は古臭いが広いアパートで独り暮らしを始めた。性的なアイデンティティに少し悩んでいる。夜はパン作りの仕事をし、日中はオーディションを受ける日々である。そんなある日、アパートに古めかしい姿格好の数人の「住人」がいることに気づく。主人公にしか姿は見えない。彼らはアポロニア劇団という数十年前に存在した劇団員だとわかるが、自分達が死んでいるとは夢にも思わず、後半になってわかるある理由からこの部屋から出ていくこともできない。ユーモラスな前半から、劇団に関する意外な事実が判明する後半。過去と現在、虚構と現実が交錯する、素晴らしくよくできた脚本。コメディかと油断していると、予想外に重く深いテーマ、そして粋なラストと余韻に満ちたエンドロールに思わず涙が出た。素晴らしい作品。お薦め。