『失恋文庫』
半年かけて、次は別れずに済むんじゃないかと読み返しては打ちひしがれる日々。
失恋オムニバスで、最初の2編はオーソドックスなそれ。
その他百合やら幼馴染+姉(拗らせ姉→妹)の三角関係やら手紙ものやら、バリエーション豊か。
特に一本目の「灰色青春は傷つかない」が出色。
あの一瞬さえなければという気持ちの波長のズレが、長く続いていた関係を、そしてその消えない残滓を規定する。そんな元バスケ部青年と幼馴染マネージャーと、巻き込まれたバスケサークルの女先輩。
青春は、「いたみ」なしでは過ごせないけれど。
傷つくのは誰だ。