『オテサーネク 妄想の子供』映画鑑賞 | うさぎくんのお薦め映画ブログ

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『オテサーネク 妄想の子供』映画鑑賞。主人公夫妻は子供が欲しいが、不妊に悩んでいる。夫婦で婦人科に通うが検査結果は思わしくないようである。そんなある日、別荘に遊びに行き庭に生えている木を切る主人公。切り株が赤ん坊によく似ており、それを妻に見せると妻は本当の赤ん坊と思いこみ、自分たちの子として育てることにする(どう見てもただの木の切り株なのだが)。近所の人には妊娠したと嘘をつき、月に応じてお腹の大きさが大きくなるようにひと月ごとに大きさの違うお腹にいれるクッションを作るほどの凝りようである。いつまでもこんなことが続けられるはずはない、いざ産まれる月が来たらどうするのか、と夫は気が気じゃない。そしてついに「産まれる」月が来てしまう。病院に行って出産したふりをするが、妻は本当に自分が妊娠し出産したと心から思っており、赤ん坊(いや、切り株なんだけど)に乳を与えているうちに、その赤ん坊が実際に動き出し、まるで赤ん坊のように動き出す。それからというもの、驚嘆すべき日々を送ることになる夫妻なのだが。シュールでちょっと気味が悪いが、どこかファンタジックでおかしみのある独特の作品である。監督はチェコ人のヤン・シュヴァンクマイエル。この作品に限らずいつもこの監督はこんな感じの映画を撮るが、私はこの監督が非常に好きなので、この作品もかなり好きである。かなり好き嫌いが別れそうなので、誰にでもお薦めではないが、ちょっと変わった映画が観てみたいという人にはお薦め。