皆さまこんにちはautrose930です
お読みいただいてありがとうございます
「悪の花」とうとう今週は最終回ですね
あっという間ですね
本当にアトラクティブなドラマです
イ・ジュンギさんの主演で
このようなドラマに出会えてよかった
神回11話を語らせていただきます
宜しければどうぞ
ネタバレあります
最終回は別格として、このドラマの中で神回というものを選ぶとしたら、おそらく、多くの方がこの第11話を選ばれることだろう。
それは、主役二人の切羽詰まった感情の表出が見事であり、今まで二人の間にあった摺りガラスのようなものが取り払われ、初めて、二人が真正面から向き合う回であるからだ。
そして、ヒョンスは、初めて「ある感情」を認識するのである。
ウナの誕生
2015年ウナの誕生の場面から始まる
考えてみたら可愛いウナは、今回はリアルでの登場はない。この赤ちゃんウナのところだけ。
母親のジウォンは頼りなげな我が子に、切ないほどの愛情を表現する。
誰しも最初から「親」になっているわけではないけれど、母性が育まれているジウォンに対し、ヒョンスは、妻がなぜ泣くのかも分からないのである。
『心配だ…この子が俺を好きになってくれなかったら、と思って』
『そんなことあるわけないじゃない、アッパなんだから。』
ジウォンは、新米パパのヒョンスをぱちんと叩くような動作をするが、ヒョンスの表情は強張ったままであり、自分たちの生活に新たに舞い込んできた「存在」をこわごわと観察する。
そのうち、赤ちゃんウナが泣き出した。
『なぜ泣くんだ?』
またしてもヒョンスが質問する。
ジウォンは、『悲しかったり、不安だったり、怒ったり(だったかな?)、いろんな感情の現われとして泣いているのでしょう』と上手に返答している。
過去の二人の思い出は幸せなものがほとんどである。この誕生のシーンも黄色の色調が全体を取り巻く、温かみのあるものだ。
この回はリアル部分が素晴らしいから、この過去パートは良いシーンであるけれど、その意味について深くは考えていなかった。
今回書きながら、ああそういうことだったのかな、と思い至ったようでもあり…最後の方に書きますね。
警察の動き その1
『お前はすべてを知っていて我々をだましていた』
チームの面前で詰め寄るジェソプに、ジウォンは反論のしようがない。
屋上での二人だけの話し合い。
ジェソプは、ジウォンが、夫がト・ヒョンスであることを知らずにいたことにして、捜査から身を引くよう促す。
そして、さすが年季の入った刑事、成り代わられたペク・ヒソンはどうなっているか考えてみろ、と彼女を諭す。
確かに、ジウォンが、この点についてどう考えていたかはドラマで表現されていない。
考える余裕がなかったのか、怖くてそこまで踏み込んで考えていなかったのか。
ただ、ペク・ヒソンの両親の冷たい振る舞いからすると、彼らもひとクセありそうで、身代わりに請われたのはヒョンスの方だろうと確信していたのかもしれない。
土下座して泣き崩れるジウォン
しかし…『私の仕事だから』
彼女は、ジェソプの思惑に反して、気丈な表情でチームに戻って来る。
チェリム洞の取引
ムジンは記者とはいえ、今回は結構危ない役を買って出ている、負わされていると言うか。
彼はヒョンスを連続殺人の容疑者としてスクープを上げたけれど、ヘスの自治会長事件の告白や、彼女の弟に対する思いを聞き、また、彼自身、成人したヒョンスとの付き合いで、この頃には疑心は持っていないことと思う。
『自分が連絡できなかった時のために』
ヒョンスはムジンに通信機を手渡す。
彼は、ボディーチェックの後に、発信機のスウィッチを入れるという周到さ。
このような犯罪がらみの知恵をいつ獲得したものか。
ヒョンスは、マヌからもらった一億ウォンをサンチョルに手渡し、人身売買の引き渡し場所を、これまた用意周到に読み上げる。
それを、ムジンが警察に伝え、ジウォンのチームは被害者たちの救出と一味逮捕へと動き出す。
連続殺人の容疑者の写真がヒョンスの手に渡されかけたとき、ある人物からサンチョルに電話が入る。
黒幕であったマヌとヘスの訪問
電話の主はマヌ。
マヌは、サンチョルに目の前にいる男(ヒョンス)を消せと命じる。警察と内通しているし、彼の2倍の金額を支払うと言って。
マヌは、サンチョルと、以前から取引関係にあったことが分かる。
また、連続殺人事件の真の容疑者が知れることを阻もうとしているのだから、その人物はマヌに近い人物であり、連続殺人事件に何らかの形でマヌが関わっていた可能性も出て来たわけである。
ペク・ヒソンは、車で轢いた人物、そして自分に成り代わっている人物がト・ヒョンスであることを知り、ヒョンスに非常な警戒感をあらわにする(殺害の指示を出した、とマヌが納めたのだったかな)。
そんな折、彼らにとって思わぬ展開、ヘスがマヌ宅を訪問するのである。
