ドラマ「月の恋人歩歩驚心─麗」の第16話キラキラ

矢で怪我を負ったワン・ソの元をスが訪れるくだり

一夜明けてから

ワン・ソが皇帝になりたいと明言する、夜にかけて

二人はどのような一日を過ごしたのだろう

そう思って書いてみたものです

平凡だけれど幸せなラブラブひとときだったのでは?

 ドラマ本編をベースに書かせていただきましたが

よかったら読んでみてくださいビックリマーク

季節は早春にしました

三月に謀反を企てることになっていましたのでねビックリマーク

まずはスの目線からキラキラ

 

 

 

 

 開京(ケギョン)から西京(ソギョン)に

向かう道すがら

ワン・ソが療養先とした旧豪族の邸宅。

 

 

スがここに到着したとき、

ワン・ソは高熱にうなされ

意識も定かではなく

苦悶の表情で臥せていた。

 

 

数日前、皇帝の矢で射抜かれた右腕の傷が

化膿して悪化してしまったのである。

 

 

彼女を庇ったがためのこの傷の他

治療を施したスが目にしたのは

ソの背に刻まれた過去の様々な傷跡であった。

 

 

王族としては不幸な幼少年期を過ごし、

諍い(いさかい)に身を投じることの多い皇子であったから、

体にある程度の手負いがあるのは想像がつく。

 

 

しかし、これほどまでのものと

スは思っていなかったため

彼女の受けた衝撃は大きかった。

 

 

刀剣によるものの他に

獣の爪あとのようなものさえあった。

 

 

『狼に襲われて寒くて、育てていた白樺の木を燃やした。』

 

以前、彼が何気なく言った言葉を

スは、今さらながらに思い出した。

 

 

 

スは、問題の傷口の膿をきれいにふき取り、

あらかじめ茶美園(タミウォン)で調合してきた薬草で充たして治療した。

 

芍薬(シャクヤク)の根

梔子(クチナシ)の実

連翹(レンギョウ)

吾亦紅(ワレモコウ)などを見繕い

松脂(マツヤニ)を加えたものだ。

 

 

幸いにもそれが功を奏し、

ソは熱が下がり、

意識もはっきりして目覚めたのである。

 

 

 

そして、二人は再び、恩愛の情を確認することとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして一夜明けて…

 

 

『皇子様、よく眠っているわ。』

 

早朝まだ薄暗い中、スが目覚めると

ワン・ソは痛む右腕をスの体に回し

安らかな寝息を立てていた。

 

 

昨夜は、この褥(しとね)で初めての夜を

過ごしたのだが…

 

 

赤と黒の配色の木綿の質素な夜具に

皇子と二人、こうやって包まっていることに

 

今、朝を迎えてスは頬の赤らむ思いであった。

 

 

ソの体調を考えれば、ただ安静に過ごすべきであったのかもしれない。

 

そのように計らうのが、女人である自分の役目であったかもしれない。

 

 

しかし、二年間溜め込んだお互いの感情が、

ほとばしり出てしまうのはどうしようもなかった。

 

ソは、スを拒絶し、

ひたすらにスへの愛情を秘め隠し、

 

スはソを恋焦がれ、

ひたすらに待ち続けた二年間であったのだ。

 

 

それに、スは、今回、

病を患って臥せっている呈で、

茶美園を命からがら後にして来たのであり

切羽詰まったそれなりの覚悟もあった。

 

 

 

『スや、怖くはないか?』

昨夜

彼女の袷(あわせ)の襟に指を掛けたとき

ワン・ソは少年のような目で問うた。

 

『怖いなど…

そのようなことはありません、皇子様』

考える必要など何もなく、そう告げている自分の声をスは聞いていた。

 

 

 

そして、天の川をめぐるように

幸せなときは流れていった。

 

ソの口付けを首筋に受けながら、

スは、愛情と慈しみをこめて、

傷跡の刻まれた彼の背を撫でた。

 

かつて犬狼の野蛮さを垣間見た皇子であり、

自分は愛情と友情を区別できないのだ、

と言っていたソは

 

今や、スの耳元で愛の言葉を囁き、

彼女を、この上なく優しく大切に扱う恋人となっていた。

 

 

皇宮の庭園で、お互いの愛情を確かめた日から

三年余りの歳月を経て、ついに二人はお互いのものとなったのである。

 

 

 

 

今朝、ソの寝顔は無邪気で、とても穏やかだ。

 

