皆さまこんにちはドキドキautrose930ですピンク薔薇

お読みいただいてありがとうございますラブラブ

 

「月の恋人 歩歩驚心 麗」二次小説ブログ

新シリーズは「千夜一夜の衣」としました

 

前回までは現代のお話を書きました

今回はドラマのお話に

お邪魔したようなところがあります

 

ドラマに戻るときは

どうぞリセットしていただきますようにベル

 

 

 

 

私だけが知る

後百済(フベクチェ)への道

 

二年前、高麗太祖の崩御に伴い、正胤ワン・ムを迎えに行くため、あの人と辿った道

 

天安を過ぎ、山林地帯に足を踏み入れた時、あの人の傷口が開きかけたので、火をおこしてひと時の休息を取った。

 

「私が楽師で、お前が妓女(キニョ)であったなら、私たちの関係はどうなっていただろう。」

いつものように、あの人は、柔らかな表情で夢見るように言った。

 

 

高麗の第13皇子ワン・ウク、慶州院君、通り名はペガ…

母君は、神聖王后金氏、新羅の王族出身だ。

 

あの人は、私がフベクチェ民であること、家族を太祖ワン・ゴンによって葬られたことを知っている。でも、まだ打ち明けていないことがある。私は、フベクチェの初代王、キョンフォンの孫娘ウヒなのだ。

 

 

 

 

後百済(フベクチェ)、後高句麗(フコグリョ)、そして新羅(シルラ)…混乱の後三国時代、武人にとっては絢爛たる戦乱の時代であったのかもしれないが、民たちにとっては何と忌まわしい時期であったことだろう。

 

暴君と化したクンイェが追放されて、ワン・ゴンが後高句麗の王に推戴され、やがて国号をコリョとした。傾きかけた新羅への攻撃を巡って、コリョとフベクチェは対立していたが、当初は、キョンフォンの方が武力的に優位に立っていた。


しかし、古昌(コチャン)の戦いで形勢は一変した。また、ワン・ゴンは、新羅に友好的な立場を取っていたため、新羅の最後の王、敬順王(キョンスンワン)は自ら望んでコリョに降伏したのであった。

 

その翌年、善山(ソンサン)の決戦、黄山(ファンサン)の戦いを撃破したワン・ゴンによって、フベクチェはついに滅ぼされた。この時、ウヒは未だ10歳にもなっていなかった。

 

 

 

ウヒが成長した今、故国が滅亡した理由を冷静に振り返ってみると、当時、国の内部に、血塗られた内乱があったのは動かしようもない事実である。

 

コリョと戦闘を繰り広げる一方、キョンフォン王が、側室の子、四男クムガンを継承者としたため、一族内の争いが勃発したのだ。クムガンは殺害され、キョンフォンは、怒れる長男シンゴムによって廃位、監禁された。

 

()()うの体で逃れたキョンフォンは、あろうことか、コリョのワン・ゴンのもとに亡命したのである。


そして、自らの子どもらを討つよう、ワン・ゴンに進言し、シンゴム、ヤンゴム、ヨンゴムら三人の息子は戦闘の中で命を奪われた。キョンフォンは、自らが築いた国フベクチェが滅びるさまを、戦闘の外側から見ていたというわけである。

 

 

 

祖父キョンフォン王は元々新羅の将軍であった。

フベクチェを興してから自ら新羅に侵入し、景哀王(キョンエワン)を殺害、その王妃に乱行を働くなど、高潔な性格のウヒが、頭に思い浮かべるだけでも恥ずべきこともあったのである。

 

新羅の血を引くペガは、このことをどう思っているのだろう。彼は、コリョがフベクチェに科した悲劇や苦役、特に、ウヒにもたらした悲しみを謝るばかりで、フベクチェが新羅に犯した罪について何かを言ったことは無かった。

 

 

 

 

暗殺計画の剣の舞は、図らずもペガの腹を刺すこととなり、ウヒの手を要さずに、ワン・ゴンはこの世を去ってしまった。

 

復讐する相手を失ってしまったウヒは、コリョからフベクチェの古都である完山州(ウォンサンジュ)に戻ったのち、鬱々とした日々を送っていた。

 

空っぽの心に心地よく思い出されるのは、楽器を奏するときのペガの優美な指先であり、ゆったりと圧迫感なく彼女を包み込むときの、彼の体温と衣の感触であった。野宿をした時に交わした口付けも…

 

いいえ、ああ、そうだ、私は母国の多くの遺民を、彼の地、ケギョンに置き去りにしてきてしまったではないか。ここに居たのでは、母国の民の暮らしは何も変わりはしない。

 

ウヒは、ペガへの思いが浮かぶたび、それを無理やり封じ込め、亡国の王女としての思考に転じることを繰り返していた。

 

 

 

 

 

彼女は、再び、彼女だけが知るフベクチェからコリョへの道を辿っていた。

もう、辿ることは無いと思っていた道。

 

