<現地発>中米政治・経済・社会についての考察&見聞録 -9ページ目

<現地発>中米政治・経済・社会についての考察&見聞録

長年中米に在住する某国政府経済情報局部長である経済学博士が繰り広げる、最新の中米の政治・経済・社会に関するクリティカル・ディスカッション。日本との関係や違いを考慮し、小国ではあるがバライエティーに富んだ中米各国、また中米域全体の魅力についてのご紹介。

現在中米で勤務しており、中米在住歴はエルサルバドルが13年、グアテマラが2年ですので今年で合計15年になります。中米は日本の多くの方々にとってどちらかというと馴染みの薄い地域かと思いますが、欧米諸国は長年この地域に魅了され、歴史に残されているように、その資源などの利益を授受するべく様々な形態で交流を行い、中米はその結果深い影響を受けてきました。

日本も第二次世界大戦後中米との交流を増し、この地域の魅力を発見し相互の発展のために良好な関係を保っています。過去半世紀で伝統的に日本が中米に関心を寄せてきた分野としては繊維やコーヒーが代表的で、またより最近ではタイヤや電池製造、ハーネス組み立ての化学・自動車分野もあります。しかし近年は工業や農業分野以外にも日本の個人レベルでも中米に対する興味増加の現われとしてグアテマラのマヤ文化、ホンジュラスのカリブ海、コスタリカのエコツーリズムなど、観光が中米との新たな接点となってきています。

一方、重大な足跡を残した政府間レベルでの関係もあります。例えば日本政府の借款で建設されたサンサルバドル国際空港は米州を縦断する航路を持つエルサルバドルのTACA航空がその小国の域を越えて、他の中米諸国の航空会社を吸収しながらサービス領域を広げてきた礎石となったとも言えます。現在エルサルバドル東部ではこれもまた日本政府の借款で新たに中米には他にない大規模のラウニオン港が建設されていますが、近い将来これを省みた際にエルサルバドル、また中米に多大な貢献をもたらした大事業であったと評価されるものになる事が期待されています。

最後に、言うまでも無く中米における日本の影響は深く、世界の他の地域同様、日本製の物と言えば自動車や電気の優良製品を意味し、文化面でもかなり以前から現在に至るまで日本の漫画はテレビ放映などを通じて広く親しまれています。

上記のような中米でありますが、この地域を小国の集まりと一言で言いましても国によってそれぞれ大きな違いがあるものです。その違いをご説明しながらこれから読者の皆様に中米の政治や経済を中心にご紹介していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。