【単行本の範囲でネタバレ有り】

 

会期: 2022/10/28(金)~ 2023/1/9(月)

会場: 森アーツセンターギャラリー

11/6(日)冨樫義博展に行ってきました。

とりあえず原画が見られたので満足です。

幽遊白書に関しては「トリートメントはしているか?」とか鴉戦のラストの吸血植物とか「お前らはまた別の敵を見つけ戦い続けるがいい」とか飛影vs時雨とかが見られてよかった。

特に雷禅の「よォ…息子」の顔とか、是流に襲い掛かる炎殺黒龍波が集中線の上から塗りつぶして描かれてて全てを飲み込む闇の様な演出でかっこよかった・・・

 

レベルEはどうでもいいキャラのキャプテン四番ライト岩田の半裸姿がどうでもいいけどちゃんと野球部で日焼けしてるけどユニフォームの形に真っ白に日焼け跡が残ってるのがすごくどうでもいいこだわりを感じてちょっと面白かった。


HUNTER×HUNTERは滅茶苦茶好きなシーン・絵柄ばかりなので箇条書きで・・・
・キルアvsジョネス

→マジでわかりやすい嚙ませ犬なんだけどキルア以外なら殺されてたかもしれない位の実力はあったと思うし、その位の格として描かれていたジョネスがセリフの途中で盗られるシーン。キルアの表情やただ歩いたようにしか見えない動作、そして手に握られた心臓。凄い描写だなと思う。

 

・「(理屈じゃねーんだな…)まいった オレの負けだ」

→圧倒的な力の差を見せつけたハンゾーが汗をかいていて、ボコボコにされて傷だらけで腕もおられていて額に突き付けられた剣の先から血を垂らしながらも一歩も引かずまっすぐ相手を見つめるゴン。諦めて剣を収めるとこの"ヒュ"ってとこの腕の描き方が好き。

 

・9月3日⑧の喪服姿の旅団

→これは単純に黒スーツで揃えてる旅団かっこいい。コルトピとボノレノフについては無茶しやがってって気持ちになるけど・・・

 

・「オレ達から貴方への鎮魂曲です」

→旅団がマフィアを殺している街を目の前にして爆音や銃撃音の中を戦闘狂だったウボォーギンへのレクイエムとして指揮をとる団長。意味わかんないけど美しい。

 

・対ゾルディック家に出したスキルハンター

→ここやたら細かくクロロが描かれてるよね。

 

・「お前にあえて本当によかった」

→キルアの表情とかすごくいいんだけど、ゴンの足だけコマの中に入ってて何らかの意味があるはず・・・

 

・「ジン…!?」「ゴン…か!?」

→暗い背景に浮かぶ白い桜の様な花びらが綺麗。

 

・「オレから離れろ!!」

→はるか遠い巨大な蟻の巣にいる点としてすら描かれていないピトーが次のコマでアップになる距離まで飛んできている距離感とスピード感の描かれ方が好き。

 

・「そりゃ悪手だろ 蟻んコ」

→無表情で見下ろすネテロが嘲るように笑いながら見下す表情に変わるシーン。

 

・「音を置き去りにした」

→ただの正拳突きなのにネテロスゲーってなるからスゲー。

 

・「何でそいつばっかり!!!」

→怒りと悲しみと戸惑いが溢れる今までにない表情をするゴン。

 

・百式観音壱乃掌

→ネテロが初めて面と向かって念能力を使った戦闘をするシーン。”かっこいい”デザインではないもののなんか凄くてデカくて強そうな百式観音が、ここまで圧倒的な強さを見せてきたメルエムに初撃を叩き込む場面。ネテロの強さがようやく現わされた多くの人が待ち焦がれていた戦闘。

 

・人間の底すら無い悪意を……!!

→オーラを使い切ってしわしわのよぼよぼになり果てたネテロからメルエムが感じ取った悪意のドクロの形で浮かび上がる。全てを出し切って戦った満足感や達成感などもなく、メルエムとの対話を通じて人間に対する気持ちの変化などを感じ取った上で悲しみも哀れみもなくただ笑みを浮かべて実行しようとするネテロ。

 

・ドッ!