私を、コリョの都へと引きつけるものは何なのだろう、何であるとすべきだろう。

そして、何が待っているのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以前、剣の舞の稽古をしていた林の中に、ペガの背の高い立ち姿があった。

 

 

「夢ではないか。」

二年ぶりに、ウヒの可憐な姿を目にしたペガは、騒ぎ立てるでもなく、息をふっと吐いた後、ふくよかに品の良い笑みを漂わせ、やはり、彼女を圧迫感なく包み込んだ。

 

「ずっと思っていた…傷がいえぬようにと、私を忘れぬようにと。」

ペガへの溢れる想いが、ほとばしるような言葉となって、ウヒの口をついた。

 

激動の少女時代を過ごした彼女は、素直に感情を表現することが苦手であり、このように、やや皮肉っぽい、刹那的な言い方しか出来なかったのである。しかし、彼女のペガへの真摯な思いは、十分すぎるほど彼に伝わっていた。

 

ペガに抱きしめられながら、ウヒは、彼女をこの地に引き寄せた大部分は彼の存在であろうと感じていたし、ペガは、そのことが全てであると疑いのかけらすらなかった。

 

 

 

 

 

 

どのように過ごしていたのだ、何をしていたのだ、矢継ぎ早に繰り出されるペガの問いが一段落すると、ウヒは、手首に同じく傷を持つ友のことを尋ねた。

 

「スはどうしている?」

 

混乱の皇位継承のさなか、別れたとき、スは教房のムスリ(下働き)で、臨終の太祖に茶を煎れるために内殿に呼び戻されていた。言わば、中核ともいえる場所に身を置き、謀反の動きもいち早く察知していた様子であった。

 

その後、無事にワン・ムに皇位が継承され即位し、恵宗(ヘジョン)の御代が滑り出したことは、フベクチェにいた彼女も早くから知り得ていたことであった。

 

 

「ヘ・スは、茶美園の最高尚宮を務めている。」

「元に戻ったのだな?身分も回復されたということか?」

「ああ、その通り。元々、ム兄上に気に入られていた娘である。それに、そなたをフベクチェへの道案内にと思いついたのはスであった。そのお陰で陛下が即位できたわけだから、スは功労者というわけだ。」

 

 

スの想い人は…

教房に居たとき、第8皇子の屋敷に住んでいたことがあると聞いたことはあるが、確たることを聞いたことは無かった。

 

ウヒの思いを知ってか知らずか、ペガは、のんびりとした様子で言った。

「スは、ソ兄上と想いを交わしたらしい。」

 

そして、にやっとして、ウヒに目配せをしながら付け加えた。

「ソ兄上の恋文というか言い訳の書状を、スに渡したのは、何を隠そう、この私なのだ。あの書状が功を奏したのかどうかは分からぬが、何日か後には、お互いの想いを語り合ったらしい。あの兄上が、私に、頬を染めながら言うのだから笑えるではないか?」

 

 

ワン・ソ皇子…話をしたことはないが、ウヒは二年前、フベクチェへの案内を請われたとき、

 

『信じることができるのか?』

間髪を入れずに言い放った、彼の鋭い口調と視線を思い出した。

間違いなく、戦略的で用意周到な人物である。

今、傍らに寄り添って歩いている、ペガとは全く異なる人物だ。

 

 

「スに会いたい。でも、その前に、居場所を決めねばならない。」

「私の屋敷に来てもよいのだぞ。」

ペガは全くもって調子が良かった。

 

 

フベクチェ遺民の暮らしがよくなるように、彼らが搾取されることのないように、何かすべきことを見つけねば。異国の都に留まるためには、目的と何らかの仕事が必要であろう。

 

 

心に古傷を持った、そして、ほかに、誰にも言わぬ何かを隠しているようでもあるヘ・ス。

 

何処か自分と似通っている、あの友に再会を願うウヒであったが、彼女たち二人が会うのは、かなり月日が経ってからのこととなる。

 

 

千夜一夜の衣④に続く

 

 

 

 

週末やっと夏物のサンダルを整理てへぺろ

やりたくないなデモやらないとーえー

 

こんな時は何も考えないで

手だけ動かしたら

いつの間にか終わっているものですね

 

 

今回の二次小説は

ドラマ本編の13~16話を見なおしましてネ

一番いいところですねニコニコ

イ・ジュンギはやっぱり声もいいし

格好がよいなんて騒いでいました

 

ウヒがケギョンに戻ってスに再会するのは

ちょっと間があるのですねうーん

多分、ワンソがソギョンにたってからですネ

 

それで、当初の目論見と変わってしまい

さくっと中味に入れなくて

歴史満載になっちゃいました爆  笑

今回はリアリティを追求しない

なんて言っていたのにねえ

 

 

感染状況が高めで続いているので

週末は出歩かず家におりました

 

 

 

 

 

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