ヘスはジウォンと同年齢だが、頭脳派のジウォンと異なり、ひたすら純真であり、人を疑うということがない。弟ヒョンスに息子さんの場所を与えていただきまして、とペク夫妻に礼を述べる。
彼女は、父親の葬儀に現れた人物が連続殺人の共犯と思われること、その人物の特徴をつぶさに伝える。
左手の爪のくだりに差し掛かるところ、絶妙なタイミングで、バックヤードのヒソンが目をギョロリとさせながら爪を噛み始める。
緑のシリコンバンドの検索画面で、バンドを付けてにっこり笑うヒソンの画像があったから、的は絞られていたかもしれないが、悪の実体化というインパクトあるシーンである。
ヒョンスの姉の口から、ヒソンの特徴が語られたことで、マヌは爪を噛む息子を殴ってしまう。止めに入ったミジャの言葉から、このようなことが少年期に繰り返されていたのでは…ヒソン自身の病理性や養育の難しさがあったことを窺わせる。
警察の動き その2
ムジンの連絡により、人身売買被害者の救出が開始される。
組織の猛者たちにウチョル班長の警棒?がさく裂、防犯チョッキを着ているせいか逞しく見える。
例のバーテンダーが逃げ出すが、ジェソプとジウォンが追走(やはりジウォンの足は速い)。この二人は先輩後輩の仲であるが、お互いを同志として思いやる様子がある。
また、ウチョル班長は、ジウォンの行動に不可解なものを感じているが、彼女への信頼ゆえか(あるいは何かそこはかとない感情があるのかも?)、敢えて見守る姿勢を見せている。
ホジュンがトラックの扉を開けると、そこにはインソがいた。
彼は、家に帰りたいと微笑む。
何となく、少なくともこの回だけは、幸福な結末になりそうな予感がするのだが…
取引現場に現れた妻
マヌの電話によって、ヒョンスは、容疑者の写真を手にするのを阻まれた。
ムジンは、取引が決裂し、ヒョンスの身が危険にさらされていることを無線で知る。彼はヒョンスを救出すべく現場に向かい、消火器をチェ・ホンマン(昔の韓国の格闘家)風の舎弟に発射。
結構な効果があったのだが、残念ながら致命傷とはならない。
その後、ムジンにとってかなり過酷な数分間が始まる。ムジンの危機があったとは、初回放送のときは、ダイジェストしか見てなかったので全く知らず。
舎弟から逃げる彼は、果敢にも車の下でインスタライブ(でよろしいでしょうか)を繰り広げる。
それがなかなか機能して多くの人が反応しているから、きっと通報に至ってくれるはず。警察が来るまで頑張って、ムジン、という思い。
人身売買現場の雲行きが怪しいのを察知したのか、事務所では、サンチョルが金品をまとめて逃亡する構え。取引を思いとどまらせた人物(マヌ)に関するやり取りがあり、これをヒントに、以後、ヒョンスは行動を起こすことになる。
サンチョルが、室内に灯油をまき、ライターの火を落とそうとした瞬間、彼に銃口を突き付けて現れたのは、誰あろう、妻ジウォンであった。
手錠をかける一瞬のすきを突かれ、ジウォンは敵の逆襲に遭う。ヒョンスは結わえられていたドアの取っ手を引きちぎり、狂ったようにサンチョルに襲いかかる。ちょっと怖かった場面。
約束の10時、ジウォンが電話をかけて来たのはト・ヒョンスの携帯だった。あの時、腕時計を見たヒョンスが何か考えたのでは、と思ったけれど、この時のヒョンスの様子から、ジウォンの登場は全くの予想外だったようだ。
ヒョンスは『ジウォン、お前…』くらいしか言葉を発せない。
いったい、いつから、どうやって彼女は知っていたのか、どこまで知っているのか、彼の頭の中は混乱している。
チェ刑事が夫の真実を知ってしまった以上、ジウォンは夫を逃がすしか手段がなくなってしまったのである。愛する人の命を守るためにできる唯一のこと。
『家に帰ってはだめ。』
『できるだけ遠くに逃げて!』
『私の見つけられないところへ…』
自分の発した言葉にジウォンの顔がゆがむ。
『二度と現れないで…逃げるのは得意でしょう?』恨めしい皮肉が混じってしまう。
『カラゴ!』
妻の怒号にも似た叫びに気圧され、ヒョンスは肩を落とし部屋を出て行く。
壁をはさんだ二人、あっという間の別れ。
強い言葉で夫を追いやった妻の頬に涙が伝う。
最近のジウォンの不可解な言動が、ヒョンスの脳裏に浮かぶ。
胸の苦しみそのままに、彼の頬には絞り出すように涙が伝っていく。
自分にとって一番大切な人との別れの局面…そこで、初めて、彼の感情のリミッターが外れたということか。彼が最後に泣いたのはいつのことだったのだろう。
彼は、ハンドルを切り車を止める。
『このままでは別れられない』
そこには、さっき、『感情が分からない』と冷静に淡々と言った男の顔はない。
タクシーが滑るようにやって来て、彼の車の前にぴたりと止まる。
ジウォンはGPSでヒョンスを追ってきた。
夫の車はひとところに留まったまま…
なぜ逃げてくれないの?
