皆さまドキドキこんにちはautrose930ですピンク薔薇

お読みいただいてありがとうございますラブラブ

 

夜中に失礼いたします

「月の恋人 歩歩驚心 麗」二次小説です

今日も高麗の雰囲気に

浸れれば良いなと思います照れ

 

ドラマの狭間にお邪魔してる感じなので

ドラマに戻るときは

どうぞリセットしていただきますようにベル

 

 

 

 ワン・ソは、スと心を通わせてから、夜半時、茶美園をちょくちょく訪れるようになった。

 

以前のように、狼の鳴き声を真似して彼女を呼び出すという、やや子供じみたやり方ではなく、茶を所望するという名目で正々堂々と訪れるようになった。

 

「こんな時刻にいらっしゃらないでください。他の女官たちに面目がありませぬ。また、明日、明るいうちにお出ましを。」

 

上級女官や年季の入った下級女官の前では、最高尚宮のスは、ツンと取り澄まして、ソにすげない言葉をかけるしかなかった。

チェリョンだけなら、正直に振舞えるからよいのだが…彼女は、皇帝の入浴剤の調合のため、この時間帯は別室に居ることが多い。

 

「ヘ尚宮様、よろしいではありませぬか。第4皇子様は、貴方様のお茶を飲んで、一日のお疲れを取って気分転換なさりたいのでしょう。」

スが茶美園に入ってからの同僚で、上級女官として補佐をする立場のミン・ヨリは、二人の仲を重々承知であり、とりなすようにしてスに言った。

 

「ま、そう言うことならば、いたし方ありませぬ。私は、困っているお方をそのままにしておくことができぬ性分ですから。ヨリ、申し訳ないけれど、小さめに作った油蜜菓(ユミルグァ)を持ってきてくれないかしら?」

ユミルグァはソの好物の菓子であり、スは、ソが夜半に訪れたときのために、腹にもたれぬよう、あえて小さい形の菓子を作っておいてあったのである。

 

 

やれやれ、ヘ・スったら、さっぱりした性格のはずなのに、こと第4皇子様のこととなると、毎度取り繕ったような態度を取るのだから、面倒くさいこと。

 

「承知いたしました。ただいま、“第4皇子様用”の菓子器からお持ちいたします。」

 

ヨリは、愛想の良い笑みを浮かべ、小さく会釈をして二人の前から立ち去った。

 

 

 

 

「くくく、スや、そなた、私が来るのを心待ちにしているのだな?」

「まさか、そのようなことはございませぬ。作り置きしてあるのは、いらした時にあたふたせぬよう、合理的な配慮に基づくもの。私は忙しい人間なのですよ。ええと、踏み台は何処かしら?」

 

ワン・ソの好む脳原(ネウォン)茶は、他の王族用に使われないようにするため、あえて棚の上の段においてあった。

 

肝心の踏み台が見当たらず、スは仕方なく、片手を台につき、試みにせいぜい飛び上がってみたが、もう片方の手は茶の(かめ)にかすりもしなかった。おまけに、着地した時、古傷をかかえる左ひざがガクッとなった。

 

 

 

13話からお借りしました

 

 

「危ないではないか。どれだ?取ってやる。」

「よいのです。」

 

今夜のスは少々頑固であった。

さっき、ヨリに“皇子様用”などと言われて、格好がつかない思いもあったのかもしれない。

 

「ならば…自分で探せ…よ・い・しょ・っと。」

「き、きゃあ。」

 

ワン・ソが、突然、スの腰を持ち上げ、彼の肩あたりで支えるようにしたので、スの視界は、たちまちに棚の茶を見下すほどになった。

ネウォン茶はすぐ見つかった。

 

 

スを無事に器用に着地させると、ソは、彼女にぐっと顔を近づけ、

「ああ、重かった。」

ニヤリと笑って言うと、さっさと、いつも茶を供される机の方に行ってしまった。

 

 

 

「お菓子にございます。」

ヨリが、ユミルグァが品よく盛られた柄付きの高皿を、ソの前に静かに置いた。

 

「すまぬ…ところで、スは、最高尚宮として務まっているか?」

「はい。皆、とても頼りにしております。最高尚宮になられて丸2年立ちましたゆえ、風格もおありになります。」

「ふん、そうなのか。」

ヨリは、ソに丁寧に辞儀をすると、気を利かせて、下級女官を全て引き連れて退出した。

 

 

 

 

「陛下のお加減はいかがでしたか?」

 

スは、ごく薄い蒼色の茶碗に静かに茶を注いだ。

これもまた、ワン・ソ用である。

秋も深まっている時期なので、茶は少し熱めに煎れてある。

 

「今日は比較的落ち着いて入眠された。途中で目が覚めると混乱されることもあり、医員たちは夜間も気が抜けない。」

「そうですか。陛下は、以前から肌は弱かったですが、その他は強靭な御体の方でしたのに、なぜあのように…」

 

皇帝は、心の病なのか幻影を見ることがあり、以前、女官を刺客と見紛って斬りつけたことがある。それ以降、ソかウクのどちらかが、皇帝が寝付くまで傍らで見守っているのだが、最近は、皇帝は、信頼するワン・ソを傍に置くことが多くなった。

 

 

14話からお借りしました

 

ソにとっても、大らかで体が強く優しみのある長兄が、変わり果ててゆく様は見るに忍びなく、また、今後、自らに多大な責任が降りかかってくるのではないかという、別の不安もあった。

 

皇帝は、ソに禅位すると宣言したことがあったからである。

 

