映画自体は特別良くも悪くもなかった。
戦争映画なんぞ毎回どれも同じさ。
大事な事は、
この映画のサイパン島に限らず日本の兵隊達は、きっと死ぬ間際は、天皇陛下などより、祖国の人々を思いながら死んでいったはずだ。
沖縄でも硫黄島でも、本土への無差別な空爆攻撃を少しでも阻止する為に最後まで戦ったはずだ。
決死の時は、天皇陛下バンザイなどより、母親
もしくは妻
子供達の為に死んでいったはずだ。
戦争映画を見る上で 大事なのは、気持ちのスタンスだ。
何の為に 命を捧げたのか
…
こいつが毎回最大のテーマ
なまやさしい今を生きていられるのも
日本の未来の為に死んでくれた兵隊達のおかげだ。
ならば、今を生きる人々は、
弱い人間に手を差し伸べる優しさを教えよ。
同じ日本人同志で、無駄に競い合わされ
金のある人間と貧しい人間が生まれてるのは哀しいじゃないか。
小僧共は何の為に馬鹿のひとつ覚えのように塾へ通い皆都会を目指すんだ?
これからは
小僧共の力で、地方を活性化させ高齢者の為に尽くせ。
なまやさしい今だが、自殺者は世界一多いらしいな。
弱い可哀想な人間達も沢山いるらしいな。
ひょっとしたら、弱くなりたくないから、強くなろうと小僧共は一生懸命勉強してるんじゃないか。
そいつは間違ってるぜ。
強い生き方ってのは、弱い人間を思いやり、手を差し伸べる事が出来る奴だ。
自分が、上に上がる事じゃない。
上に上がれば、地べたをさまよう弱い奴らが生まれるんだ。
つまらない競争社会の中で、大切な事を見失うなよ。
小僧共よ。
無やみに
人に勝とうと勉強ばかりしてないで、たまには俺の小説でも読んでくれ。
By 北方謙三