私にどうしろというの?
『全て知っていたのに…なぜ(俺を逃がす)?理解できない。』
『本当に分からない?』
貴方を愛しているからに決まっているでしょう?
『俺は君を苦しめた』
君を欺いてきた。君には憎しみの気持ちしかないはずじゃないか
『こうするしかなかった…こうするしかなかったの』
『家に帰りたい、ジウォナ』
取引がこのような結末を迎えようとは、思いもよらぬことだった。ヒョンスはペク・ヒソンとして生きることに執着していたのだが、それよりももっと大切なものがあったことを知ったのである。
そして、ジウォンも…
ト・ヒョンスを逃がして彼を葬り去ってしまうのではなく、過去と現在のト・ヒョンスに向き合い、一緒に歩むことを選択したのである。たとえ、それが、どんなに困難なものであろうとも。
チプにて
二人は幸せの象徴である「ウリチプ」へ
ヒソンとして家を後にしたのに、過去の事件の容疑者であり、反社会性精神障害のト・ヒョンスとして帰って来た。
玄関に入って呆然とたたずむ彼の目に、この家はどのように映ったのだろう。そんな気持ちを察したように、ジウォンが彼をいたわるように包み込む。
お互いを求め渇望するようなキスシーンは、この夜限りのものになるかもしれず、二人の思いのたけが十二分に表現されていて圧巻。
此処で思いがけず、過去のシーンが挿入される。
ヒョンスの昔語り、彼の記憶の始まりという、10歳のヒョンスと父ミンソク。
これ以前の記憶が消されてしまったのは何故か、誰か崖の向こうに行ってしまった人物がいるのだろうか、ヒョンスの母が失踪したのは何時なのか。
そして、何故、ヒョンスは失踪した母を捜さないのだろう。様々な思いが漂うが…
ジウォンは、ヒョンスが妻に愛情を感じていないと言った日のことを語る。
ヒョンスは、彼女に耐え切れない思いをさせたことに、たまらず涙を流す。
『なぜ泣くの?』
ここで思い当たったのが、冒頭のウナの誕生シーンである。
泣き出したウナに『どうして泣くんだ?』ヒョンスの言ったセリフが甦る。
ウナが泣いている理由は、眠たいのかもしれない、おむつを取り替えてほしいのかもしれない、おっぱいが欲しいのかも…もしかしたら寂しくてママに抱っこしてほしいのかもしれない。
ウナには赤ちゃんなりの感情があるだろうけれど、果たしてそれを彼女が認識しているだろうか。
否である。
赤ちゃんの彼女の感情は、周りの大人が察して初めて具体化されるものである。
ヒョンスがたとえ愛という感情を認識しなくても、それが愛情でさえあれば、相手にそれは愛として伝わっているということを、ジウォンは言っているのだと思う。
赤ちゃんウナのシーンは、ここで生きてくるのだなあと、今回、鈍感autroseは思い至った次第…
初回放送のとき、やはりこの第11話は印象的なので書かせていただき、タイトルは大人っぽく『その感情を愛と言えるまで』にしたのですけれど
今回はウナのシーンも生かして『なぜ泣くの?』にしてみたのです。
今回字幕になって、ヒョンスが受験勉強のジウォンを図書館前で待っていたこと、ジウォンが父を亡くしたとき彼が料理を習って彼女を元気づけたこと、彼女と出会うまで交通事故のほかに2回も死にかけたことなど、いろいろ語っていたことが分かりました。
『君は俺よりもっと変な人で、君との出会いは俺の人生で最も説明のつかないことだ』
自分自身とその人生が受け入れられたことに安堵したヒョンス。
つかの間の深い眠りは、おそらく今までになく心地の良いものであったのでは。
翌朝の彼はすっきりと目覚め、ジウォンと二人、手を握って
ト・ヒョンスを逮捕すべくやって来たジェソプと対峙する。
おぼえ書き「悪の花」
11話インパクト強すぎて12話は?
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