『セッション』映画鑑賞 | うさぎくんのお薦め映画ブログ

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『セッション』映画鑑賞。主人公は19歳。全米屈指の音楽院の1年生である。楽器はドラム。学校には口汚く遠慮無く学生たちを罵る鬼教授がいる。その教授が来ただけで学生たちは緊張し、目も合わせられないほどだ。主人公はその教授に声を掛けられ教授のビッグバンドに入ることになる。教授が優しいと思い、そんな教授に声を掛けられたことを誇らしく思ったのは初めだけ。その後は歯に衣着せぬ言葉で面罵され、時には暴力を振るわれたり、椅子を投げつけられたりと、地獄のような凄まじい特訓が続くこととなる。破裂せんばかりの緊張感が中盤まで漲っているが、鬼気迫る主人公と鬼教授の演技が素晴らしく、もはや狂気の域に達しているかと思うほどである。後半である出来事が起こり二人の人生はこれまでとは変わるが、ジャズクラブでの二人の会話の中で鬼教授が静かに語る言葉は実に含蓄がある。中盤までの教授の鬼のような演技とそれに食らいつく主人公の演技ばかりが取り沙汰されるが、実は後半がこの映画の白眉である。ラスト十数分の展開は一瞬意表を突かれるが、なるほどそういうことかと直ぐに合点がいく。エンドロールも含めいつまでも観ていたい(聴いていたい)、そんな気にさせる映画である。お薦め。