→無言で心臓を貫くネテロに「詰んでいたのだ」と悟るメルエム。戦いの結果如何など何の関係もなくただこの場にメルエムと二人で立った時点で詰みの手を指し切っていたネテロと、詰みとなっていたメルエム。人間の武の極致であるネテロとそれを以てしても倒せなかったメルエムの個の強さの最高峰を描いた後にその個の強さの無意味さを表すかのような貧者の薔薇。暗黒大陸編で出てくる「そこで求められた強さはワシが目指すそれとは少し違っていた」に繋がるシーン。

 

・う"おん んんん… キイイイイイ

→このオーラを爆発的に膨らませた後拳に凝縮して鋭く光り始める演出が好き。

 

・「おやすみなさい…メルエム…」

→この二人のやり取りは良かった。

 

・「いえる状態じゃ…この…くそ野郎!!」

→レオリオの切れて真っ白になるコマから「何かぶん殴る→粉々になった机→地面を伝うオーラ→ジンの手元に何かが出てくる」で初めて使うレオリオの能力が描かれてるの好きなんだよね。結局アレなんだけど。

 

・暗黒大陸の「ここは…」

→暗黒大陸の生物の圧倒的なサイズ感と生態系の一部が描かれていてワクワクする絵。

 

・チョウライの守護霊獣

→太陽の様なモチーフに曼荼羅(密教)のような文様に十字架(キリスト教)、宗教的なモチーフであることはわかるものの怪しい黒い線が出てもいる。好きなデザイン。

 

残念ながら好きなキャラトップのゲンスルー、ゴトー、レイザーのかっこいい絵はなかった。(そういえば鴉とかゲンスルーとか好きなので爆弾魔が好きなのか・・・?(多分そこは関係ない)どうでもいいけどボム(違う作者の作品)も好きだ)

そして最後の出口にゴンと幽助が一触即発状態になってる絵があった。

この二人がやりあう事になる状況ってどんなだろう・・・普通に仲良くなりそうだよな・・・あるとしたら仲間のため位か?とか考えながら物販並んでました。

 

物販購入物

公式図録(飛影かっこいいのになんでヒソカこんなイカれた格好してるんだ・・・あと戸愚呂兄本編では実際に描かれなかったけどヤリとして弟に持たれてるときそんな感じなんだ・・・)

 

幽遊白書クリアファイルとHUNTER×HUNTERクリアファイル

 

クラピカのチェーン付きメタリックアクリルキーホルダー、スライドキーホルダー(わ!!!!!)、スライドキーホルダー(宇宙人飛影)

 

※公式図録ネタバレ

帰ってから公式図録見てたら冨樫メモとやらが乗っていて、ゼノとシルバが放出系能力者ってなっててマジか・・・ってなった。ドラゴンダイブ位しか放出系使ってないが・・・

冨樫が実際に書いたメモを冨樫義博展の公式図録に乗せている以上それが公式なので否定する事は出来ないのだが、正直草案レベルのメモであって実際に作品上も同じという訳ではないんじゃないかと個人的には思いたい・・・

腕相撲で変化系のマチやフェイタン以下のノブナガが強化系だし、異空間内にマンションを具現化しているノヴが放出系だし・・・

しかしこれでゾルディック家で変化系なのがキルアだけになった。何か意味があるのだろうか。

 

※クリエイターズメッセージ(作家などの人達から冨樫作品へ向けたコメント)ネタバレ

芥見下々ほんとにHUNTER×HUNTER好きなんだなってのが伝わってくる。

荒木飛呂彦の「近くで寄り添ってくれるリアリティある兄貴」ってのを見て、確かに承太郎も幽助も不良の主人公でありながら方向性が全然違う。承太郎は話しかけんなってタイプでアブドゥルに合う前からぶっ飛んだ生活してるけど、幽助は割と普通の学校生活を送ってる不良で教師と衝突したり他校の不良と喧嘩するくらいで他は結構普通。

尾田栄一郎が取り上げたシーンが殴り合いとかではなくゲームマスター戦というのは意外。ゲーム感覚で参加していた殺す覚悟も死ぬ覚悟もない子供相手に心理戦を仕掛けて精神を揺さぶりミスを誘う蔵馬。本来であれば絶対にやらないようなことをしなくてはならない場面。そう仕向けた仙水や後ろで見ていた仲間たちそれぞれの心理が表れているシーン。

 

ちなみに会場に展示されていた初期作品を含めた原画やクリエイターズメッセージも収録されているので公式図録は買った方が良いです。マジで。