「童話の○○という話は、実は××という歴史事項を暗示している」

 そんな本のたぐいかと思って軽く手にとったのですが。内容がずいぶんと深い。


 朝廷が昔にまとめた歴史書である日本書紀。この中では、歴史的事実を年代を偽って時系列をバラバラにして、肝心なことを隠蔽した、という主張がなされております。


 藤原氏が、由緒正しい家系であった蘇我氏を完全に歴史から抹殺するための改ざんだというわけです。

 そして、蘇我氏側はおとぎ話の裏に真の歴史を封じ込めたとしています。


 そんなわけで、昔話を一つずつフィーチャーしていくというわけではなく、日本書紀を読み解いていく中で鍵をおとぎ話にもとめるというアプローチがなされています。


 この着眼点は非常に面白い。

 桃太郎の話を、鉄の産地であった吉備地方の平定の暗喩というものや、神功皇后の戦績を古墳の分布になぞらえ、実際の歴史に当てはめてみるというところなどはね。


 ただし。

 おとぎ話の中に、何でもかんでも裏があるとは限りません。物語を作った人の真意が分からない以上、深読みし過ぎである可能性もあります。

 その読解で正しいかどうかが、客観的には分からないわけですね。


 仮説は仮説です。読むならあくまでも知的な読み物として、ですねあせる



おとぎ話に隠された古代史の謎 (PHP文庫 せ 3-13) おとぎ話に隠された古代史の謎 (PHP文庫 せ 3-13)
(2008/09/01)
関 裕二

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