『ぼくらの家路』映画鑑賞 | うさぎくんのお薦め映画ブログ

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『ぼくらの家路』映画鑑賞。主人公は小学生。母と幼い弟との3人暮らし。しかし、母は男遊びに夢中で、二人の養育などろくにしない。ネグレクトだ。幼い弟を朝起こしたり、自分と弟の朝食を準備したりすることから始まり、弟の世話や家の家事をするのはすべて、主人公だ。そんなある日、主人公が目を一瞬離した隙に弟が風呂場で大火傷を負ってしまう。母親は不在。この事故のため児童福祉局の判断で、弟は母親のもとに置かれ、主人公は児童養護施設に入所させられることになる。入所した施設には馴染めず、週末に家に帰る日を心待ちにしていた主人公。しかし、あることが起こり、主人公は思いも寄らぬ行動に出てしまうのだが。子育て、家族の紐帯、母子家庭、偽成熟、過剰適応、ネグレクトを含めた児童虐待、など様々なことが頭をよぎる。寡黙で多くは語らないが、健気な主人公の思いは切ないほど我々の心の深いところに届いてくる。決して派手ではない心が痛くなるような映画だが、しみじみと胸に沁み入る良質な作品である。唐突なラストも印象的。お薦め。