『さまよう魂たち』映画鑑賞 | うさぎくんのお薦め映画ブログ

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『さまよう魂たち』映画鑑賞。ある町で30人以上もの人が心臓発作で連続死する。原因は不明。主人公は地上を彷徨う霊と話ができるだけでなく、触れることもでき、コミュニケーションをとることで霊の行動を操作することもできる。そんな霊たちと手を組み、主人公は「心霊調査官」という胡散臭い肩書で商売をしている。霊たちにポルターガイスト現象などの超常現象を起こさせ、やおらその家に主人公が向かい、適当なことをやって霊による仕業を解決したとして「客」から金をもらうという商売である。その町には27年前に12人を殺害した大量殺人鬼がいた。すでに死刑になっているが、当時15歳であったその恋人が偏狭な母親とともに暮らしている。そんなある日、主人公が仕掛けていないのに町に超常現象が発生、これを皮切りに、不可解な殺人事件や奇妙な現象が多発することになる。真相を追う主人公だが、そのために自身と恋人の命まで危うくなってしまう。ホラーとコメディーのバランスが良く、ホラー嫌いでも問題なく楽しく観ることができる。

それにしても、人物の造型や状況設定、脚本の巧さと緻密さには実に感心した。調べてみたら、この映画の監督と脚本家コンビは『ブレインデッド』や『乙女の祈り』のコンビと知って納得。前者は超絶血飛沫スプラッターホラーの金字塔、後者は思春期特有の同性愛的傾向を持つ対照的な二人の関係の悲劇を実に丁寧に描いた作品。『さまよう魂たち』は映画作りに長けた製作陣の意気込みの伝わる作品である。お薦め。