 

ずっと前の雨乞いのとき、

民衆から非情な仕打ちを受けた後

小船の中で寝ていた、

ソのふてくされた表情を思い出して、

スはクスッと笑った。

 

 

そろそろと手を伸ばして、ソの形のよい額に手をやると

朝になって熱はしっかり下がっていることが分かった。

 

 

昨夜、ソは、ときおり

右腕の痛みに顔をゆがめていたし、

 

眠りにつくときも、スの肌に触れる彼の体は

まだ、微熱があるようだったので、

スは心配だったのである。

 

 

『よかった。

たくさんお眠りください、皇子様。

よい眠りは傷の回復を早めます。

昼前に一度、

傷口を見ておかなくてはならないわ。』

 

 

もう少し、ソの腕の中にいたかったが

スはそっと静かに彼の右腕をはずすと、

ゆっくり起き上がった。

 

 

ソは、

うーんと言って体の向きを少々変えたが

そのまぶたはしっかり閉じられたままだった。

 

『そのまま、そのまま、

眠っていらして下さい、皇子様。』

 

 

スは手早く身支度を整え、髪を結い上げ、

部屋を出た。

 

 

 

 

 いくつかの棟が点在する屋敷には、誰がいるわけでもない。

 

ペガ様が使用人を皆引き上げさせてしまったから、どこに何があるのやら見当が付かない。

 

 

朝もやの中、調理場と思しき一画を見つけると

そこでスはソの朝餉(あさげ)の支度に取り掛かった。

 

 

 

貴方に…

 

皇子様にして差し上げたいことは…

 

 

 

まず、今、美味しいお食事を作ること

お米を研いで浸して…

 

おかずは何を作ればよい?

天井に吊るされた、

蕨や蕗などたくさんの山菜、緑の菜

かごに入った松茸、まあるいきのこ

これは何?

 

大きなかぼちゃが一つある

 

干したお肉とお魚があるけど

お肉はカチカチだからすぐには使えない

においの強い魚はお嫌いだから使えない

 

皇子様の好きなもの、精の付くもの、

食べやすいもの、早く、ようく考えて

 

朝餉の支度ができるまで、

どうぞ起きて来ないで下さいね、皇子様

 

 

お食事はもちろんだけれど

お風呂に入れて差し上げて

御髪を洗って差し上げて

(洗わせてくれるかしら)

傷の手当をして差し上げて…

 

して差し上げたいことは、たくさんある

 

私は貴方のものに

貴方は私のものになったのだから

言うことをきちんと聞いてくださいね

 

明日、私は皇宮に茶美園に

戻らなくてはならないから

次はいつ会えるのかも分からないから

二人きりでいられる今日一日は

きっと特別な日

大切に大切に過ごさなくてはなりません

 

 

 

さあ、大体できた… 

                                         

出来上がった料理を見回すと、野菜の皿ばかりが並んでしまい、もう少ししっかりしたものがほしかった。傷の悪化で体力を消耗している皇子に、体力、気力を回復させるような食事がよいのだが…。

 

 

そのとき、朝の空気を振動させるように

雄鶏のけたたましい鳴き声が聞こえた。

 

スは、あっとひらめきの表情を見せた。

 

 

relay story 旅先の情景(高麗)に続く

 

 

 

 

 

お読みいただきありがとうございます🎵

高麗のワン・ソとヘ・スのシーンを書くのは初めてです

クァンジョンとスはあったのですけれどねてへぺろ

 

 

 

ワン・ソのことスはファンジャニムドキドキ

と呼んでましたから

「皇子様」と呼ぶことにして

間の文章は、ソとス、にしました

 

 

 

ドラマでは

再会した夜パッと花火

ろうそくが消えたと思ったら

 

 

二人でお布団に横になっているし

スはお着替えしているし

 

 

そのあとお約束の影絵をしたりして…星空

 

 

 

この順に場面は流れたのかな

 

二人の間に何があったと考えるべきかな

 

あるいは何もなかったと考えるべきなのかなキョロキョロ

などなど考えましたけれど

(暇なおばさんですね爆  笑

 

 

 

でもこのとき二人は

お互いのものになったと

autroseは考えます

 

 

それでよいでしょうか?

(今さらですが…汗

 

 

 

次回はワン・ソ目線キラキラも入れながらの

続きのお話です

 

 

平凡な一日のお話ラブラブにするつもりです

 

 

 

 

 

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