皆さまこんにちはドキドキautrose930ですピンク薔薇

お読みいただいてありがとうございますラブラブ

「月の恋人 歩歩驚心 麗」二次小説です

 

皆さまいかがお過ごしですか?

連休中は地域の数字を見て不安でした

重苦しい雰囲気が漂いましたうーん

今日あたり少し安心照れ笑いも大分復活ニコニコ

 

お家に居る期間たくさん読んでもらいましたドキドキ

 

スヒャンのお話は、恋人が無事帰還して

季節ちょっと早めて夏至の時期にしました

 

史実の脚色あります注意

時代考証は不完全なりお願い

ドラマに戻るときは

どうぞリセットしてくださいネベル

 

 

「水のつぶつぶが、ほっぺに当たって気持ちがいい!」

「ほんと?兄者、おいらも同じようにやってみたい!」

「これ、お前たち、寝転がっているのはよいが、そんなに端までいってはいけないよ。淵に落っこちてしまうじゃないか。」

「大丈夫だよ。オンマもやってごらんよ。すんごく気持ちいいんだから。ね、兄者?」

 

その時、切り立った岩壁の向こう側から、ゴーンと鐘の音が響き渡り、流れ下る滝のはじける水音は、少しの間覆い隠された。

 

「ほうら、午(うま)の刻の鐘だよ。そろそろ、お坊様達の昼餉をお出ししなくてはならないし、今日は、都から皇帝陛下のお使いで、武人様達が来なさるのさ。こっちは、さぞかしたらふく食べることだろうね。遅れたら、オンマが叱られちまう。さ、帰ろ、お前たち、もう十分遊んだだろ?」

 

 

ヤン・テスとソン・ヒョクは、滝つぼに突き出た竜岩の下で、他愛のない親子の会話を聞いていた。

 

ほどなく、男の子二人が、巨岩に這わせた縄梯子をするすると伝わって降りてきた。ずらりと居並ぶ兵士の一隊に、幼子の表情はたちまち凍りつき、母親がヨッコラショと遅れて地面に降り立つと、二人とも母の背に隠れてしまった。

 

「もしや、そちは観音寺の者か?我らは皇宮より、陛下の使いで参った近衛隊である。坊様達の衣類やら、食料、鉄鍋など、御修行に必要なものをお持ちした。案内してくれるか?」

 

観音寺の料理番である母親は、落ち着いた様子で頭を下げると、先ほどとは打って変わった丁寧な言葉でテスに答えた。

「ご苦労様でございます。お待ち申し上げておりました。寺の本殿は此処から歩いて半時ほどのところ。ご案内申し上げます。」

 

「オンマ、このおじさん達、怖い人じゃないの?」

シッと人差し指を口にあてると、弟の方の手を引いて、母親は兵士らを促すようにして先に歩き始めた。

 

 

「ピョルジャン殿、寺の者のようです。参りましょうか?」

テスは少し離れたところにいる、馬上の上官に伺いを立てた。

 

「そちたちは先に行っておれ。私は少々遅れて行く。昼餉も先に頂いていてよいぞ。」

「へ?ピョルジャン殿は何をなさるんで?」

隊正に昇進しても、いまだ田舎言葉が出てしまうテスであったが、ホン・イルドが、横にいる馬上の麗人を顎で示しながら、此方に伏目がちに視線を送ってきたので、ははーんとばかりに頷いてから言った。

 

「分かり申しました。先に行って品々をお渡しし、昼餉をいただいておりまする。さあ、みんな行くぞ。」

テスは近衛隊の小隊に声を掛け、兵士らは各々の馬を引いて、案内の親子の後に従って行った。

 

 

 

「足元にお気をつけてゆっくり上がってください。」

先に巨岩に上がったイルドは、スヒャンの白い手をしっかりとつかんで引き上げた。

「あの幼子たちは余程慣れているのですね。いとも簡単にこの縄梯子を伝っていたわ。」

スヒャンはやや汗ばんだ額にかかる前髪を、両手で横にかき分けると、深い蒼緑の滝つぼに流れ落ちる白絹のような滝を見上げた。

 