 

やっぱり素敵ですね

 

 

 

 

うす暗い夜半の茶美園

其処だけに、ぽおっと柔らかな行灯の灯が照らしている。

 

優しい黄金(こがね)色の光の中にいるスの小さな愛くるしい姿は、温かな茶と共に、ワン・ソの心の緊張を解き、また新たに、彼の心に別の緊張を与えている。

 

本当は、このように向かい合って座るのではなく、もっと近くに寄り添っていたいのだが、どうせ、スは、そのようなことは規律を乱すからダメ、と言うだろう。

 

 

「お前は、今日、何をしていたのだ?日中、茶美園に顔を出したが、姿が見えなかった。」

「教房に行っていたのです。今年の八関会(パルグァンフェ)をどのようにすべきかと、あちらの尚宮と話し合って参りました。」

「パルグァンフェは対外的な体面があるゆえ、催さないわけには行かぬ。陛下の体調が良ければ、できれば始まりだけでもご臨席していただきたいものだ。」

「全体を縮小して執り行うようにと、内殿からのお達しです。教房の出し物の舞も少ないですし、茶菓や酒類、お料理も、品数は限定しようと思っています…お菓子もどうぞ、皇子様。」

 

スは、ソの茶碗に茶を注ぎ足した後、菓子の皿をソの手元近くに寄せた。

 

二人の手が微かに触れてしまったので、二人は、一瞬、顔を見合わせ、そのまま固まってしまったようになった。

 

ソは咳払いをして視線をそらし、すすめられるままに小さな菓子を口に運んだ。甘い菓子はまたたく間に溶けていった。

 

「二年前のご即位で恩赦をしたばかり、年上の妓生たちが出宮してしまって、上手な舞を披露する者がいなくて困っていると、教房の尚宮が嘆いていました。ウヒが居たら、このような心配はないのにって。」

「ウヒ…あのフベクチェ出身の者か。あの者が去ってから、ペガも屋敷にこもりがちだ。」

「ペガ様ほどではありませんが、私も、ウヒに会いたい。」

 

 

ペガとウヒのことを思い浮かべながら、スは、皇子様と私は、これから、いったいどうなるのだろう、と考えた。

 

陛下のことが気がかりではあるものの、いつまでも、このように、皇子様と二人、和やかに過ごすことができさえすればいい。

 

でも、これは、つかの間の幸せなのかもしれない。

陛下に、もしものことがあったら…

 

小さな公主様は御出家なさったけれど、皇子様は表向き、皇帝の()()(娘婿)である。

禅位するとおっしゃるほど、陛下の皇子様への信頼は厚い。

 

皇子様があの光宗(クァンジョン)であることはおそらく確実なことであるが、ヘジョンのあとにクァンジョンが即位するの?

クァンジョンは第4代皇帝であったのでは?

 

第2代皇帝陛下には、太子の興化君(フンファグン)様がいらっしゃるけれど、あの方が第3代皇帝になられるのかしら。それからクァンジョンの御代が?

 

ああ、どうつながっていくのだったか分からない

高麗の歴代皇帝なんて、おぼろげにしか覚えていないもの。

 

 

 

スが、ソの考えが及ばないことにまで思いを馳せていると、向こうの方で、カタンと小さな音がした。目をやると、チェリョンであった。

 

「あら、今時、どうしたの?チェリョン。」

「あ、お嬢様、いえ、へ尚宮様…あ、明日の陛下の入浴の薬袋を…用意が手間取ってしまいまして。」

「医員たちのご助言もいただいて、いろいろ工夫した調合になっているから大変よね。早くお休みなさいな。」

 

チェリョンは遠くの方から二人を少々おどおどした表情で見つめていたが、そのまま、辞儀をして立ち去った。

 

 

 

「そろそろ、キョンソンデに戻るとするか。片付けるぞ、スや。」

「え?」

「下級女官も誰も居らぬではないか。おまえが茶器を片付けるのを、特別に手伝ってやる。」

「まあ、そんなこと結構でございます。早くお休みになってください。」

「そうはいかぬ。」

ワン・ソは茶碗や急須、菓子の皿を器用に手早くまとめると、厨房の水回りに持って行ってしまった。

 

「ま、待って。その茶器は丁寧に扱わないと…」

スは、すんでのところでソに追いついて、茶器を彼から取り上げ、汲み置いた水で洗い始めた。

 

「そんなにお手伝いがしたいのでしたら…布巾で拭いてくださいな。」

「わかった…これでよいか?」

ワン・ソは手伝いを言いつかった子どものように、スが渡した茶碗をキュッキュッと音がするまで磨き上げた。

 

「ふふ、よいでしょう。」

 

ワン・ソは、クスッと笑ったスをじっと見つめて、しごく真面目な表情をして呟いた。

 

「お前と、こんな風に、気安くそば近く、過ごせる日々がずっと続けばよいのに。」

 

 

千夜一夜の衣⑤に続く

 

 

 

 

何となく秋の夜長の雰囲気を出せたらよいなと思いまして

 

気がそぞろな毎日ですが

このように文章を書けるのは

嬉しいことですね照れ

 

ドラマ14話の変わらぬ愛の告白の後に

このような幸せなときがラブラブ

あったのだろうな

あったらよいな

そう思いまして書いてみましたニコニコ

 

勢いで書いたので

言葉遣いは推敲の余地あるかも

 

水曜日の日中

初雪が降ったのですってビックリマーク

全然わからないで室内におりました

 

 

 

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