今日は、卯の刻(朝六時)過ぎに、イルドに屋敷に迎えに来てもらい、テス率いる小隊とともに観音寺への務めに同行していたのである。

 

観音寺は、この朴淵瀑布(パギョンポッポ)に隣接しており、以前から此処にイルドと二人だけで来たかったスヒャンは、父ワン・ジョンに特別に頼み込んで実現したものであった。

 

パギョンポッポの淵(ヨン)に突き出た巨大な竜岩は、登ってみると二階ほどの高さがあり、大きな屋敷の露台のような広さがあった。

 

「きっと、あの子らはこのようにしていたのですね。」

言うなり、スヒャンは滝の方に頭を向けて仰向けに横たわると歓声を上げた。

「まあ、本当だわ。滝の水しぶきが顔にかかって何とも気持ちの良いこと。」

 

「公主様、そのようなことをなさっては…」

 

傍らに座すイルドは、スヒャンの突然の行動にうろたえた。念のため周りを見回してみたが、テスたち先発隊の姿はすでに無く、蒼空のもとには、水と切り立った岩場と緑陰の山肌があるのみだった。

目の前には、薄橙の短か羽織に乗馬用の海老茶のパジを身に着けた、スヒャンの女性らしいしなやかな姿が横たわっており、イルドは思わず、抱え込んだ自らの膝に顔を伏せた。

 

「イルド様も横になってごらんなさいな。今朝からの疲れが取れますことよ。」

「わ、私一人ならばよいですが、公主様が隣にいたのでは少々、いえ大分問題がございまする。」

「何故、問題が?」

 

スヒャンが無邪気な目つきで此方を見つめて言うので、イルドは仕方なく、彼女から一間ほどの距離を置いて慎重に横になった。

 

確かに、日光で温まった岩のせいで背は適度に温かく、彼の火照った頬は、滝の細かな水しぶきによって適度に冷やされた。

やれやれ、公主様には困ったものだと思っていると、今度は、スヒャンの細い指がイルドの手首を捕えて、くいっと引き寄せられた。

 

「で、ですから、問題が…」

「そんなに離れていては、滝の音でお話も出来ませぬ。それにどんな問題があるというのです?この秋、私達は夫婦になる間柄ゆえ、何らの問題もございませぬでしょうに。」

澄ました顔つきでスヒャンは言った。

 

「御父上や陛下の内諾を得てはおりますが、このようなことが知れたら、お取り消しになるやもしれませぬ。」

「ほほ、イルド様は心配性ね。そのようなことは絶対ありませぬ。私は、イルド様の他に婚姻することは一生涯ありませぬと、父上に申し上げておりますゆえ。」

 

結局は、愛しい女人の傍に居たいという人情が勝ってしまい、イルドは申し訳程度の咳払いをすると、スヒャンの隣に片肘をついて横になった。

 

「本当に私のようなものでよろしいのですか?ご存じないでしょうが、公主様は、有能な方々に憧れを持たれているのですよ。ソギョンでお世話になったソ・ヒ殿も、スヒャン様のためにどのようなお役目も果たす覚悟とおっしゃっていましたし、そのう、羨望の入り混じったような発言もされ…とにかく、あの方は大変優秀な方です。」 

「…確かに、ソ・ヒ殿は、将来御出世されることでしょう。でも、ただ、それだけのことです。私にとってはイルド様しかいらっしゃらないのですもの、お覚悟くださいませ。」

 

「そんなことより、私たちの住まいのこと、以前、私の一家が住んでいた屋敷でよいですか?皇宮の広化門に近いゆえ、何かと詮索の的になるのが少々気がかりですけれど。」

「ワン・ジョン様のお申し出は、有難いお話ですが、ご立派なお屋敷までいただくのは大変心苦しく…都大路をかなり南東に下ったところに、小さな屋敷を見つけたのです。離れが一つと厩があり、公主様には手狭でございましょうが、住まいは自らの手で探したいのです。」

 

「トックが、女中のクックァとこの春祝言を上げ、二人を連れて行くとよいと母上に言われています。二人には離れを使わせればよいゆえ…皇宮から離れているのも気に入りました。イルド様がよろしいのなら、私は其方で結構です。一緒に寝転がってくださったから、屋敷のことはお譲りします。」

 

スヒャンは片肘をついてイルドの方に向き直ると、にっこりと微笑んだ。

 

スヒャンの前髪が目にかかり、イルドは手を伸ばして彼女の代わりに耳にかけてやった。

スヒャンが恥じらってうつむいたので、イルドは、その白い額と美しい鼻筋を心行くまで見つめていた。

 

「スヒャン様は御母上の方に似てらっしゃるのですね?」

「丸い目は母にそっくりと言われております。以前お話しましたかしら。それと、この指先も…このように爪が丸いのも母譲りだそうです。」

 

そうなのか。

男の子は母親に、女の子は父親に面差しや立ち姿が似るようだと、義姉ウォンサンが言っていたことがある。甥っ子のムンジュンは義姉そっくりであるが、最近、ほっそりとして兄の風貌が出て来たところである。

 

公主様は顔立ちが細面で、立ち姿も、骨太のワン・ジョン様の骨格というよりも、どちらかと言えば…

 

伯父と姪であるから、雰囲気が似ることはあるのだろうが。

 

 

IUちゃんの丸いお目々と

ジュンギッシの額と鼻筋を持つ

ヘ・スの娘はどのような美人なのでしょう

 

 

婚姻が許されて、スヒャンとの距離がさらに縮まり、また、近衛隊の中核となって皇帝の側仕えも増え、イルドは時にこのような思いを感じるようになっていた。

 

「イルド様?」

スヒャンの手を取ったまま、何か考えている様子のイルドに、どうされたの?とばかりにスヒャンが問いかけた。

「ああ、すみませぬ。腹が空いたのか、ぼんやりしてしまいました。」

 

スヒャンの手を自らの頬にふんわりとあてがってから、イルドは、照れくさそうに笑んで彼女の手を静かに放した。

 

「それはいけませぬ。早く昼餉を召し上がらねば。北界からお帰りになって、やっと体つきも元に戻ったというのに。参りましょう、テスたちが、先ほどの母御のお料理を全部平らげてしまわぬうちに。」

 

 

 

イルドは、スヒャンを持ち上げて大型のピョルに跨らせると、自らはタルにひらりと跨った。

 

「ピョルも、公主様の元に戻ってから、また身綺麗になりました。北界の務めでは酷使してしまったな、ピョル?」

「ふふ、そうね。ピョルはタルと一緒だと、長いこと待つことも出来るようになった。随分とお利口になったわね。」

 

スヒャンが大型の愛馬の首を撫でてやると、私は以前から綺麗好きだし利口でしたとばかりに、ピョルは鬣(たてがみ)をフルフルと揺らしてみせた。

 

「最近、皇帝陛下にはお会いになられましたか?」

「いつも母上の命日には、墓参りの後、陛下に拝謁するのですが、此度は宋の使節に謁見の最中で、お会いできなかったのです。」

 

「それと…ソルヒャンから昨日書状が届き、嫁ぎ先の御父上の容体が思わしくないと。場合によっては、父上は坡平(パビョン)に赴かねばなりませぬ。屋敷では、父上の出立に備えて支度を始めており、私も、しばらくは皇宮には参りませぬ。」

 

一部心配な内容もあったが、スヒャンとイルドは、観音寺の大雄殿に着くまで、二人だけの親密な会話を楽しんだ。

 

緑陰の一本道は、木々の枝葉で夏至の強い日差しが遮られ、小鳥のさえずりや虫の羽音が賑やかであった。

 

スヒャンの純情78に続く

 

 

 

久しぶりに書いたので

書き出しの文句やタイトルも(笑)

どうだったかなーと思っちゃいました

 

二人はいつの間にか

婚姻を許可されたのですねラブラブ

以前書いたことのある(パギョン辺り

「パギョン瀑布」でのデートでした

プロムナード的なお話なのでこのお話でfin

次からまた動き出します

 

皆さまお元気でネ

 

 

 

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